2005年06月28日(火)
 ステンレス冷延鋼板のアジア向け輸出価格に調整が続いている。指標となる香港向けは現行の8―9月積みの商談でトン当たり2500ドル(SUS304、コイルベース、C&F)前後。6―7月積みと比べ100ドル(4%)程度安い。東アジアの300系市場はミルの能力拡大で供給過剰となり、市況は下降している。

 日本ミルは価格最優先の供給姿勢を保持し、交渉を進めているが、現地市況との乖離(かいり)が広がり、若干の調整はせざるを得なくなった。
 新日本製鉄など高炉各社は2005年度分の鉄鉱石所要量確保にほぼメドをつけた。豪BHPビリトンとの長期契約が04年度で切れた分、年間1500万トンを主に他の山元から追加調達した。高炉各社は05年度で切れる契約を含めて、更改に向けてBHPビリトンと交渉を続けている。

 鉄鉱石需給のひっ迫度が一時より薄れるなかで、強硬だったBHPビリトン側に軟化の兆しも見られるという。日本側は06年度積み価格交渉前の秋までに更新にこぎつけたい考えだ。
 米国コンポジット価格(No.1ヘビー)は前週比横ばい。6月24日時点の米国コンポジット価格(シカゴ、フィラデルフィア、ピッツバーグの3地区平均価格、AMM調べ)は、前週比横ばいの1グロストン当たり125・00ドルとなった。地区別でみると、シカゴが同125・00ドル、フィラデルフィアが同130・00ドル、ピッツバーグが同120・00ドルとなった。
 ステンレスミルが、300系ステンレススクラップの購入価格を相次いで大幅に値下げしている。下げ幅は直近数年間で最大となるトン当たり2万円。適用時期は新日鉄住金ステンレスと日本冶金工業は27日から、日本金属工業と愛知製鋼は本日から。
 住友金属工業和歌山製鉄所の上工程持株会社「東アジア連合鋼鉄」に対し、きょう28日に新日本製鉄、神戸製鋼所の2社が出資する。連合鋼鉄は台湾・中国鋼鉄(CSC)とのスラブビジネスにあたり、住金、CSC、住友商事の3社出資で設立されたものだが、本年3月に新日鉄、住金、神鋼の3社提携の枠組みの中で、新たに和歌山の鉄源設備を共同利用することで合意、その証として連合鋼鉄が実施する第三者割当増資を2社が引き受ける形で出資の方向が決まっていたもの。