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2004年07月12日
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高炉各社、月内にも自動車用鋼板を再値上げ交渉
・ 丸紅、日本向け強粘結炭の独占販売権を取得
・ 鉄鋼設備投資、2年ぶり前年度割れ
・ 紅忠コイルセンター、滋賀2工場を集約
・ 東京コラム流通、STKR9.5万円に
・ 丸紅、日本向け強粘結炭の独占販売権を取得
・ 鉄鋼設備投資、2年ぶり前年度割れ
・ 紅忠コイルセンター、滋賀2工場を集約
・ 東京コラム流通、STKR9.5万円に
高炉各社と国内自動車大手との自動車用鋼板の再値上げ交渉が、今月中にもスタートする見通しとなった。4月納入分から2次の値上げ合意に達したが、高炉メーカーでは原材料価格の高騰によるコストアップ分は織り込んでいないとして再度、販価引き上げを要請するもの。各社個別に交渉に入るが、10月納入分からの実施をめざし、トン平均5000―6000円の値上げ要請になるとみられる。鋼材の需給ひっ迫からクオーター(四半期)ごとに各自動車メーカーと数量を事前協議し、供給枠を設定していく方式を提案する可能性もある。
丸紅はカナダの新興原料炭鉱会社、グランドキャッシュ・コールへの融資の見返りに日本向け強粘結炭の独占販売権を取得し、8月末にも出荷を開始する。休止鉱山の再開で2006年には年間200万トンのフル生産に達する見通しで、丸紅は日本向けに90万―100万トンの販売を見込む。中国が04年にも純輸入国に転じるなど、世界的に原料炭需給がひっ迫するなか、新たなソースを確保して日本の製鉄会社の調達を支援する。
経済産業省は9日、主要企業の2004年度設備投資調査の結果を発表した。04年度設備投資計画額は全産業ベース(建設、不動産は除く)で10兆1616億円(前年度比10・4%増)と2年連続の増加計画で、91年度以降では最も高い伸び率となる。製造業は3兆9127億円(同22・5%増)、非製造業は6兆2489億円(同3・9%増)。中国、東南アジア向け輸出にけん引される回復基調にある景気動向を映し、設備投資の拡大傾向が鮮明となった。製造業のうち基礎素材産業は1兆5750億円(同16・7%増)、加工組立産業は2兆3377億円(同26・7%増)。鉄鋼は2513億円(同3・6%減)と2年ぶりに前年度を下回る。
紅忠コイルセンター(本社=大阪府泉大津市、奈良進社長)は来年7月をメドに、滋賀地区の2工場を集約する。滋賀第1工場(滋賀県愛知郡)に工場1棟を新築し、高級鋼板専用レベラーラインを新設するとともに、滋賀第2工場(滋賀県栗東市)から大型スリッター1基、ミニレベラー1基、シャーリング2基を移設する。投資額は約8億5000万円。集約後の滋賀工場は加工能力が月間1万1000トン、在庫能力は現状比40%増の1万4000トン、人員が約70人態勢となる。今回の集約は生産性の向上、および物流・在庫の効率化が狙いで、同工場で月間9000―1万1000トンの加工をめざしていく。滋賀第2工場については工場建屋と土地は売却、残存設備は売却、もしくは廃棄する予定。
東京地区の在庫流通は、帳端明け20日から大径角型鋼管(コラム)の販売価格を3000―5000円引き上げて、STKR9万5000円、BCR10万5000円(ベース価格、いずれも一次加工費込み)にする方針を固めた。在庫のひっ迫感が強まるなか、メーカーのトン5000円の値上げ玉の入荷が始まったため。メーカーが再値上げを検討していることもあって、流通の売り腰は強い。市況はさらに上昇する模様だ。