2000.02.01
日 本チタン協会は31日、スポンジチタンとチタン展伸材の95年出荷見込みおよび2000年予測を発表した。それによると、99年は航空機業界の低迷や内需不振の影響を受けて、スポンジチタンが前年比17・9%減の1万9552トン、展伸材が9・9%減の1万1476トンといずれも後退する見通し。2000年についてはスポンジチタンが前年見込み比10・5%減の1万7500トンと落ち込むのに対し、展伸材は4・5%増の1万2000トンを見込んでいる。

 99年のスポンジチタン出荷は2期連続のマイナスの見込みだ。内訳は国内が17・5%減の1万2537トン、輸出が18・7%減の7015トン。総出荷での2万トン台割れは95年以来のこと。

 一方、展伸材も2期連続マイナス。内訳は国内が13・1%減の5343トン、輸出が7・0%減の6133トン。内需については発電所向けのプレート熱交が好調だったほか、自動車分野では2輪車マフラー向けが増加。民生品でもメガネフレームなどが底堅い動きを見せている。半面、航空機や化学プラントなどの分野が減少。同協会では「99年予定されていたTPA(テレフタル酸)プラントの建設計画などはまったく着工されなかった」としている。

 2000年のスポンジチタン出荷見通しは、国内が0・3%減の1万2537トン、輸出が28・7%減の5000トンという内訳。国内については展伸材メーカー側の在庫調整や半製品の輸入増を見込んで横ばいを予想。輸出については航空機生産が2000年から減産に転じるため、大幅な減少を想定している。

 2000年の展伸材出荷見通しは国内が12・3%増の6000トン、輸出が2・2%減の6000トンという内容。国内はアジア景気の回復に伴い昨年延期されていた物件の復活、民生品や自動車分野での需要増を見込む。輸出については円高傾向が続くものの、昨年並みの数量を確保できるものと予想した。

シ リコンメーカーが加盟する新金属協会シリコン部会は先週末、99年の高純度シリコン生産・販売実績と2000年の同見通しを発表した。それによると、99年の単結晶生産量は半導体市場の活況を受けて前年比20%増の4510トンと過去最高を記録。当初の予測は3%増の3900トンだったが、これを大幅に上回った。2000年についても好調を持続する見通しで11%増の5000トンを予想、パソコンや携帯電話、デジタル情報家電などが需要を牽引する。シリコンウエハー各社は現在フル操業を続けているが、それでも今年後半には需給タイトが深刻化するとみている。

 99年の単結晶販売量は11%増の4316トンで過去最高となった。内訳は内需が8%増の2693トン、輸出が15%増の1623トン。当初、同部会では3%増の4000トンを見込んでいたが、半導体市場が急回復したため、予測を大幅に上回る結果となった。2000年についても市場拡大が予想され、単結晶販売量は輸出を中心に大きく伸びて10%増の4750トンとなる見込みだ。

 ただ、その半面、価格下落の影響でシリコンウエハーメーカー8社合計の99年度業績は2期連続赤字(98年度は57億円の赤字)の見通し。会見した吉住宇部会長(住友金属常務執行役員)は「主力の8インチウエハーを中心に5インチや6インチもフル操業の状況だが、現在の価格レベルでは増産投資ができない。また、微細配線に対応するための高精度化や次世代12インチのための設備投資が困難である」とコメント。さらに「年後半には能力不足が問題になるだろう」と話したうえで、2000年度も販価の値戻しに取り組む決意を表明した。

 一方、多結晶シリコンの99年生産量は28%減の3844トンとなった。生産減の要因は(1)在庫が4000トン前後と依然として過剰気味(2)ウエハーメーカー側での歩留まり向上――などが挙げられる。このため、多結晶シリコンメーカーでは現在7割操業にとどまっており、2000年については5%増の4050トンの生産量を見込んでいる。

 なお、同部会の加盟会社は信越半導体、米MEMC、住友金属、三菱マテリアル、独ワッカーケミカルズ、コマツ電子金属、東芝セラミックス、ニッテツ電子のほか、トクヤマや三菱マテリアルポリシリコンなどの多結晶メーカーで構成している。

昨 年末まで3、4週間程度の通常納期だった黄銅棒は、ここにきて細物、6角を中心に1カ月半から2カ月へと納期が遅延化し出した。6角の場合、エアコン向け受注が活発化しているもので、細物は携帯電話など情報通信関連の受注増などで納期が長期化しているようだ。

 都内の大手、中堅伸銅品問屋によると、昨年11、12月の商いは好調で、1月に入ってからもY2K(コンピューター2000年誤作動)問題による在庫調整の反動がなかった。最近の主な需要分野としては携帯電話、プロパンガスのバルブ、床暖房、防災スプリンクラー、油圧継手、空調用鍛造、ゲーム機など多彩だが、メーンの水栓金具やガス機器関連にはまだ動きが見られない。輸出は東南アジア市場で韓国、台湾勢力に席巻され、細物でブランドを指定されない限り成約に至らないケースが多い。

 ただ、こうしたバラエティーに富んだ需要が年末から年明けにかけて続いているため黄銅棒の納期が長期化する傾向を示し始め、従来、3、4週間だったものが細物、6角などが1カ月半から2カ月へと遅延化する状態になっている。

 黄銅棒メーカーの生産体制は人員調整したことから、現在の受注に対し月2万2000トン前後で推移している。
4 月初めに入関する2000年度の特恵亜鉛地金の入荷量は1万―1万200トン程度と、低水準であった今年度(1万9000トン)をさらに下回ると予想されている。

