2006年11月14日(火)
 新日本製鉄、JFEホールディンスなど高炉大手4社はいずれも2007年3月期の収益が中期経営計画(06―08年度)最終年度の目標レベルに届いてくる。

 製造業を中心に国内外の鋼材需要が高水準で推移する中、高級鋼を中心に安定供給に努めており、一過性の要因を除いた実質ベースでは4社そろって07年3月期も増益となる。景気循環とともに大幅な収益変動を余儀なくされてきた高炉業界だが、4期連続で増収増益ペースを維持する見通しであり、高級鋼へのシフトによる持続的成長戦略が軌道に乗ったといえそうだ。
 新日本製鉄は13日、10―12月積み東南アジア向けブリキ輸出価格が30―40ドルの値上げで決着したことを明らかにした。来期(1―3月)積みの商談も今月中旬から始まる見込みだが、新日鉄では値上げトレンドを続け、数十ドルの値上げを実現したい考えだ。
 新日鉄住金ステンレス(NSSC)は13日、メタルワンが保有していた東証2部上場のステンレスリローラー、高砂鉄工の全株式342万株(総株主の議決権ベース11・42%)を東証の時間外取引で買い付けたと発表した。これによりNSSCの所有株式数は922万2000株となり、議決権ベースで30・79%を握ることになるが、筆頭株主に変わりはない。
 住金物産は、鋼板加工事業の拡充をより強力に推進するため、国内外の同事業に係わる設備投資や関係会社の社長人事など重要案件についての検討を行うための専門部隊「Sプロジェクトチーム」を設置した。昨年設置した「コイルセンター製造管理本部」の機能を同チームに移管して、発展的に継続活動を行うことで、CCを中心とした鋼板加工事業を拡充する。
 新日本製鉄はオーストラリアの大手製缶メーカー2社と新たに長期のブリキ契約を締結することで合意した。豪州の最大手メーカーのブルースコープ・スチール社がブリキ生産から撤退するのに伴い、新日鉄が新規顧客として獲得したもので、数量は年間5万―6万トン程度になる見込み。価格は詳らかにしていないが、東南アジア向けと同水準とされる。