2006年09月11日(月)
 日本金属工業はグループ企業の衣浦製造所(愛知県碧南市)集約の第1段階が9月末で日金工鋼管の移転完了によって終了するほか、第2段階として、化学・産業・医薬品関連機器メーカーのニッセン(愛知県海部郡蟹江町)を衣浦に全面移転する方向で検討に入った。

 ニッセンについては来年度内には移転を終わらせたい考えで、グループ企業集約によって共通する設備の共有化や副資材調達などを効率化、合わせて設備保全といった技術系人員の最適配置など合理化を通じて体質強化につなげる。

 同社ではグループ全体約1300人を本年度内に205人削減、1100人体制とする計画で、これにニッセンも加え合理化を加速する。本年4月に移した日金加工など5社が衣浦に一極集中、管理費、固定費負担を軽減、製造拠点として衣浦製造所の国際競争力を高める。
 高炉5社の2006年度上半期の粗鋼生産量(単独ベース)は前年同期比1・3%、53万トン増の4240万トン程度となる見通しだ。

 5社はそれぞれ国内薄板3品在庫や海外市場動向をにらみながらの慎重な生産・販売スタンスを継続しているが、おう盛な国内外製造業向け高級鋼需要対応、東アジアの在庫調整完了を背景とする輸出数量回復などにより粗鋼生産は前年同期を上回る。
 ロシアの大径管セーフガード(SG、緊急輸入制限)措置問題で、日本からロシアに輸出される日本製大径管に対するSG措置発動は、回避される見通しとなった。
 日本金属工業は7日、ニッケル系冷延薄板とホットカットシートについて、9月契約10月積み分から店売り、ひも付きともに現行価格比5万―6万円値上げすると発表した。

 これによりニッケル系冷延薄板の販売価格は41万―43万円どころとなる。原料となるニッケルのLME2カ月(7―8月)平均価格の上昇分を販価に転嫁する。「今月のニッケル価格が現状推移すれば、10月契約でも同様の値上げをする」(宮田浩社長)方針で、ひも付き値上げに断固取り組む姿勢を示した。
 日本高周波鋼業は、工具鋼本部とともに中期経営計画の柱となる条鋼本部において、中計最終年度となる2008年度までに売上高経常利益率(ROS)10%をめざす。汎用ステンレス線材生産を極力減らし、原料動向に左右されない高級特殊合金比率を高める。オンリーワン製品の収益比を現在の6割から8割まで高め、高機能材で勝負する。