2006年10月10日(火)
 日本の高炉メーカーと現代ハイスコなど韓国大手リローラーとの間で行われている10―12月積みホットコイル輸出商談が、今週半ばにも520―530ドル(FOB価格)の範囲で決着する見通しになった。

 値上げを求める日本高炉、値下げを求める韓国リローラーと相互の提示価格に乖離(カイリ)があったが、韓国リローラーの手持ち在庫の減少、韓国の需給環境などを背景に互いに歩み寄った形だ。
 JFEスチール西日本製鉄所は6日、倉敷地区構内に建設を進めていた冶金法による太陽電池用シリコン(SOGシリコン)プラントの本格稼働を12月から開始する、と発表した。

 購入している原料ポリシリコンの需給ひっ迫により、一部を自社生産するもので、冶金法によるSOGシリコンの営業生産は世界で初めて。
 印タタ・スチールは5日、英・蘭コーラスなど海外鉄鋼ミルの買収を検討していることを明らかにした。コーラス株価はタタの買収検討報道を受けて5日当日だけで16%アップ、「ロシアなど他ミルもコーラス買収合戦に参入してくるはず」(商社筋)とみられており、しばらく鉄鋼業界や投資家の関心を集めることになりそうだ。

 2005年の粗鋼生産量はタタが440万トンで世界56位。コーラスは1820万トンで9位。
 住金物産が関東地区に初めて設置した直営コイルセンター、住金物産関東コイルセンター(SBKC、本社=千葉県浦安市港、寺内弘社長)がこのほど、本格的に営業生産を開始した。足元の鋼板加工量は普通トラック用フレーム(シャシーフレーム)を主体に5000トン程度になる見込みだが、早期に7000トンにまで引き上げたい考えだ。
 東京地区の鉄スクラップ市中価格は7―9月の3カ月間で約3000円上伸した。地区電炉メーカーが製品増産や輸出防衛買いのため炉前価格を値上げしたことが背景にある。この先、メーカーの製品増産にともない鉄スクラップの市中価格は堅調に推移していく見通しだ。