2005年05月10日(火)
 東京地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、今月中にもトン3000円方下落する可能性が高まっている。地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は現在、H2でトン2万4000―2万5000円どころ。

 競合する鉄スクラップ輸出価格(FAS)が新規成約ベースでトン2万1000円台に急落したことで、電炉買値は輸出向けと比べ3000円ほど割高となった。一部電炉は連休中に買値を1000円ほど値下げしており、今後は地区全体に値下げが広がる見通し。
 日本、タイとの自由貿易協定(FTA)を含む経済連携協定(EPA)締結交渉で、中川昭一経済産業相は先週末、タイを訪れ、タクシン首相、ソムキット副首相、タノン商務相と相次いで会談、本年7月までに全分野で一括合意することで一致した。交渉が難航する鉱工業品分野のうち、鉄鋼については、関税撤廃に難色を示すタイ側に対して改めて、段階的な関税撤廃を提案。

 そのうえで鉄鋼品目での自由化が満足する内容となるならば、日本から鉄鋼産業での技術、環境、人材育成の面で協力する用意があることも伝えた。今後、様々なレベルでの協議などを通じ、締結交渉の加速化を図る。
 普通鋼電炉工業会(会長=猪熊研二・合同製鉄社長)は9日、定例の正副会長会議後に記者会見を開き、猪熊会長が来期も会長職に留任することが内定したと発表した。役員任期は1年で、猪熊氏は2期目となる。今月20日の定時総会で正式に決定する。会長、副会長ともに続投する予定。

 猪熊会長は「足元はゼネコンの発注が増加しており、製品市況は強含み横ばい推移している。下値も切り上がっている。韓国向けの小棒輸出入問題もかたがついた。良い環境になった」と任期1年目を振り返った。
 中部鋼鈑(成田健一郎社長)は7月から鉄スクラップヤードの拡張工事に着手する。屋内ヤード面積を2640平方メートル拡張することでストック能力を現状の約3万5000トンから5万トン程度に拡大するとともに、品種別の管理能力の向上を図ることで低級スクラップの活用率を高めていくことなどが主目的。投下金額は約8億円で、年内完工の予定。

 また、加工部門ではNCトレーサー2基をプラズマ加工機に更新する。建築向け異形切断能力の強化を図ることなどが主目的で、投下金額は約2億円。先月下旬から既存設備の解体などに着手しており、6月初旬までに設置を終え稼働を開始する予定。
 全国コイルセンター工業組合(理事長=鈴木貴士・五十鈴社長)のまとめによると、2004年度の出荷量は合計1742万トンと前年度に比べて3・1%増加し、00年度以来4年ぶりに1700万トン台を回復した。自動車をはじめ製造業向けを中心に需要が好調だったため。3年連続の前年度比プラス。