2006年11月01日(水)
 住友金属工業、神戸製鋼所、日新製鋼は31日、2006年9月中間期決算を発表、高炉5社の中間決算が出そろった。

 連結経常利益で住金、神鋼が増益。さきに発表した新日本製鉄、JFEホールディングスは在庫評価益などで利益がかさ上げされた前期との比較では減益となったが、そうした一過性影響を除いた実質ベースでは増益基調を維持した。日新製鋼は原料のニッケル、亜鉛の価格高騰影響が大きく減益を余儀なくされた。

 住金の中間期の連結経常利益はエネルギー、自動車などの好調を映し前年同期比18・3%増の1560億円、神鋼は同2・3%増の873億円。日新は同44・7%減の219億円。住金、神鋼は中間期過去最高益。07年3月期通期は住金が3000億円と前期の過去最高益を更新する見通しのほか、神鋼は前期並みの1700億円を予想する。新日鉄、JFEも前期の過去最高益に迫る勢いで、高級鋼を中心とした国内外のおう盛な鋼材需要を背景に好決算が続く。
 総合商社大手5社の2006年9月中間期連結決算が31日に出そい、5社の金属部門すべてが増益を計上し、なかでも連結純利益がすべて過去最高になった。

 5社合計の売上高は前年同期比17・8%増の5兆6814億4900万円だったが、純利益は同65・2%増の2275億7400万円と大幅に増えた。鉄鉱石を中心とした金属資源価格の上昇と、自動車・エネルギー部門などの需要業界のフォローの風を受けた格好だ。
 経済産業省がまとめた2006年度第3四半期(10―12月期)特殊鋼熱間圧延鋼材生産計画の集計結果によると、生産量は547万5900トン(前期比23万トン、4・4%増、前年同期比42万1000トン、8・3%増)で、これまで最高だった前期の524万6000トンを超え、過去最高を更新する。同省が策定した第3四半期需要見通しの525万9000トンと比べ、21万7000トン、4・1%上回る。

 夏季減産の翌期となることから反動増のほか、国内需要は主力需要分野の自動車など製造業が堅調に推移。輸出も自動車とエネルギー関連で構造用鋼、高抗張力鋼などが伸び、増加傾向を維持する。
 高炉4社のエンジニアリング分門の2006年9月中間期の連結決算が31日にまとまり、新日鉄エンジニアリング、JFEエンジニアリングが中間期で黒字化。需要が旺盛な東南アジア地域でのエネルギー開発関連案件の受注が好調だった。神戸製鋼所の機械エンジニアリングは黒字を拡大。住友金属工業のみが赤字を解消できなかったが、赤字幅は大きく改善した。
 有力コイルセンターの京江シャーリング(千葉県浦安市鉄鋼通り1―2―11、下河原英道社長)が機能強化などを目的に今春から行ってきたレベラーラインの改造、レイアウト変更などが完成し、このほど本格的に稼働を開始した。

 レベラーの加工サイズを最大板厚2・0ミリから3・2ミリに、切断長を最大3100ミリから4000ミリに拡大したほか、隣接地に建築面積約480平方メートルの工場を増築し、レイアウト変更により効率化を図った。これによりレベラー加工量として現状の約60%増となる2500トンをめざしている。