2006年08月08日(火)
 住友金属工業は造船・エネルギー向けのハイエンド厚板の需要増加に対応するため厚板の生産能力を年間190万トンから200万トンに拡大する。エネルギー分野への注力などを示した中期経営計画の一環となるもので、約70億円を投じて鹿島製鉄所(茨城県鹿嶋市)の厚板工場で加熱炉1基の新設、製品切断装置(エンドシャー)の更新を行い、能力増強を図る。稼働は2007年の第3四半期(10―12月)の予定。
 経済産業省はこのほど、鉄鋼二次製品製造業の2005年度業況と06年度業況見通しをまとめた。05年度業況は20業種中、線材製品、溶接棒、磨棒鋼など自動車、産業機械、建設機械などへの依存度が高い業種を中心に9業種が前年度より生産量を増加させ、一部で原料高の製品価格転嫁が進展したことから13業種が販売額を増やした。

 ただ、原料の鋼材価格、ニッケル、亜鉛などの副原料、原油高の上昇が激しいため、各業種の課題として原材料価格高騰に伴う価格転嫁を挙げた業種は前年度の8業種から13業種となり、影響が拡大している。

 06年度見通しは生産量増加は2業種にとどまり、横ばい、減少はそれぞれ9業種。好調業種ではフル操業が続き設備能力の増強投資を実施しない企業で増産が困難なため、生産量は頭打ちとなる。
 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は、9月積みから輸出向けステンレス線材のベース価格を8月積みと比べてニッケル系でトン当たり600米ドル以上、クロム系で同100米ドル以上値上げする。

 東アジアのステンレス線材需給が韓国ミルの工事の影響などもあり、ひっ迫した状況が続くなか、ニッケル価格が7月に入り急騰したため、原料コスト上昇分の価格転嫁を進めるべく値上げを決めた。

 国内向け価格も6―8月の原料価格を前提として9月契約(10月出荷)から改定する予定で、現状のニッケル高が継続すればニッケル系はベース価格でトン8万円前後の値上げとなる見込み。
 日本政策投資銀行がこのほどまとめた企業の設備投資調査によると、鉄鋼の2006年度の投資計画は05年度実績より47・1%増え、8314億円となった。大型の高炉改修や自動車用高級鋼材の需要増に対応した能力増強などにより増勢が強まり、4年連続の増加となる。
 高炉メーカーの値上げに連動する形で、東京地区鋼管流通筋では9月1日から、高炉白ガス管(亜鉛めっき品)の販売価格を現行価格比で10%引き上げる。同時に、溶協白ガス管のメーカー値上げ積み残し分(トン当たり5000円)も販売価格に転嫁する構えだ。