2005年02月23日(水)
 新日本製鉄は21日、2005年度積み鉄鉱石の価格交渉で、粉鉱石を前年比71・5%値上げすることで鉄鉱最大手の伯リオドセ(CVRD)と合意した。JFEスチール、住友金属工業、神戸製鋼所、日新製鋼も22日にそれぞれ同様に合意した。過去最高だった80年度の19・5%を上回る異例の大幅値上げ。値上げは03年度の9%、04年度の18・6%に続く3年連続。

 日伯間の合意をきっかけに、こう着していた欧州など他地域の交渉も進展する見通し。豪州など他の山元との交渉や塊鉱価格などが未定だが、日本の業界にとって鉄鉱石購買費が年間約2500億円増えそうだ。2・2倍に上がる原料炭と合わせた主原料だけで7000億円のコスト上昇になる。
 神戸製鋼所は22日、子会社の米ミドレックス・テクノロジーズがオーストリアのフェスト・アルピネと共同で、ロシアのレベディンスキ鉱山(LGOK)から年産140万トンの直接還元鉄工場を受注したと発表した。天然ガスベースの工場を設計・建設する契約に18日モスクワで調印。3月から設計を開始し、2007年3月に稼働する運びだ。
 東洋鋼鈑は22日、欧鉄鋼大手アルセロールグループのAPI(アルセロール・パッケージング・インターナショナル)社と飲料缶や食缶用の材料製造に関する技術で技術供与ライセンス契約を締結したと発表した。

 東洋鋼鈑がAPI社に対して、DEC(デュアル・コ・エクストルージョン・コーティング)技術を供与する。同社および東洋製罐グループは、これを機に環境負荷の少ないポリエステル樹脂コーティング材料およびそれらを使用した金属容器の海外展開を積極的に推進していく方針。
 東京地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、需給タイトでさらに上伸する公算が大きい。地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、指標品のH2(厚さ3―6ミリ)でトン当たり2万500―2万1000円前後。直近安値の今月初めと比べ約1000円(5%)高い。

 中国、台湾向けに輸出が復調しており、電炉各社の入荷率は80%台に減少している。目先は、電炉買値、問屋仕入れ値ともに上げ展開で推移しそうだ。
 新昭和鋼管(本社=東京都中央区、瀧脇道治社長)は今期(2005年11月期)、トータル約2億円を投じて、生産設備の増強を行う。04年に新築した茨城工場の増設工場内に塑性加工ライン(拡管、縮管)を導入し、茨城工場では初めて塑性加工をスタートする。

 また、岐阜工場部品鋼管に塑性加工ラインを1基増強するほか、岐阜工場引抜鋼管では合理化および増産を図る目的で引抜鋼管ラインを改造する。

 さらに、福島工場では、従来のメーン品種である機械構造用鋼管から油圧用小径配管への生産シフトを進めており、これが5月末で完了する予定だ。