2005年07月20日(水)
 新日本製鉄の7―9月期の鋼材生産は、輸出向け汎用品を中心に計画比30万トン程度減少する見通しだ。三村明夫社長が日本鉄鋼連盟の会長会見の席上、明らかにした。アジアの汎用品市場が調整局面にあるため海外からは値下げ要請が来ている。ただし新日鉄は価格維持の販売スタンスを徹底しており、受注が減少。

 この結果、7―9月期の鋼材生産が減少するもので、「需給が非常にタイトな高級品については若干増産するが、輸出を中心にネットで30万トン程度あるいはそれを上回る減産となる」(三村社長)。
 日本鉄鋼連盟の三村明夫会長(新日本製鉄社長)は19日の定例会見で、アスベスト(石綿)による健康被害問題について「会員企業38社、88事業所を対象に、先週13―15日に緊急調査した結果、鉄鋼業種では過去10年間の期間でとらえればアスベストで14人が死亡している」との被害状況を明らかにした。

 被害が報告された企業は新日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所、日本製鋼所、淀川製鋼所の5社。工場建屋や設備などの断熱材、シール材として使用されていた。

 そのうえで「アスベストは潜伏期間が長いので、今後も発生する可能性がある。また今回は10年間の調査であり、期間を広げれば被害者はもっと多い。新日鉄は10年間では2人だが、それより範囲を広げれば4人。鉄鋼業界としては昨年10月に厚生労働省に対し、3年以内に非石綿製品に代替化する見通しを報告しているが、今回の問題を機に前倒し実施したい。代替製品について技術的検討を重ね、速やかに促進していきたい」と述べた。

 家族、あるいは周辺住民、関連企業に関しては「十分まだ把握できていないが、いまの段階では問題があるとは聞いていない」と語った。
 日本、タイの鉄鋼産業関係者が官民レベルで意見交換する第3回日・タイ官民鉄鋼対話がこのほど、バンコクで開催され、タイ側から日本による技術協力について素案として、環境・省エネルギー技術、生産技術、大学などの共同研究を含めた人材育成と教育プログラムの要請案件3項目が示された。

 日本側は生産技術は個別企業間で議論するべきとした上で「各協力分野とも現在、継続中の日・タイ経済連携協定(EPA)締結交渉の成否によるところが大きい」と回答、日本サイドとのコンセンサス(同意)を重視し、協定締結への前向きな姿勢の必要性を唱えた。
 米国鉄スクラップ価格(No.1ヘビー)が前週比9・75ドル上昇した。7月15日時点の米国鉄スクラップのコンポジット価格(シカゴ、フィラデルフィア、ピッツバーグの3地区平均価格、AMM調べ)は、前週比9・75ドル高の1グロストン当たり138・00ドル。6月中旬の安値から14・67ドル値上がりした。ただ、1年前の水準(190・20ドル)と比べるといぜん割安だ。
 東京製鉄(池谷正成社長)は19日、全品種の8月契約分(19日売出し、21日締切)の販売価格を据え置くと発表した。海外市場の不透明感が続いているため、6―7月契約における大幅値下げから一転、様子見とした。

 国内は、秋にかけての需要増加が予想されることから「仮需で積み上がった在庫の調整は時間の問題」(大堀直人取締役営業本部長)と判断。国内外とも「1カ月後には動きが出て、年後半の予測ができるようになる。この1カ月が焦点」とみて、引き続き鉄スクラップの輸出と製品の輸入に注視する方針を示した。