2007年10月02日(火)
 経済産業省がまとめた2007年度第3四半期(10―12月期)特殊鋼需要見通し(熱間圧延ベース、月平均)によると、特殊鋼需要量は国内、輸出合わせて177万9100トン(前期比2・7%増、前年同期比0・6%減)と策定された。

 同見通し通り推移すると07暦年の特殊鋼熱間圧延鋼材生産量は2135万トン、前年比1・8%増で、過去最高だった06年の2098万トンを抜き、史上第1位となる。
 高炉メーカーが現代ハイスコなど韓国リロールメーカーと進めていた下半期(2007年10―08年3月)および第3四半期(10―12月)積みのホットコイル商談が1日までにおおむね5―15ドルの値上げで決着した。

 具体的には新日本製鉄、住友金属工業、神戸製鋼所の3社が下期積みとして4―9月比15ドル、JFスチールは10―12月積みとして7―9月比5ドルの値上げとなった。ただ数量については各ミルともに余力は少なく、前期並みになっているようだ。
 中国・武漢鋼鉄は第11次5カ年計画の省エネ排出削減措置として今後、コークス乾式消火設備4基、自家発電所および焼結機の脱硫施設、エネルギーコントロールセンターなどを建設する。先月28日北京で開かれた日中鉄鋼業環境保全・先進技術専門家交流会で明らかにした。
 宝山鋼鉄は環境自動測定・監視・管理システムの構築をめざす。汚染物排出の実情をリアルタイムで正確、客観的に把握できるようにし、環境保護管理レベルを向上させるとともに、環境自動測定・監視情報化に関連した一定の基準と技術モデルを作成し、国際的にも先進といえるレベルを達成するのが狙い。
 住友金属工業は自動車用クランクシャフトの生産量を2015年に05年の倍の1000万本に増やす。本年11月に中国工場、09年1月に米国工場にそれぞれ鍛造ラインを増設。

 15年までに東南アジアに新工場を建設する計画で日米中との世界4極の生産増強で世界シェアを15年に13%(05年8%)に引き上げる。一大市場の北米と成長著しい中国を中心に、拡大する自動車需要を捉える。