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2009年の10大ニュース/軽金属

日刊産業新聞 2009年12月21日

(1)新日軽が住生活グループに

 日本軽金属は子会社である新日軽の全株を住生活グループに譲渡し、アルミサッシ事業から撤退することを決めた。住生活Gは、トステムとともにサッシ事業を推進。日軽金は三協・立山ホールディングス(三協立山アルミ)と提携関係にあったが、これを解消した。日軽金はこれまで建材ビジネスの収益低迷が続いていたことから、新日軽を手放すことにした。住生活Gは韓国のLG化学と合弁するなど、国内外でサッシ事業を強化していく。

(2)需要激減後回復へ

 リーマン・ショック後の世界同時不況が直撃し、アルミ需要は年前半に激減した。日本アルミニウム協会がまとめた2月単月の圧延品(板・押出合計)生産は、前年同月比40%減。コンデンサー箔に至っては、同94%減という壊滅的な打撃を受けた。しかし年後半からは各国の景気刺激策などが奏功し、ようやく最悪期から脱却。足元では同15%減水準まで戻してきた。ただしリーマン・ショック前には遠く及ばず、本格回復にはまだ時間がかかりそうだ。

(3)古河スカイが中国圧延進出

 古河スカイは三井物産と共同で、中国のアルミ事業会社である広東東陽光●業股フェン有限公司傘下の圧延会社2社に資本参加および経営参画で合意し、契約書に調印した。出資するのは、乳源東陽光精箔有限公司と韶関市陽之光●箔有限公司の2社。古河スカイはそれぞれの株式25%、三井物産は同じく20%を既存株主である東陽光と香港南北兄弟国際投資有限公司から取得する。今後は自動車熱交換機用材料生産に着手し、成長する中国でビジネス拡大をめざす。(※●かねへんに呂)

(4)不二と文化シヤが提携

 不二サッシは、文化シヤッターと資本・業務提携を行うことで合意した。文化シヤッターはりそな銀行が保有する第2種優先株を譲り受けて普通株に転換。出資比率は約30%となり、不二サッシが文化シヤッターの持ち分法適用会社に移行した。スチール建材主体の文化シヤッターとアルミサッシメーカーである不二サッシが連携することで、相互補完し収益基盤の強化をめざす。現在は協業推進員会で具体的な取り組みを詰めている段階で、シナジー効果創出を図る。

(5)住軽が押出・加工品再編

 住友軽金属工業は、グループの押出・加工品事業の再編を決めた。具体的には、アルミ押出材の主力生産拠点である千葉製作所を2010年3月末で操業停止。来年4月1日には事業統括兼販売会社「住軽テクノ」と製造会社「住軽テクノ名古屋」をそれぞれ設立する。
 押出事業は長引く建材需要低迷と二輪・四輪向け素材・部材需要の大幅減に直面し、業界全体で供給過剰体質にあった。同社は押出・加工品ビジネスの再構築を進め、収益改善を急ぐ。

(6)昭電、汎用押出から撤退

 昭和電工は、建材向けを中心とする汎用押出材事業から撤退し、アルミ事業の人員削減と合理化実施を決めた。
 彦根事業所の押出生産ラインは停止。汎用・建材以外の押出事業は今後も継続する。同社は今回の施策に加え、熱交換器事業の収益基盤強化に向け最適生産体制を構築する考え。このため、アルミ部門で希望退職を募り、人員再配置を図っていく。これら構造改革施策を通じ、収益立て直しをめざす。

(7)三菱アルミ、仕上げ圧延機操業

 三菱アルミニウムは、熱間仕上げ圧延機(ホットフィニッシャー)が操業を開始し、竣工式を行った。約3年の工期と70億円余りの投資で完成した。これにより効率的な製造工程が実現し、コスト削減につながる。  一方、同社はグループ会社の事業再編も実施した。エムエーファブテック社は溶湯鍛造事業から撤退し同社を解散。立花金属工業は、御殿場工場閉鎖などの経営再建策を行い、選択と集中の取り組みを加速した。

(8)東工取、アルミ上場廃止

 東京工業品取引所はアルミの立ち会いを休止し、事実上の上場廃止を決めた。取引量は近年極端に細っており、流動性がほとんどない状態。アルミの先物市場は、ロンドン金属取引所(LME)の扱いが中心で、日本では機能を十分果たさないまま幕を閉じた。
 東工取へのアルミ上場(試験上場)は、アルミ業界の多くの反対を押し切って1997年にスタート。業界を揺るがしたアルミ先物市場創設問題は、大きな節目を迎えた。

(9)大紀アルミ、ベトナムに出資

 大紀アルミニウムは12月、タイのアルミ原料加工会社、アングロ・アジアと同社ベトナム社に15%出資することで調印した。
 大紀アルミは、将来のベトナムほかタイ・マレーシア、インドネシアなど東南アジア市場での二次合金需要拡大を見込んだ海外事業会社の収益拡大、アングロ社は大紀アルミが持つ残灰処理技術や低品位原料加工技術などを取り込むことで相互発展していくことが狙い。

(10)POSCO、マグネ精錬に進出

 韓国のPOSCOは2010年5月に韓国北部の江原道江陵市でマグネ精錬工場の建設に着手する。11年2月の竣工を予定し、12年1月からの生産開始をめざす。工場の敷地面積は約13万2000平方メートル。精錬能力は年1万トンで、精錬方法は熱還元法を採用する。総投資額は約500億ウォン(約38億円)。生産されたマグネ新地金は同社のマグネ板材工場(韓国・全羅南道)で使用するとともに、韓国国内で販売する。



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