2007年01月15日(月)
 全世界で天然ガスパイプラインプロジェクトが計画されており、ラインパイプは需給タイトの状況が続いているが、2008年以降はメガトン規模のプロジェクトが集中し、UOE大径管の供給不足が深刻化する見通しだ。

 これを「2008年問題」(商社筋)ととらえており、輸出だけでなく、国内では羽田空港再拡張工事で10万トン規模のUOE大径管需要が見込まれるなど、高炉メーカー3社(新日本製鉄、JFEスチール、住友金属工業)の造管能力の限界もあるが、需要増でフル生産が続く素材である厚板の確保が大きな課題になる。
 新日本製鉄、JFEスチールなど高炉大手各社は先週、2007年度積み鉄鉱石の購入価格を粉鉱、塊鉱とも前年比9・5%引き上げることで英リオ・ティントの鉄鉱子会社、豪ハマスレー・アイアンと合意した。

 豪BHPビリトンとも大筋で合意しており、豪伯の大手山元との交渉は決着に向かう。中国鉄鋼最大手の宝鋼集団の値決めで方向性は年末までに見えていたが、日本の輸入量の80%を占める豪伯の価格がほぼ固まったことで、日本の業界全体で鉄鉱石の購買コストが800億円上がるのが確定的になった。
 中山製鋼所はきょう15日から、No.2棒鋼オフライン精整検査設備が稼働する、と12日発表した。今回の同設備の増設はNS棒線(柴田眞之社長)と共同で進めてきた高級鋼の拡大の一環で、棒鋼の品質厳格化に対応できる体制となる。
 東海カーボンは12日、昨年12月27日付で、ドイツの等方性黒鉛、押出成形黒鉛などの加工販売会社、カーボン・インダストリー・プロダクツ社と同グループのカーボン・メカニックス社の出資持分の80%をそれぞれ取得し、子会社化したと発表した。

 東海カーボンは黒鉛製品や炭素製品を製造し、欧州子会社を通して欧州市場に輸出販売しているが、欧州最大市場のドイツに加工販売拠点を持つことで、今後は一層充実したサービスの提供を図る。
 大阪地区の異形棒鋼市況はノミナルな状況ながら6万円の大台に乗るとともに、更に上値をうかがう情勢となっている。メーカーの大幅値上げを受けて商社、特約店など流通サイドでは6万2000円から6万3000円どころに販売価格をアップさせており、上げ含みの展開が続きそうだ。