2005年03月28日(月)
 新日鉄住金ステンレス(NSSC、萬谷興亜社長)は25日、八幡製造所厚板工場でボトルネックとなっている酸洗以下の下工程の能力を増強し、ステンレス厚板の生産量を30%増の年間13万トンに引き上げると発表した。

 精整と出荷ラインをそれぞれ新設する。総投資額は24億円。2006年7月に稼働を開始する予定。厚板市場は現在、供給を需要が上回る構造で、今後も石油化学やLNG分野で世界的に需要が拡大し、供給不足はさらに顕著化する公算が大きい。NSSCは能力増強で世界的な需給ギャップの解消を狙う。
 JFE商事ホールディングスは25日、2005年度を起点とするJFE商事グループ中期経営計画を発表した。最終年度の2008年3月期の連結経営目標は売上高2兆円(05年3月期予想1兆4900億円)、経常利益290億円(同260億円)をめざす。

 新規投資200億円を予定し、「海外コイルセンターの強化・拡大、資源開発投資を進める」(成木宏雄社長)。JFEスチールとの戦略同期化を深め、収益規模の拡大を図る。
 丸一鋼管は中国に鋼管の製造・販売、および鋼帯の加工・販売を目的にした合弁会社「丸一金属制品有限公司」を設立する、と25日発表した。会社設立は本年4月を予定、所在地は広東省佛山市禅城区。

 登録資本金は1200万米ドル。董事長には堀川大仁・丸一鋼管取締役副社長執行役員、総経理には陳昇平・東莞璋泰五金製品有限公司総経理が就任する。今後、工場を建設、稼働は2006年3月を予定。生産能力は鋼管・鋼帯で年間約10万トン。
 新日本製鉄など高炉大手は24日、2005年度積みのインド鉄鉱石価格を粉鉱、塊鉱とも前年比71・5%上げることでそれぞれ合意した。05年度の購入量は日本全体で前年並みの512万トンで合意。高炉大手はインド鉱を優良塊鉱の有力ソースと位置付けており、06年度以降も5年以上の長期契約を結びたい考えだ。
 日本、タイの自由貿易協定(FTA)を含む経済連携協定(EPA)締結に向けた政府間の実務者協議がこのほど、東京で開催され、鉱工業品分野のうち鉄鋼についても議論したが、双方意見の溝は埋まらず、進展はみられなかった。

 他方、農業品分野では合意の道筋がついたとされ、鉄鋼など鉱工業品分野についても4月に来日が予定されているソムキット副首相との閣僚会議もにらみ、今月29日、30日、タイ・カオヤイで行われる次官級協議などで調整を急ぐ。