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2007年10大ニュース/鉄鋼業界

日刊産業新聞 2007/12/25

(1) 鉄鋼業、持続的成長を証明
(2) 原燃料・フレート高止まらず
(3) 高炉各社が能力増強、海外展開加速
(4) アジアでソフトアライアンス拡大
(5) 中国の鋼材輸出増、貿易摩擦が顕在化
(6) 改正建基法、混乱で建築に急ブレーキ
(7) 世界鉄鋼業、産業別CO2対策で合意
(8) 資源の寡占化進む
(9) 鉄スクラップ高騰、電炉収益を直撃
(10) 流通再編に新展開

 (1)鉄鋼業、持続的成長を証明

  高炉大手を中心に鉄鋼メーカーが好業績を持続。粗鋼生産が過去最高レベルに達するなか、原料高の逆風にも着実に収益を確保した。

 (2)原燃料・フレート高止まらず

  鉄鉱石に加えて、海上輸送費、マンガン、鉄スクラップ、ニッケルなど原料輸送費が値上がりしたほか、原油高由来のコスト高が継続した。

 (3)高炉各社が能力増強、海外展開加速

  追加の鉄源確保やボトルネック解消投資に加え、海外事業の拡張や住友金属工業の伯高炉など拠点新設案件が相次ぐ。

 (4)アジアでソフトアライアンス拡大

  新日本製鉄を軸に、国内メーカー、海外大手との連携追加策が目白押し。アルセロール・ミッタルなどの大型買収が一服するなか、緩やかな提携を通じた対抗軸が育った。

 (5)中国の鋼材輸出増、貿易摩擦が顕在化

  欧米のアンチダンピング(AD)提訴が相次ぎ、通商摩擦が現実に。中国は関税上乗せなど輸出を抑制しながら、余剰設備廃棄に本腰を入れ始めた。

 (6)改正建基法、混乱で建築に急ブレーキ

  建築基準法の改正による混乱で建築着工が大幅に減少。形鋼、棒鋼の大幅減産のほか、設備投資の停滞など深刻な影響が広がる。

 (7)世界鉄鋼業、産業別CO2対策で合意

  国際鉄鋼協会(IISI)がキャップ・アンド・トレード反対、セクトラル・アプローチで合意。ポスト京都議定書に向け効果的なCO2対策を提唱。

 (8)資源の寡占化進む

  BHPビリトンがリオ・ティントに買収提案した。リオ・ティントのアルキャン買収に続く大型案件で資源大手の支配権争いが加速。

 (9)鉄スクラップ高騰、電炉収益を直撃

  スクラップ高で電炉の収益が悪化。王子製鉄の新日鉄傘下入りや合同製鉄の三星金属工業子会社化など新たな再編の兆し。

 (10)流通再編に新展開

  清和鋼業と中央鋼材が資本統合で合意。東京と大阪の有力独立系特約店同士の統合が小規模流通再編の新たな枠組みを提示した。