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2004年07月20日(火)
日本鉄鋼連盟が16日発表した2004年上半期(1―6月)の全国粗鋼生産量は、前年同期比1・4%増の5579万トンだった。暦年上半期としては過去5番目の高水準。アジア向け輸出の堅調推移、自動車・造船など製造業の生産好調および民間建設の急回復による内需増加が背景にあり、中国政府の景気引締策の影響もなかった。粗鋼生産の内訳は転炉鋼が1・8%増の4085万トン、電炉鋼が0・3%増の1493万トン。また鋼種別生産は普通鋼4406万トン、0・3%減、特殊鋼1172万トン、8・3%増で特殊鋼の増加が目立つ。
高炉5社の本年上半期(1―6月)の粗鋼生産実績がまとまった。5社合計4057万3000トンで前年同期比1・9%増と、おう盛な需要を背景に、好調だった前年をさらに上回った。全国粗鋼に占める比率は同0・4ポイント増の72・7%。
韓国のH形鋼市況が下落傾向にある。ソウル地区での問屋持ち込み価格は、小形トン当たり65万3000ウォンと6月に2万5000ウォン下落しており、下期までにもう一段下がる可能性が強い。政府の不動産対策により新規の建築許可面積が減少し、この2―3年低レベルで推移していた工場在庫も増加傾向にあるため。一方、日本では、市況が持ち込み8万円前後と世界最高値で推移し、タイト感は継続。このためINIスチールに続き、東国製鋼も約3年ぶりとなる対日輸出を検討している。
住友金属工業は、建材・土木の需要環境に対応した合理化策の一環として、厚板や鋼管の加工・製造拠点を再編した。橋梁・鉄骨向け建材厚板加工では、関東地区の指定シャーを山惣熔断(本社=千葉県浦安市、坂本幹夫社長)に一本化。土木関連の鋼管杭では、住金大径鋼管(田中雅章社長)の製造拠点を鹿島工場(茨城県鹿島郡)1カ所に集約する。
東京地区鋼管流通筋は、7月帳端明けの21日から8月1日にかけて、溶協製品(丸管=一般構造用管、ガス管)と、高炉黒ガス管の唱え価格を引き上げることを決めた。世界的な鉄源不足を受けて、市中の品薄感は深刻化しており、市況はナイモノ高で展開している。