2005年03月08日(火)
 POSCOは、日産自動車からの自動車用薄板の供給拡大要請を受け、ホットコイルの供給を昨年の月間平均1500トンから3000トンに倍増した。さらに3月からGA(溶融合金亜鉛めっき鋼板)の供給を開始した。POSCOの日本自動車メーカー向けGAの供給は、今回が初めて。いずれも地理的に近い九州工場向けで、大手のプレスメーカーで製品化され、部品の形で供給される。

 日産の自動車用鋼板は、ゴーン社長による「リバイバルプラン」以降、新日本製鉄60%、JFEスチール30数%、残り神戸製鋼という形で来ている。POSCOは部品メーカー向けにホット材のみ納入しているが、今回のホット材倍増、GA材初納入で、枠組みが大きく変化する見通し。
 日本・台湾鉄鋼対話の第5回会合がこのほど台北で開催され、鉄鋼貿易で台湾側は日本からの400系ステンレス鋼板とステンレス線材の輸入が増加傾向にあると懸念を表明したものの、日本側の台湾のニーズに応じた結果とする説明に理解を示し、輸出入統計品目表(HSコード)細分化による状況把握など今後の動向を注視、適切に対応していくことで一致した。

 さらに台湾側は鋼材需給のひっ迫からスクラップ、ビレットの供給協力を要請したほか、日本側の要求を受けて輸出許可制度(レギュレーション)を撤廃したことを報告。ステンレス線材など懸案事項は問題化せず、東アジア市場の鋼材供給問題など総じて双方の認識共通化を図る格好となった。
 溶協メーカーは、自動車メーカーおよび部品加工メーカーとの間で、自動車向け機械構造用炭素鋼鋼管(STKM)の2005年度値上げ本格交渉に入る。4月出荷分からの値上げ幅はトン当たり2万円程度で、高強度および小ロットなど非効率品に関してはプラスアルファ分を求めていく。

 世界的な鉄源不足による原料価格の高騰を受け、高炉メーカーは素材である薄板コイルの追加値上げに踏み切る意向で、溶協メーカーは05年度コスト増分と積み残し分を合わせて、大幅値上げを要請する。
 新日本製鉄は、国内向け電磁鋼板(方向性・無方向性)を、4月納入分からトン1万5000―2万円値上げする。2月中旬より需要家各社に価格改定を申し入れ、交渉はおおむね完了、合意に達したとみられる。
 バナジウムの国際相場が過去最高を更新し続けている。日本の業界関係者によると、フェロバナジウムのスポット価格は純分1キログラム当たり初めて70ドルに達した。先週から5ドル程度上昇しており、なお高値をうかがう展開だという。

 供給能力が低下しているなかで、世界的に高張力鋼などの需要が伸びており、窮屈な需給が背景にある。過去の最高値を30%上回る高値圏にあって今後は予断を許さないが、他の金属との代替が限定されるなかで、製品段階のサーチャージ制導入など新たな展開も出てきそうだ。