2004年11月15日(月)
 新日本製鉄は、自動車メーカー各社と本年度下半期(10月―05年3月)の薄板価格交渉を進めていたが、先週までにトヨタを含む大手と値上げ決着したようだ。国際鋼材価格の上昇、原料コストアップ、薄板需給ひっ迫などを背景に、03年度、本年度上半期に続く3回連続の値上げ決着となった。

 詳細は明らかになっていないが、価格改定幅は上半期5000円前後、下半期5000―6000円程度とみられる。ただし先行して上昇する欧米市場や国内の電機など他産業向けとの価格差がいまだ残る。その一方で来年度は鉄鋼原料価格の一段高が懸念されている。こうした中、新日鉄としては来年度についても自動車各社に価格引き上げを申し入れることになりそうだ。
 豪州クイーンズランド州のスティーブン・ロバートソン資源・鉱業大臣は12日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、石炭出荷用の港湾処理能力拡張などのインフラ整備や新たな石炭資源開発を進める方針を明らかにした。

 グラッドストン港を2006年までに年間出荷能力5800万トンに現行から1400万トン拡張する。一般炭などの未開発資源を埋蔵するスラット盆地の資源開発、グラッドストン港までの鉄道を整備する構想を示し、供給能力増の先手を打って拡大する石炭需要に応える方針を明らかにした。
 普通鋼電炉主要6社の2004年9月中間期決算は全社が増収増益となった。経常利益は東京製鉄が前年同期比3・3倍(単独)、合同製鉄3・6倍(連結)など大幅に上昇。主原料の鉄スクラップ価格は前年同期を上回ったものの、各品種とも販売価格が大きく改善した。

 下期は原料高などで大方が上期より利益幅が減少する見通しだが、東鉄が過去最高の経常利益700億円を予想するなど各社とも高水準の期末決算を計画している。
 新日本製鉄は、タイにおける自動車用ファスナー向けの伸線2次加工(CH鋼線製造)およびデリバリー機能を強化する。具体的には、現地T・S・Kフォージング社から伸線2次加工機能を分離して新設するT・S・Kワイヤ社に15%を出資、2005年1月に新態勢での操業を開始する。新日鉄はタイにおいて、冷延鋼板のSUS、ブリキ・ティンフリーのSTP、鋼管のSNP、薄板コイルセンターのBECCなどの現地事業を展開しているが、線材関連ではT・S・Kワイヤ社が初めて。
 中山製鋼所(神崎昌久社長)は2001年から、微細粒熱延鋼板(NFG)の生産・販売を開始したが、直近の生産量は年間3万トンとなるなど、順調に市場に浸透、普及している。用途は建材、クレーン部材、自動車部品などで、中でも、自動車部品は国内の大手自動車メーカーに一部の部品で本格採用、もしくはテストされるなど、今後の数量増が期待されている。このため、同社ではNFGのさらなる販売強化をめざす。