2005年07月08日(金)
 中国の鋼材市況は7月に入り、底打ちの様相を呈してきた。足元、異形棒鋼はトン3104元(全国平均・約4万3470円)で6月第3週に比べ6元高と小幅ながら反発。汎用ホットコイルは同3798元(約5万3170円)で同234元安だが下げ機運が弱まり、今月下旬には底入れするとの見方が強まっている。

 「在庫調整が徐々に進むとともに華南地区は洪水の影響で入荷難となり、華東地区は電力事情から夏場減産となり、需給が締まってきている」(現地日系商社)。ただ、中国政府によるマクロコントロールの影響で需要に力強さはなく、浮揚力は小さいようだ。
 住友金属工業とJFEスチールは、ドバイ水電力省向け天然ガスパイプライン用として、UOE大径管を2社合計で3万4000トン受注した。外径36インチの耐サワー用鋼管であり、強度グレードはX65。窓口商社は伊藤忠丸紅鉄鋼で、メーカー配分比率は50%ずつ。ドバイ首長国の海外入札案件は珍しく、同国向け大径溶接鋼管の成約としては過去最大規模となる。
 マンガン大手の仏エラメットのジャック・バカルダ会長は6日、ガボンのマンガン鉱山、カミログの鉱石年産能力を2008年までに350万トンと05年見通しの270万トンから30%追加拡張する方針を明らかにした。

 既に従来の200万トンを06年までに300万トンに拡張する計画を進めている。鉄鋼需要は今後も伸び続けると見て、限られた高品質の鉱石供給者として拡張を急ぐ考えだ。
 高炉系建材メーカー5社の2005年3月期決算がこのほど出そろった。世界的な鉄源不足を背景に素材価格が上昇するとともに、公共事業の縮減によって土木需要が低迷を続ける中で、高炉系建材メーカーは販価改定やコスト合理化に取り組んだ結果、経常損益面(単体ベース)では、日鉄建材工業が89年度以来16年ぶりに70億円を超え、JFE建材も至近10年間で最高益を記録。

 また、神鋼建材工業と日新総合建材は増益となり、住友金属建材は黒字転換を果たすなど、各社ともに業績好調となった。
 東京地区電炉メーカーの鉄スクラップ購入価格は、海外相場の反転とは対照的にジリ安展開が続いている。地区電炉の鉄スクラップ購入価格(H2)は、トン1万8000―1万8500円、高値1万9000円どころ。

 アジア向け米国玉(No.1ヘビー)は直近安値と比べ12ドルほど反発、4月以降の下落局面をようやく脱した。だが、減産を徹底している地区電炉の鉄スクラップ買値は、使用量見合いで玉が入荷しており、500円方の小幅な値下げが頻発している。