2022年8月31日

日本の特殊鋼/世界に誇る技術の粋/(20)/需要家に聞く/コベルコ建機/取締役専務執行役員生産本部長/紀藤真治氏/国内生産の維持重要

――特殊鋼の使用状況から。

 「鋼材としては主に鋼板と棒鋼を使用している。鋼板では普通鋼が主体だが、60キロ以上のハイテン(高張力鋼)も使用。棒鋼はSC材などを使用している。特殊鋼の使用量は棒鋼が75%を占める。特殊鋼の主な使用部位は、耐久性や強度が必要な箇所と耐摩耗性が必要な箇所で、アタッチメントやフレーム、バケット、足回り部品などに使用している。また、クレーン用のラチスブームには特殊鋼の鋼管を使用する」

 「建設機械のメインフレームは普通鋼の厚板をベースとした溶接構造物で、強度・耐久性の必要に応じて一部の箇所に特殊鋼を使用する。部品によっては耐摩耗性の高い鋼材ということで特殊鋼を使っている部品もある」

 「棒鋼は足回りや油機関連の部品・部材が主要用途となっている。鍛造部品を中心に一部で鋳造部品も活用。丸棒の特殊鋼を機械加工して使っている。使用量は少ないが、クレーンのラチスブームには、70―100キロハイテンの特殊鋼を使用する。クレーンの吊り上げ用ワイヤロープも特殊鋼となる。エンジンや油機などの調達部品にも特殊鋼は使われているが、これについては使用量としては含めない」




 







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