2016年11月15日

鉄連、たたら操業 親子50人参加 ものづくりの魅力広める

 日本鉄鋼連盟は13日、科学技術館(東京都千代田区)と共催し、NPO法人「ものづくり教育たたら」(深澤和生理事長)の協力のもと、親子25組、50人が参加した。日本古来のたたら製鉄を体験し、ものづくりの魅力を子供たちに広めた。

 深澤理事長は「今回の体験を通じて、自分たちで何か一つでも良いので、つかんで帰ってください。今日の思い出を忘れないで下さい」とあいさつした。

 参加した子供たちは、レンガで炉を作り、木炭の炭きりのほか、人力による送風装置「ふいご」で炉に送風するなど体験を行った。砂鉄や木炭の投入も行い、一つ一つの工程に興味を持って、半日かけて鉄作りを体験した。

 前日の事前学習を担当した渡邊玄・東工大助教授は「素晴らしい鉄ができました。非常に良い”たたら製鉄”だったと思います。どうやって良いものを作り、どうすれば良いかを考えることが、サイエンスの原点にあります」と総評し、今回のイベントでサイエンスが面白いと感じるきっかけになってくれれば、と話した。

 たたら操業では3基の炉により、20キロの砂鉄を還元して鉄を作った。ふいごで操業した炉では、5・2キロの鉧(鋼塊)が出来た。送風機で操業した2基では、それぞれ3・8キロ、6・3キロの鉧ができた。操業後は炉の余熱を利用して、恒例の焼き芋を作り、秋の味覚を楽しんだ。