 亜鉛地金の輸入関税はトン当たり4300円。特恵物は通常の輸入地金より同関税分だけ安くても、関税額は2―3カ月の倉庫料と金利の相当分にすぎない。このため、特恵物は4―6月の3カ月分の販売量に相当する程度しか入れられないと、関係商社は見ている。

 また、「4―7月の亜鉛相場も水準を上げるとは見込み難く、相場動向から見ても特恵物を大量に手当てするメリットはない」という。このため、扱い商社は特恵物について4―6月の販売量に見合った数量を手当てする模様。

 需要家からは、特恵地金を購入したいとの要望が商社に寄せられているが、規模的にも昨年を下回っているようだ。需要家は、特恵地金の手当てについて総じて商社任せであり、メリットがあれば購入するという姿勢にある。

 このため、新年度の特恵地金の入荷量は、商社の4―6月の輸入地金の販売量に見合う1万トンから1万2000トンの数量にとどまるとみられている。

住 友金属鉱山は31日、シンガポールのリードフレーム製造子会社でテープCSP(チップ・サイズ・パッケージ)の量産を開始すると発表した。テープCSPは半導体の最新実装材料で、携帯電話やDVC(デジタル・ビデオ・カメラ)向けなどに需要が急増中。このほどシンガポール政府から優遇装置を受けられることが決まったため、10月から同製品の本格量産を決定した。

 テープCSPを製造するのは住友鉱の全額出資子会社である住友金属鉱山アジアパシフィック(SMMAP)社。同社は主にリードフレームのメッキ加工を手掛けているが、今回は既存の工場建屋内にテープCSPの量産設備を導入するほか、クリーンルームなどを設置。工事は2月着工、8月完成、10月からの生産開始を計画。総投資額は2000万シンガポールドル(約13億円)を予定している。

 テープCSPは半導体パッケージ材料であるTAB(テープ自動ボンディング)の一種で、銅とポリイミドフィルムを張り合わせた構造になっている。今回の生産規模は明らかにされていないが、携帯電話やDVCなどに利用されるフラッシュメモリー向けなどに同製品を供給する計画。同社は現在、TABの量産工場を鹿児島県の製造子会社で建設している最中だが、CSPの海外生産に踏み切ったことで、TAB関連事業の海外進出は初となる。

 SMMAP社は1月31日にシンガポール政府からMHQ(製造業地域本部)ステータスを授与された。これを取得すると新規プロジェクトの法人所得税が免除されるなどの優遇装置が受けられる。日系企業での授与はこれまで1社だけだった。

白 銅(東京都中央区八丁堀)は31日、日本証券業協会から店頭登録銘柄で登録することを承認された、と発表した。売買開始は3月9日。

三 和シヤッター工業は27日、「田島順三製作所・三和タジマ」の事業計画などに関する記者会見を行った。このなかで、高山俊隆・三和シヤッター社長は、3年後の2002年度(2003年3月期)に「田島・三和タジマ」の売上高120億円、三和シヤッター本体売上高80億円、合わせて200億円の売上目標を明らかにした。

 田島の生産(加工)は現在、ステンレス5、アルミ3、モニュメントなど2、といった比率。ステンレス加工は現在、月間50―60トンで、アルミも10トン以上行う。今後は、ステンレス事業を中心に、アルミやチタンなど、非鉄の加工販売にも力を入れたいとしている。

2 月第1週の海外貴金属相場は、金が手掛かり材料難から285ドル前後と従来同値圏内で推移する見込み。銀も決め手材料を欠いているため510―530セントあたりで推移か。白金はロシアの供給不安による需給ひっ迫感の強まりで引き続き波乱含みの見通し。

 前週は、NYC金が週末に欧州ヘッジファンドの投資替えのうわさを嫌気して280ドル台前半に軟化したが、NYC銀はケイ線観測による投資筋の買いで年初来の530セント台を回復。NYMEX白金も需給ひっ迫の強まりで1カ月ぶりに450ドル台に乗せた。

 NYC金は中央銀行による保有金売却が圧迫材料。前週25日に英イングランド銀行が実施した第4回準備金入札は、落札価格が289・5ドルと午前のロンドン約定値288・7ドルを上回り、応札量も入札量25トンの4・3倍と前回の2・1倍を大幅に上回った。また、同入札で世界最大の産金業者、アングロ・ゴールド社(南アフリカ)が10%近く応札した、との報道もあり、同結果を受けて市場は投資筋の買い戻しを誘った。

 ただ、一方でオランダ中央銀行は最近の1週間で23トンの保有金売却を実施したと25日に発表し、同日のNYC市場は前日比1・4ドル続落、286・3ドルで終わった。

 欧州ヘッジファンドの投資替えのうわさは、「これまで金に投資していた資金を債券に移した」という予想外のものであったが、市場筋は「大きく反応しすぎた」と指摘。このため、今週の金相場は284―285ドルの水準に小幅ながら回復するとの見方が多い。市場は目先の注目材料が出尽くしたため、当面は280―290ドルで方向感の定まらない展開が続きそうだ。

 白金は2年半ぶりの高値に上伸したが、依然として波乱含みである。ロシアの輸出停止による供給ひっ迫感が強く、とくに現物の需給が深刻化している。

 また、前週末にはロシアが2月中旬まで白金を輸出しない可能性がある、との報道もあり、供給ひっ迫に対する懸念は一段と強まっている。