2007年10月17日(水)
 メタルワン(金田守司社長)は、国内ではそれぞれの業界の全体最適の観点から、既存流通の業界再編・統合に協力し関与していく。海外では、BRICsに加え、VISTA、NEXT11を中心に、米国でも事業を拡充し、流通機能のビルト・イン、マーケット・インを進める。
 ステンレスメーカーが進めている10―12月積みフェロクロムの価格交渉が停滞している。供給側が値上げを求めている一方、最高値を更新した7―9月からの値下げを主張する需要家と折り合いがつかず、方向性でも一致できずにいるため、協議はこう着状態が続いている。

 ステンレス減産でフェロクロムの需給タイト感はピークを超えたものの、スポット価格はなお高値を維持しており、市場の見方で一致点を見るには時間がかかりそうだ。
 鉄鋼最大手のアルセロール・ミッタルは欧州事業に2007年は維持補修費を含めて13億ドルを投じて増強などを進める方針だ。

 ポーランドでスラブ連続鋳造機、新熱延ミルを新設するなど生産力を高める。ベルギーの高炉再開などで2012年までの長期計画で欧州鋼板事業の出荷量を3700万トンに400万トン拡大するなど、加工流通を含めた供給網を強化する狙いだ。
 鞍山鋼鉄は12月積みの日本向けの鋼材輸出方針を決定し、このほど、扱い業者などに通達した。扱い業者筋によると、日本向けの価格は熱延コイルがトン当たりで前月比10ドル弱上げの608ドル弱(C&F、円換算=7万1379円)、冷延コイルがトン当たりで前月比30ドル弱上げの655ドル弱(同、円換算=7万6897円)とした。
 2007年度上期(4―9月)の鉄鋼生産実績が近くまとまるが、高炉5社の粗鋼生産はそれぞれほぼ計画通りとなったようだ。下期は自動車、造船、建設機械など製造業向けの高級鋼を中心に国内の鋼材需要は堅調に推移し、また鋼材輸出も高レベルを維持する見通しで、各社は07年度通期の粗鋼生産計画を達成する可能性が高い。

 5社の粗鋼生産が計画通り推移すると07年度の高炉粗鋼は前年度比260万トン増の8850万トン(単独ベース)に達し、05年度に比べて600万トン増加する。