2007年01月26日(金)
 中部地区の鉄スクラップマーケットが、2007年度から需給のひっ迫により過熱する可能性が出てきた。日鉄商事と住金物産が現地で本格的にストックヤード事業を開始する。

 日鉄商事は、新日本製鉄名古屋製鉄所への供給を第1販路とし、周辺電炉への供給、輸出も視野に入れている。住金物産は電炉、輸出を主な販路とし事業を展開していく姿勢である。中部地区では、2009年に東京製鉄の新工場が稼働する予定。

 中部地区は鉄スクラップの発生地と同時に需要地である。中部の需給が引き締まれば、関東、関西地区の市場にインパクトを与えることは間違えなく、結果的に国内市場に波及するだろう。
 日本の高炉メーカと現代重工など韓国造船メーカーとの来年度上期(4―9月)積みの輸出商談がスタートした。厚板需給のタイト感などを背景に、高炉メーカー側は前期比40ドルの値上げの650ドル(トン当たり、FOB価格)を提示した。韓国側は下期以降、中国ミルが稼働する計画などを見越し抵抗を示している。攻防は今後、本格化する。
 JFEスチールは4―6月の輸出商談でホットコイル、厚板など熱間製品の価格を1―3月に比べ5―10%値上げする方針だ。

 国内の需要が好調に推移する中、アジアマーケットのミルの熱間製品の供給余力が減る見通しで需給タイト感が崩れる気配がないこと、鉄鉱石などの原材料価格が上昇しコストアップになっていることなどが背景だ。すでに一部の商談は始まっているが、JFEでは2月中に決着させたい考えだ。
 住友金属工業はこのほど、鋼管杭、鋼矢板、橋梁向け厚板の土木用途向け建設鋼材3種について、2月契約分から前月比10―15%値上げする方針を固め、需要家に申し入れを始めた。値上げ額は各品種とも、トン当たり1万円程度になるとみられる。
 【名古屋】愛知製鋼(森田章義社長)は25日、ステンレス鋼の製造過程などから発生するニッケル含有副生物からニッケルを回収する再資源化施設「ブリケット製造設備」を知多工場内に新設し、1月から稼働を開始したと発表した。月間生産量は約600トン。投資額は1億2000万円。