2004年05月06日
経済産業省が集計した2004年度第1四半期(04年4―6月)特殊鋼熱間圧延鋼材生産計画によると、生産は国内、輸出合わせて484万7700トン(前期比13万7000トン、2・7%減、前年同期比18万6000トン、4%増)となり、同省のまとめた需要見通しの473万4000トンを11万4000トン、2・4%上回った。

 国内向けは主力需要分野の自動車生産を季節要因から減産と予見して前期比減、輸出向けも高抗張力鋼がCIS向け物件が一段落したことなどから前期より減少する。特殊鋼生産は4期ぶりの前期比減に対し、9期連続の前年同期比増となる。

鉄鋼最大手のアルセロールと加高炉大手のドファスコは28日、米国内で自動車向け溶融亜鉛めっきラインを新設する方針を発表した。年産能力は45万トンを想定して検討を進めており、米南部に向けて発展している自動車産業向けの供給をにらんで立地選定の最終段階に入っている。

石炭会社の三井松島産業は28日、インドネシアのセパリ炭鉱の権益5%を買収し、日本向けの独占販売権を取得したと発表した。新規開発する炭鉱は数年内に一般炭を年間450万トン生産する見通しで、三井松島は既存の権益と合わせて700万トン規模の供給力を持つことになる。石炭需給がひっ迫するなか、ソースを多様化するとともに、権益を押さえて安定供給する。

高炉5社の2004年度設備投資金額は、単独5社合計(工事ベース主体)で前年度比7・6%減の3022億円となった。神戸製鋼所を除き4社が減額。新日本製鉄は大分第2高炉改修で一連の高炉改修が終了。JFEスチールは西日本製鉄所の福山地区第5高炉改修やコークス炉増設を計画。住友金属工業は鹿島新高炉が秋に完成する。いずれも減価償却範囲内とした。

新日本製鉄のエンジニアリング事業部門の2003年度業績は、連結ベースで受注高が2864億円(前年度比12・8%減)、売上高が2931億円(同6・6%増)、営業利益は43億円(同77・2%増)となった。コスト低減などの合理化策も奏功、収益面は大幅に改善した。受注残は3800億円(同2・6%減)。04年度は受注高3000億円レベル、売上高3000億円レベル、営業利益60億円レベルをめざす。