2006年01月25日(水)
 新日本製鉄は、2005年度の普通鋼および特殊鋼の国内鋼材消費が前年度比76万トン増の7686万トン程度に達すると見込んでいる。好調に推移する製造業分野における普通鋼および特殊鋼鋼材消費の伸びが、公共事業縮小に伴う建設分野向けの減少幅を大幅に上回るためだ。

 06年度についても牽引役の製造業が好調なため国内鋼材消費が7700万トンレベルに達するとみており、国内消費は03年度から4年連続で増加することになりそうだ。
 独鉄鋼大手のティッセンクルップは23日、加ドファスコの買収提示額を引き上げる考えがないと発表した。

 ルクセンブルクのアルセロールがドファスコ1株当たり71カナダドルに提示額を引き上げたのに対して、ティッセンは経済価値を超えてしまうとして、68加ドルにとどめる。

 買収合戦からティッセンが降りた格好。アルセロールは既にドファスコと解約不能の買収合意を結んでおり、買収成立が濃厚な情勢だ。
 JFEスチール西日本製鉄所(所長=中島廣久専務執行役員)は次期中期計画(2006―08年度)で、生産能力を年間粗鋼ベース最大200万トン強引き上げ、2200万トン規模に拡大する。

 高級鋼の供給能力を高めるのが狙いで、昨年4月完工の福山地区第5高炉の拡大改修に続く今春の福山第4高炉の拡大改修、本年3月の福山コークス炉の増設完了などにより実現する。
 新日本製鉄など高炉大手は先週、2006年度積み鉄鉱石の価格交渉で豪州、ブラジルの鉄鉱大手と2回目の交渉を持ったが、合意点を見出せず、決着は2月以降の交渉に持ち越した。

 山元側が需給はタイトとして値上げを求めたのに対して、高炉側は値上げの環境にはないと主張して折り合わなかった。上げ下げの方向性の段階で認識が一致せず、具体的な価格に言及するには至らなかった。
 中国、韓国、台湾鉄鋼メーカー各社はこのほど、欧米鉄スクラップを90万トン超(積み期は2005年12月―06年3月、銑鉄4万トン含む)大量成約した。1―3月期の大口鉄スクラップ輸入はほぼ完了しており、今後、日本鉄スクラップの輸出商談に影響を与えそうだ。

 向け先別では、中国50万トン超、韓国30万トン超、台湾7万トン超(うち銑鉄4万トン)となっている。旧正月明けに再び引き合いが増加するとの見方もあるが、大口の買い付けは春先まで見込めない公算が大きい。