2006年03月03日(金)
 高炉5社は2日、そろって2006年3月期の決算予想を発表、各社とも連結経常ベースで前期の過去最高益を更新する見通しとなった。

 鉄鋼部門が好調で、高級鋼材を中心に需要が堅調に推移する一方、販売価格の改善が一段と進んだ。新日本製鉄は連結経常利益予想を中間決算発表時から200億円上乗せし5150億円に、またJFEホールディングスは前回予想と同じ5000億円、住友金属工業は100億円上乗せの2600億円、神戸製鋼所は50億円上乗せの1700億円にそれぞれ上方修正。日新製鋼は先月2日の発表より小幅上方修正し620億円とした。

 D/Eレシオ(株主資本に対する有利子負債倍率)は今期末で新日鉄が0・73、JFEが0・96、住金が0・99にそれぞれ1を切る見通しで、神鋼も1・3程度(プロジェクトファイナンス含まず)に改善する。

 期末配当はJFEが前期から55円増配の100円、住金は4・5円で、通期では中間配当とあわせて7円と前期より2円増配、神鋼は倍の6円、日新は期末3円で、通期では前期の5円から6円に増配。新日鉄は年度決算時に方針を示すが、当面基準とする連結配当性向15―20%に沿い、前期5円から増配となる見通し。
 新日本製鉄は2日、6月下旬の定時株主総会日付で執行役員制度を導入すると発表した。これにより同社は取締役11人(現行37人)、執行役員22人の態勢となる。

 2006年度より製鉄事業持株会社に移行することを踏まえ、経営環境変化に応じたより迅速で機動的な経営の意思決定と適切な監督を行うため少数の取締役会構成に変更。併せて業務執行に万全を期すとともに責任の明確化を図るため、執行役員制度を導入するもの。執行役員の任期は1年以内(重任あり)。
 住商鉄鋼販売(岸上奎介社長)とクボタ(幡掛大輔社長)は2日、施工費を大幅な低減化した建築物の基礎杭工法「SGE工法(プレボーリング先端拡大根固め工法)」を開発し本格販売を始めたことを明らかにした。

 鋼管杭の支持力を従来工法の約2倍に高めて杭本数を半減、工期を短縮することで施工費を約40%低減した。高いコスト競争力を武器に、ショッピングモールなど基礎杭の需要の大きい中高層建築物分野をターゲットとする。
 桂スチール(本社=兵庫県姫路市、三木桂吾社長)は約5億円を投じて、岡山県備前市三石で新工場「三石工場」(第3工場)の整備を進めていたが、2月末にすべての作業を完了、3月から本格稼働させた。同工場は切板とB・H(ビルトH形)の2次加工の強化、および柱・梁製作・加工を拡大させるため開設したもの。
 梅本商行(本社=大阪市西区北堀江4―14―26、梅本利明社長)は、事業の合理化・効率化を目的に、事務所機能と倉庫機能が分離している北九州営業所(北九州市小倉北区赤坂海岸8―25)の拠点見直しを進めており、年内をめどに同所に倉庫機能の集約および建屋拡張工事を終え、一連の計画を完了する予定。投資総額は約3億1000万円。