2004年11月11日(木)
 中国の有力ステンレス冷延メーカー、寧波宝新不銹鋼(寧波経済技術開発区、資本金約28億元、瞿標・総経理)は、来年あいついで第4期設備が稼働を開始。年間60万トン生産能力に達するのに伴い、「第5期計画」として2006年以降、川上の製鋼工程建設に関して、具体化に着手する方針である。先週、現地を訪れた記者に対し、瞿標・総経理が明らかにした。
 住友金属工業が10日発表した2004年9月中間期決算は連結経常利益が前年同期比2・4倍の716億円、純利益が同2・9倍の451億円と、いずれも半期ベースの過去最高を更新した。世界的な鋼材需要の拡大を背景に価格改善が進み、収益好転に寄与した。

 05年3月期通期の見通しは連結経常利益が前期比2・2倍の1500億円、純利益が同2・8倍の850億円と、9月上旬の予想数値より、それぞれ300億円、200億円上乗せ。経常益は82年3月期(1096億円)、純利益は89年3月期(580億円)の過去最高益を更新する。連結有利子負債は05年3月期末で9200億円程度まで圧縮、1兆円を割る見込み。
 メタルワングループの中国のコイルセンター、天津日華鋼材製品有限公司(天津市北辰科技園区、宇野雅郎社長)は、電機分野の加工実績を生かし、今後自動車向けの受注比率向上を図る。

 同社はメタルワン70%、日新製鋼10%、中国側20%がそれぞれ出資するコイルセンター。資本金は500万米ドルで、1995年12月に設立、97年3月に操業を開始した。03年度売り上げ実績は1億4400万元。
 H形鋼の在庫の減少が鮮明になってきた。新日本製鉄が10日発表した10月末時点の「ときわ会」H形鋼全国流通在庫は30万200トン。前年同月比では8・0%(2万2200トン)増加したものの、前月比では3・9%(1万2100トン)減と2カ月連続で減少した。入庫が6カ月連続で減少するなか、この2カ月間に出庫が回復してきたため。新日鉄は「この入出庫関係は来月以降も続くため、在庫は来月も減少する」(建材営業部)と予測している。
 三井物産は10日、中国貿易専門商社である朝陽貿易梶i本社=東京都中央区、資本金9600万円)の持株比率を10・4%から46・5%に引き上げて筆頭株主となったと発表した。これにともない三井物産は鉄鋼製品本部の星屋秀幸・中国統括担当部長を社長として派遣した。華井満社長は当面、取締役会長として残り、新経営陣をサポートする。

  朝陽貿易は、鉄鋼製品の日中貿易をメーン業務として華井氏が1968年に設立した専門商社。その後、日立造船、新日本製鉄、日新製鋼、三井物産の資本参加を得て、日中貿易の拡大を背景に機械、化学、繊維、物資などに業務内容を拡大してきた。

 03年12月期の業績は売上高143億円、経常利益3億5000万円。香港支店、北京・上海・華東・重慶事務所を持つ。主力の鉄鋼製品では世界最大のコンテナメーカー、中国CIMC向けホットコイルの窓口となっている。

 華井氏の要請に応じ、三井物産が株式を買い増したもので、朝陽貿易は9日開催の臨時株主総会および取締役会において星屋氏の社長就任、三井物産から出向中の尾本一夫取締役の代表取締役副社長就任を承認した。

 なお朝陽貿易の出資比率は三井物産46・5%、日立造船14・3%、新日鉄10・4%、日新製鋼10・4%、あいおい損保2・9%、その他15・5%となった。

 星屋秀幸(ほしや・ひでゆき)氏の略歴=1974年名古屋大学工学部卒、三井物産入社。79年北京語言学院に留学、81年天津事務所・初代駐在。95年三井物産(上海)貿易有限公司総経理、03年8月より鉄鋼製品本部・中国統括担当部長。50年7月4日生まれ。