2007年01月12日(金)
 韓国POSCOは、2007年の投資額を前年比51%増の7兆4000億ウォン(9520億円)に増やす。国内で2兆9000億ウォン、海外・原料で1兆7000億ウォン、新事業・提携に1兆2000億ウォンを投じる。

 国内では高炉の拡大改修や設備の近代化など高付加価値化を進める一方、海外はインドの一貫製鉄所のインフラ工事に着手するなど拡大路線を進める。自動車などの戦略品種と成長市場をターゲットに高級鋼の供給力を高め、収益を極大化する方針だ。
 日新製鋼は11日、店売り向けニッケル系冷延ステンレス鋼板(SUS304、2ミリ)の1―2月契約(2―3月積み)価格をトン当たり3万5000円値上げすると発表した。

 内訳はニッケル高による原料連動分を2万5000円、ベース部分を1万円。クロム系冷延鋼板(SUS430、同)についても需給がタイトな上、エネルギーコスト上昇分などを加味し1万円値上げする。ニッケル系の値上げは2006年3―4月契約分から6期連続で、トータル25万円に上る。
 高炉メーカーが進めている1―3月積み東南アジア向けブリキ輸出交渉が、前期比10―20ドルの値上げで決着する見通しになった。

 中国、マレーシア、インドネシアなどで需要増加が続く中、高炉側は当初、原料の錫価格の上昇によるコスト増、高級品需給のタイト化などを背景に30ドル程度の値上げを求めていたが、中国など儒教圏が旧正月で休日が増えるという季節要因もあって、小幅値上げで折り合った。
 日本電工、新日本製鉄は10日、2007年度積みマンガン鉱石の購入価格を前年比10%引き下げることで豪BHPビリトンと合意した。2年連続の値下がり。

 高騰した価格の反動でスポット市況が長期契約を下回るレベルに下がっている実態を反映し、行き過ぎた高値を下げ修正する動きだ。
 住友商事は11日、南アフリカの鉄鋼原料資源会社、アソマンの権益保有持株会社、オアスチール・インベストメントの株式20%を約80億円で取得したと発表した。

 高品位の鉄鉱石、マンガン鉱石、クロム鉱石資源を持つアソマンに出資することで鉄鉱石などの権益を確保する。資源のタイトな需給が続くなかで、鉄鋼原料の事業領域を品種、地域両面で拡大し、収益拡大に結びつけたい考えだ。