2006年06月15日(木)
 高炉各社は国内造船各社に対して本年度下期(2006年10月以降)納入分からのひも付き厚板価格のトン5000円引き上げを申し入れる。

 国際価格や他分野向けのひも付き価格、薄板など他品種と比較して格差が残っているためで、各社はそれぞれ7月以降に交渉を本格化する。またエキストラ是正に向けた取り組みも進める構えだ。
 米国際貿易委員会(ITC)は13日、日本製ブリキ・ティンフリー鋼板輸入のアンチダンピング(AD)課税の5年間継続を決めた。措置後5年の見直し調査(サンセットレビュー)で米業界の被害再発につながる恐れがあると判断した。本来のAD自体の是非を巡る係争が上級機関でなお続いている案件。

 日本側は「不当かつ極めて遺憾」(日本鉄鋼連盟の馬田一会長)として反発しており、上訴を含めた対応策を視野に入れている。
 鉄鋼最大手の蘭ミッタル・スチールは13日、2008年の金利・税・償却前の利益(EBITDA)を99億ドル(1兆1300億円)に05年比で70%拡大する事業計画を発表した。

 3年間で33億5000万ドルを成長投資に充てるなどで、08年時点のフリーキャッシュフローを60億ドルに拡大する。利益成長力を市場に訴え、ルクセンブルクのアルセロール買収を有利に進めたい考えだ。
 継目無管大手のテナリスは12日、米油井管大手のマーベリック・チューブを1株65ドルで買収することで最終合意したと発表した。マーベリックの負債引き受け分を含めて、買収額は31億8500万ドル(3638億円)。買収がなれば、売上高90億ドルの巨大鋼管メーカーになる。

 テナリスは500万トンと世界の40%を占める北米の石油関連鋼管製品(OCTG)市場で足場を拡大する。
 日本冶金工業の子会社、八千代ステンレスセンター(本社=千葉県八千代市、渡辺則夫社長)は8月中旬をめどにレベラーラインを一部新設し、シャーリング切断機を1基導入する。

 ユーザーからの品質要求が高まっていたためで、1993年の同社創立時からの設備の老朽更新。レベラーの平坦度矯正能力アップと、切断板厚能力を最大2ミリから3ミリに拡大する目的。総投資額は1億5500万円で、すべて自己資金で賄う。