2004年04月30日
新日本製鉄は28日、日鉄鋼板、日鉄鋼管、日鉄建材工業の3社を株式交換により100%完全子会社化すると発表した。6月下旬開催の各社株主総会で株式交換契約書の承認を受けたうえ、7月31日に株式交換する予定。株式交換比率は、日鉄鋼板1株につき新日鉄株1・095株、日鉄鋼管は同0・646株、日鉄建材工業は同1・679株の割当比率。株式交換に際して新日鉄の株式数に変更はない。

 新日鉄としては、建材薄板、鋼管、建材、土木加工分野で中核的役割を果たしている3社を完全子会社化することで、グループ事業戦略の共有化・実施の態勢整備をより進展させるのが狙い。これによりグループ全体での収益力・競争力強化を一層加速していく。

新日本製鉄が28日発表した04年3月期決算は連結経常利益が前期比2・5倍の1728億5100万円と大幅増益となった。原燃料市況価格の高騰、名古屋製鉄所のガスホルダー爆発事故の影響はあったものの、製鉄事業における国内外の販売価格改善や中期計画を上回るコスト削減などが寄与した。

 ただ連結当期純利益は固定資産減損会計の早期適用による減損損失600億円など992億円の特別損失計上で、415億1500万円にとどまった。

新日鉄は04年度の原燃料およびフレートのコストアップが1700億円に達すると見ている。3月初時点で公表した1000億円超から大きく上乗せした。03年度実績では655億円と3月の見込みから25億円増えた。鉄スクラップ、海上輸送費などはピークから下がったものの依然として前年を大きく上回っているうえ、コークス、合金鉄の値上がりが効いてくる。

3月末の国内向け薄板3品在庫(メーカー・問屋・全国コイルセンター工業組合)は、前月比3・7%減の合計377万4000トンだった。2カ月連続の前月比マイナスでメーカー、流通ともに減少し、需給環境から判断して適正水準の範囲内に入ったといえる。2003年3月(376万トン)以来の低水準となった。

 在庫の内訳はメーカーが160万5000トン(前月比3・6%減)、問屋が76万5000トン(同6・5%減)、全国コイルセンター工業組合が140万4000トン(同2・2%減)。

軸受け用鋼球の大手、天辻鋼球製作所(本社=大阪府門真市上野口町1―1、竹中幸雄社長)は、自動車生産が拡大傾向にある中国に鋼球の生産子会社を設立する。現地調達を進める自動車メーカーの需要増に対応するもので、同社の中国における生産拠点は初めて。本年5月に会社を設立し、2005年10月に稼働開始を予定。年間売上高は05年度に3億円、07年度には15億円をめざす。

神戸製鋼所と京セラは28日、両社の医療材料事業を統合して、9月1日付で新会社「日本メディカルマテリアル(仮称)」を設立すると発表した。神鋼が得意とするチタン合金や京セラのセラミックスといった材料、加工技術および経営資源を融合することで、世界でも類を見ない医療材料の専門会社を設立、グローバル展開を図る。売上高は統合時の約150億円から、2007年度に約300億円とすることをめざす。