2005年09月28日(水)
 資源大手の豪BHPビリトンは26日、中国のステンレス需要が今後10年間、年率9%の拡大を続け、2010年には1200万トン弱になるとの見通しを明らかにした。

 ステンレスの需要拡大に応じて、中国のニッケル消費量が2010年には38万2000トンと04年比2・6倍に拡大すると見ている。中国を中心に拡大する需要に応え、BHPビリトンはニッケルの増産を急ぐ方針だ。
 高炉メーカーは、2005年7―9月で行っているガス管類の大幅減産を10―12月でも継続実施する計画だ。各社でバラツキがあるものの、減産幅は前年比10―20%となる見通し。

 高炉ガス管は7―9月の大幅減産(前年比15―20%減)で、全国流通在庫が減少し、過剰感は解消されてきているが、9月の荷動きが予想以上に悪く、下期の需要量も当初想定値を下回る可能性が高いことから、需給を引き締め、市況維持を図る構え。
 ステンレス大手のフィンランドのオウトクンプは26日、7―9月の減産幅が15万トンと当初計画を5万トン上回ると発表した。市況が軟化するなかで、減産を強化して在庫調整を促している。9月に入って受注が改善し、市況は底打ちしているものの、4―6月の営業利益1億5700万ユーロに対して、7―9月は営業赤字に転じる見込み。

 2005年通期の営業利益は04年を下回ると見ている。生産効率改善や新たなコスト削減策導入などで、07年までに営業利益を1億ユーロ拡大する方針だ。
 全国小棒懇談会(会長=内田純司・新日本製鉄建材事業部長)は27日、定例の記者会見を開き、内田会長はここ1カ月の動向を踏まえ、「需要は堅調で具体的な物件が見え、市況の下方不安要因がなくなった。メーカーが需要見合いの生産を堅持しメーカー、流通ともに動揺はない。年内は安定した環境が続くだろう」と見通した。
 新日本製鉄株が27日、東証で一時406円をつけ年初来高値を更新した。400円乗せは1994年11月以来、約11年ぶり。また住友金属工業は一時391円、JFEホールディングスは3700円、神戸製鋼所は353円まで上昇、大手鉄鋼株がそろって前日の年初来高値を更新した。