2005年12月06日(火)
 住友商事・金属事業部門が国内外で展開する薄板サービスセンター網の年間加工能力合計が2000年時点に比べて約300万トン増の700万トン規模に達していることが明らかになった。

 同事業部門によると、内訳は国内9社・170万トン、海外12カ国36社・520万トン。薄板需要家への物流・加工機能強化を狙いとした、新設およびM&A、既存拠点の能力増強などこれまでの積極的な取り組みの成果といえる。00年時点の能力は国内100万トン、海外300万トンの合計400万トン規模だった。
 新日本製鉄など高炉大手はきょう6日から2006年度積み原料炭の価格交渉を本格的に開始する。供給不足感が支配的だった去年よりは需給は落ち着いているが、高品質の強粘結炭はソースも限られているため、大きく下がる事態は考えにくいと原料関係者は見ているようだ。

 供給側も今回は需給をより慎重に見極めて交渉に臨む意向を示しており、互いの手の内を探り合うところから決着まで相応の時間がかかりそうだ。
 JFEスチールは、東日本製鉄所(今村晴幸所長)の京浜地区で建設を計画していた連続式酸洗設備の建設に来年1月に着工する。投資額は約130億円。既存の冷延ミルに直結し、連続化することで冷延ミルの生産効率の向上とともに品質およびコスト競争力を高め、高級薄板のニーズに対応する。年産能力は120万トン。2006年度下期の稼働を予定している。
 日本鉄鋼連盟は、きょう6日開催される産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会容器包装リサイクルワーキンググループの第31回会合で、廃プラスチックの高炉還元剤としての投入など製鉄プロセスでの廃プラ・リサイクルの有効活用についての要望書を提出する。

 現在、一部自治体で処理能力不足や再商品化手法の困難さから、廃プラを焼却処理するRDFなどのサーマルリサイクルを志向する考え方が顕著となっている。産構審の審議でも二酸化炭素(CO2)排出抑制など高炉への廃プラ投入の効果・効率が勘案されず、サーマルリサイクル導入の議論が先行する。

 このためリサイクル高度化の観点から高炉廃プラ投入の製鉄プロセス活用によるリサイクル事業の有用性を唱え、再商品化手法見直しでの適切な検討を求めていく。併せて評価委員会を設置、幅広い視点での検討や廃プラ入札での2次入札の実施も要請する。"
 普通鋼電炉工業会の猪熊研二会長(合同製鉄社長)は5日、会長・副会長会議、理事会後の記者会見で、「全国的に電炉品および鉄スクラップ市況は前月と比べて大きな変わりはない。このまま強含みをめざしながら越年するだろう」との見方を示した。