2006年07月28日(金)
 2006年度の高炉ガス管需要は、前年度比5―10%の増加に転じる見通しだ。

 高炉メーカー3社(JFEスチール、新日本製鉄、住友金属工業)の05年度ガス管生産量(推定)は30万5000トンで、前年度比約10%の減少となったが、06年度はビル設備、プラント向けが好調で、2年ぶりに需要回復が見込まれている。高炉メーカーは減産を継続しているが、06年度上期で在庫調整が完了し、今秋にも需給がタイト化に向かう可能性が高い。
 鉄鋼最大手の蘭ミッタル・スチールは26日、ルクセンブルクのアルセロール株の公開買い付け(TOB)で91・88%を確保したと発表した。ミッタルは自社株と現金を合わせて3兆7480億円相当の対価を8月1日に支払う。鉄鋼大手上位2社の統合が成立し、粗鋼生産1億2000万トンのアルセロール・ミッタルが誕生する。
 JFEホールディングスが27日発表した2006年4―6月期連結業績は経常利益が前年同期比21・6%減の914億円だった。減益は前年同期の高騰前の原料(04年度契約分)使用によるコスト安が今期はなくなったことや、上昇に転じた鋼材輸出市況が出荷ベースでは4―6月が底だったこと、あるいは高炉改修影響による鋼材出荷タイミングのズレなど「一過性の要因」が大きい。

 当初見通し(連結経常利益で中間期1900億円、通期4600億円)に対しては達成ペースで着実に推移している。中間期は7―9月期での鋼材販売数量、価格の回復見込みなどから超過達成する可能性もある。
 中山鋼業(本社=大阪市、日野斌社長)は主力製品である鉄筋小棒の高強度化比率のアップと省エネルギー、コスト低減を目的に製鋼と圧延部門の直送化に取り組む方針を固めた。この実現に向け池田洋巳専務を中心とするプロジェクトチームを編成。総投資額としては21億円程度を見込んでいるが、省エネ関連部門についてはNEDOに申請を行っており、承認を得次第、工事に着手する。
 伊藤忠丸紅鉄鋼の100%子会社で豪州の鋼材加工販売拠点、トータルスチール・オブ・オーストラリア社(TSA)は、約9億円を投じてブリスベンとメルボルンの厚板加工設備を増強する。鉱山開発の資機材向けに拡大する厚板需要に応える。稼働は来年2月を予定している。完成後、TSAの年間取扱量は10%アップして6万トンになる。