2007年07月18日(水)
 三井物産は中国のオルドス・グループとの協業関係を通じて多面的な事業展開を狙う。合金鉄部門のオルドス電力冶金公司への出資をテコに、従来のカシミヤ取引、合金鉄合弁事業に続き、原料炭、一般炭の開発、コークス製造、石炭の液化、発電事業、化学事業、インフラ事業、ロジスティック事業など最大3000億円規模の事業化をめざす。

 伯リオドセ(CVRD)と同様、社内にオルドス連絡会議を設置して本部横断的な事業を立ち上げることにより、総合力を発揮してオルドス事業の企業価値向上をめざす考えだ。
 高炉メーカーの営業担当者の間で次期大型需要として原子力発電が関心を集めている。まだまだ不透明な面は残るものの、世界的なエネルギー需要の拡大が進む中、石油などの化石燃料の価格高騰、CO2(二酸化酸素)排出量の削減などを踏まえ、環境をテーマに原子力発電所の新設が増加するとみられているためだ。
 韓国の電炉メーカー各社は、16日から韓国内での鉄スクラップ購入価格をトン当たり1万ウォン引き下げた。7月中に工場補修を計画しているメーカーが多く、鉄スクラップの消費量が低下するため。

 また輸鉄入スクラップの入着が比較的多めに推移すると見込まれており、この辺を勘案して引き下げた。これに対し、大手ヤード業者は、国際価格が再び上昇に転じていることと韓国内電炉メーカーも7月後半から操業率が上昇すると見ているため、引き下げの完全実施には懐疑的。
 鋳物メーカーの虹技(本社=兵庫県姫路市、堀田一之社長)は、2009年度を最終年度とする中期3カ年計画を策定、製品の高付加価値化や財務体質改善などに向けた取り組みを進めているが、その一環として、本年度は約10億円を投じて大型鋳物用高周波誘導電気炉や遠心鋳造機など製造設備増強のほか、集塵機などの環境対応設備導入を予定。来年以降も同程度の投資を実施し、3年間で総額30億円の投資額を見込んでいる。
 細物小棒電炉メーカーの三興製鋼(神奈川県平塚市、鈴木良三社長)は2008年初めに、老朽化設備の更新を目的として、製鋼工程、連続鋳造設備、集じん機のファンとモーターを刷新する。投資額は約9億円。

 三興製鋼は平塚に移転して23年になるが、機械、電気設備の老朽化が目立っていた。将来的には直送圧延率100%をめざしており、トランスの更新、フリッカー補償装置、圧延ラインの更新などを予定している。