「稲山大杯争奪、産業新聞鉄鋼マスターズゴルフ大会」（鷹之台カンツリー倶楽部）は10日、「産業新聞創刊80周年・第40回記念大会」として開催され、台風一過の秋晴れの下、鉄鋼業界を代表する47選手が出場し、日本オープン開催の難コースでのノータッチ・ホールアウトの競技に汗を流した。

　総合優勝の進藤孝生氏（新日鉄住金）は、グロス91・ネット73で追随する選手をかわし、第36回大会以来、4年ぶりに稲山大杯を手にした。 　シニア部門優勝の三村明夫氏（新日鉄住金）は、前半を42でまとめて折り返したが念願の総合優勝に一歩手が届かなかった。

　総合2位は村田稔氏（豊田通商）、3位が北村一正氏（岡谷鋼機）だった。

　ベストドレッサー賞には、秋晴れの空と白い雲に映えるネイビーのポロシャツとカーキ色のキャップ・パンツでコーディネートした柿木厚司氏（ＪＦＥスチール）が選ばれた。

　表彰式の冒頭、進藤孝生大会会長は「産業新聞創刊80周年おめでとうございます。また今回は第40回記念大会でもあるということで、歴代の表彰者を見ると、1977年の第1回大会以来、そうそうたる方々の名前が並んでおり、事務局のご苦労と配慮に感謝している」とあいさつ。「日本鉄鋼業は、中国の過剰能力、鉄鋼需要の停滞、円高、原料炭急騰など4重苦の状態にあるが、最大の課題である中国の過剰能力については、世界各国で問題意識を共有できている」とした上で、「リオ五輪では、（全柔連会長を務める）宗岡さんの指導もあって、柔道選手達は追い詰められてからも頑張り、結果を残している。この精神力を見習い、また中国情報など産業新聞の記事を参考にしながら、鉄鋼業の発展に努力していこう」と呼びかけた。

　続いて主催者を代表して産業新聞社の山村俊郎社長が「相次ぎ上陸する台風を切り抜けて天候に恵まれ、また2回の総合優勝、ベスグロ4回の記録を持つ関根さん、ベスグロ3年連続記録を持つ衣川さんに華を添えて頂き、記念大会をこのように盛大に開催することができた」と謝意を示した上で、「産業新聞社は2・26事件当日の創業で、鉄鋼業界専門紙では最も古い。80年もの歴史を刻んでこられたのは皆様のご愛顧の賜物。100年企業を目指し、より良い新聞づくりに努めていきたい」と決意を語った。

　表彰者のコメントは次の通り。

　▽総合優勝の進藤氏＝「本大会をとても楽しみにしていたが、最近はゴルフの頻度が少なく、優勝できるとは思いもしなかった。パートナーに一生懸命ついていこうと、目の前の一打に集中した結果が総合優勝ということで驚いている」。

　▽シニア優勝の三村氏＝「今井さんの跡を継いで、今年から鷹之台の理事長を務めており、収益に貢献頂いている本大会には感謝している。競技については、前半が42だったので簡単に優勝できると思っていたところ18番（パー5）で9を叩いた。若手に譲ることになったが、これが最後ではない。76歳になろうとしているが、まだまだ皆には負けない」。

　▽ベスグロの衣川氏＝「大会には人一倍思い入れがある。記念特別枠であり、これが最後の初優勝のチャンスと意気込んできたが、ロストボールや3パットがあって前半46を叩いた。諦めかけたが、奮起した結果、ベスグロを獲得できて、うれしく思っている」。