2006年09月05日(火)
 新日本製鉄など高炉大手と韓国の造船メーカーの10―3月積み厚板輸出価格交渉が難航しており、10月積みの出荷が間に合わない事態が現実味を帯びてきた。

 高炉側は前期比100ドル高のFOBトン680ドルを提示しているのに対して、韓国側は逆に値下げを求めるなど妥協点を見いだせていない。既に10月前半分は間に合わない状況。日本国内の需要増に高炉の供給が追いつかないなかで、対韓造船向け輸出が一時的に減れば、タイトな国内需給が少しでも改善する可能性がある。
 新日鉄エンジニアリングの建築・鋼構造事業部は、2006年度を初年度として08年度を最終年度とする中期経営計画で、売上高経常利益率(ROS)を全社目標の4%に引き上げることをめざす。

 足元は目標のROSに達していないが、提案営業の強化とコストダウンで収益力を高める。売上高は05年度実績の770億円に対して850億円を狙う。
 日本産鉄スクラップの輸出価格が、8月初めからの1カ月間で1000―2000円方上昇している。現在、韓国向けの輸出価格は、H2がトン2万7500―2万7800円、新断がトン3万500―3万700円(ともにFOB)。

 日本産の輸出価格は8月初めにFOBトン2万6000円前後まで下落していたものの、東京製鉄が値上げすると同時に強基調へと転換している。
 普通鋼電炉工業会の猪熊研二会長(合同製鉄社長)は4日、定例の記者会見を開き、「2006年7月の鉄筋造における建築着工床面積は、前月比15%減(前年同月比25%減)の362万平方メートルに減少したが、需要環境について心配するレベルではない。鉄筋用棒鋼は出荷は高水準で、生産量も増加傾向を示している」とし、足元の需要動向に自信を深めた。
 日本鉄鋼連盟が4日発表した7月の鉄鋼貿易実績によると、普通鋼鋼材輸出量は前年同月比13・9%増の214万トンと3カ月連続で増加した。

 主力の熱延広幅コイルが5カ月連続、亜鉛めっき鋼板が3カ月連続で増加し、厚板も2カ月連続で増えた。1―7月の普通鋼鋼材輸出は1409万8000トンと前年同期比1・2%減少した。