2005年04月22日(金)
 新日本製鉄など高炉大手は、2005年度積み鉄鉱石の購買価格を前年度比71・5%引き上げることで豪BHPビリトンと21日までに合意した。ただ、高炉大手とBHPビリトンの長期契約のうち、04年度末で期限が切れた一部の更改では合意に至らず、今後交渉を継続する。
 日本自動車工業会の小枝至会長(日産自動車共同会長)は21日の定例会見で、鋼材ひっ迫について「(自動車生産)ピークの3月を乗り切ったが、鋼材の種類を減らして鉄鋼メーカーの生産効率を上げたり、SCM(サプライチェーンマネジメント)による物流の合理化などの努力が徐々に実ってきた」と述べ、需給タイト化を契機に、鉄鋼メーカーなど供給側との協力の成果が得られているとの認識を示した。
 新日本製鉄と中山製鋼所の共同出資による棒線製造会社「NS棒線(本社=大阪市大正区船町)」がこのほど発足した。中山から棒線圧延設備を購入し、新日鉄および中山から圧延業務を受託する。

 中山の設備稼働率を上げるとともに新日鉄での増産効果および西日本地区へのデリバリー対応力強化に寄与。社長には柴田真之・新日鉄棒線営業部部長が就任(兼務)。年間売上高は60億円を見込む。
 新日本製鉄は、建築プロジェクト向け鉄骨用厚板の販売価格を4月契約分からトン5000円引き上げた。資源価格の高騰で製造コスト高が避けられないため。すでに主要ファブリケーターやシャーリング業者に通達済み。

 受注価格の上昇など鉄骨をとりまく環境が好転していることもあり、スムーズに受け入れられたという。値上げは、1月契約でトン1万5000円上げて以来。
 神戸製鋼所の米グループ会社のミドレックス社は、米ニューコア社とサウジアラビアのアル・トゥワルキ社から、それぞれが持つ休眠中の直接還元鉄プラント(ミドレックス方式)の移設を受注した。ニューコアは鋼板事業の拡大に向けて高級鉄源を必要としており、全量市場から調達している鉄源の一部を自前で確保する方針。

 アル社は新電炉が稼働しており、両社は高品質の鉄源を得るため、天然ガスが安い地域へプラントを移し稼働させる。