2006年09月13日(水)
 関東地区の鉄スクラップ輸出相場は、2年6カ月ぶりにFASトン2万7000円を突破した。関東鉄源協同組合が12日に行った10月積み鉄スクラップ輸出入札は、平均落札価格が前月比2030円高のFASトン2万7300円となった。

 台湾鉄鋼メーカー各社が、ピークカットを終えたことで、日本の鉄スクラップを積極的に買い付けている。これにより、東京製鉄をはじめ国内電炉メーカー各社は防衛買いに動いている。
 高炉メーカー各社は10―12月の薄板引き受けを分野・品種別に精査し、一段と慎重に取り組む構えだ。好調が続く自動車をはじめ家電、産業機械分野も堅調で、実需を中心にロールがタイトな状況で推移することが予想されるため。高炉メーカーの薄板営業担当者は「分野によっては7―9月に比べ引き受けを絞ることもやむを得ない」と話す。
 新日本製鉄は12日、原材料価格の高騰と今後も需要は堅調に推移するとの見通しから、店売り向けH形鋼の販売価格を9月契約分から、2000円値上げすると発表した。価格の上げ幅は約3%。販売価格の値上げは1年11カ月ぶり。また、価格改定は昨年10月契約で3000円値下げして以来となる。
 鈴秀工業(本社=名古屋市緑区大高町南関山35、鈴木清詞社長)は、このほど第6次中期3カ年計画(2006年9月21日―09年9月20日)を策定した。スローガンは「鈴秀イノベーション2010」。

 IT関連、および自動車関連の需要増に対応するため、本社工場のリフレッシュを中心に大型設備投資を実施する一方、自己資本比率48%をめざすなど経営体質の強化を一段と進める。最終年度の目標は売上高186億円、売上高経常利益率16%。
 日新製鋼は12日、ニッケル系冷延ステンレス鋼板の店売り向け販売価格を11月出荷分(10月契約)からトン当たり7万円値上げするとともに、ひも付き価格についても10月から同7万円引き上げると発表した。

 今回のひも付き価格値上げは前提としてLMEニッケル価格をポンド当たり12ドルと設定しており、この水準をLME価格が上回った場合、13ドルで同2万円を、さらに14ドルで同2万円を上乗せし、一段の値上げを実施する。

 ひも付き価格でベース価格が平均を下回っているケースでは13ドルで同14万―15万円、14ドルでは最大で同17万―18万円の値上げになるという。ひも付き価格についてはユーザーとの直接交渉を進め、部分的に履行できていない原料価格連動方式の完全浸透も図っていく。