2000.02.01
来 月9日に株式店頭公開予定の大手非鉄製品流通、白銅(本社=東京都中央区、山田悦弘社長)は、上場でマーケットから資金を調達し、IT(情報技術)関連投資を積極化させる。近く営業・仕入れ・販売をパッケージにしたデータベースを完成させ、年内中に電子商取引(Eコマース)の実施を図っていく。実現すれば、非鉄流通業界で初めて。

 同社はこれまで、「コンビニエンスディーラー」を標ぼうし、幅広く小ロット販売に注力。さらに、今年4月から、「全品全売」を掲げ、アルミ、伸銅、ステンレスなど金属素材はもちろん、プラスチックやその他カタログ外商品も含め、あらゆるニーズ対応を目指してきた。

 このため、従来型の販売方式では、コストアップ要因になることもあり、ネットを使ったローコスト取引を実現させる。同社はこれまで、ホームページの開設や在庫管理におけるコンピューター活用などを進めてきたことから、これら技術を応用して電子商取引を図り、図面のやりとりなども画面上で行うことにより効率化を目指す。また現在、営業など各部門におけるデータベース化を進め、今のところ情報関連投資ではトータル10億円を超す規模になるとみられる。

 一方、これらネット上の取引では、海外からもアクセス可能なことから、グローバル化対応と輸出増も図っていく。

 なお、同社は今後、旧来の「問屋」の枠にとどまらず、素材を販売する小売業として高収益・高株価企業を目指し、ディマンド(マーケット)サイド重視の営業に力を入れる方針。さらに、IT革命に対応し、情報化投資を進める一方、今後品質・環境ISO取得を図るなど、同業他社に先んじた取り組みを進め、小人数で効率の良い事業展開を進めることにしている。

昭 和電工はこのほど、2000年のアルミ新地金需給見通しをまとめた。それによると、今年の需要は1992万6000トンと前年(1935万3000トン)比1・8%の増加を見込んでいる。また、2001年の需要は2052万2000トンと3・0%(59万6000トン)の伸びを予想している。

 今年の需要はこれまで最大の牽引役となってきた米国が急増後の調整期となり、伸び率2%程度に低下する。これに代わってアジア、欧州の景気回復に伴う需要増加が全体をの底上げすると予想している。

 今年の供給をみると、西側の生産は1767万3000トンと前年(1717万7000トン)と2・9%増加する見通し。東西貿易によるネット輸入量は230万トンと同比10万トン減少の見込み。需要は1992万6000トンに達するため、西側世界の需給バランスは前年のプラス22万4000トンから同4万7000トンと過剰幅は大きく縮小する。

 また、2001年の供給は、生産が1821万6000トンと2000年比3・1%(54万3000トン)増加する一方、東西貿易によるネット輸入は220万トンと同比10万トン減少する見込み。需要は2041万6000トンと見込まれるため、西側世界の需給バランスはマイナス10万6000トンと不足に転じると予測している。

国 内新鉛需要の頭打ち傾向が鮮明となっている。99年度の国内新鉛需要は24万トン(99年度比3・9%減)と予想されているが、中期的(3年―5年)にも同水準にとどまるとの見方が強い。主力のバッテリー向けが停滞するほか、鉛フリー化の影響が続くことによるためで、国内需給は、同水準で均衡して推移する見通しである。

 今年の乗用車の生産は底入れからやや上向くものの、軽自動車は大形化によるブームが終了して減少、トラックも若干上向く程度のため、自動車全体の生産台数は前年並みと見込まれている。つれて新車向けバッテリーの需要も前年水準に比べ変わらない見通し。補修用バッテリーの需要も大きな変動はないと予想されている。

 また、輸入バッテリーは国内消費の10%をやや上回る規模と見られているが、国内バッテリー生産は、昨年とほぼ変わらない見通し。今年度のバッテリー向け新鉛需要は全体で18万トンと前年度並みの予想だが、2000年度も同水準と見込まれている。

 その他の需要分野は、無機薬品向けが国内空洞化の影響で前年度を上回りそうになく、はんだ向けも鉛フリー化でさらに減る方向にある。このため2000年度の新鉛需要は99年度を大幅に上回る要因も見当たらず、99年度並みの24万トン規模となりそうだ。

 鉛フリー化の影響でバッテリー以外の需要はほとんど伸びが見られない状態にある。バッテリーは、今後の自動車生産台数の大幅な伸びも期待できないことから、中期的にも新鉛需要は横ばいと予想されている。

金 属鉱業事業団(田代直弘理事長)は前月31日、パプア・ニューギニアで実施した「海外地質構造調査」で有望な金鉱脈を確認した、と発表した。

 同事業団が99年度から東ハイランド州(ラエの西約140キロ)カイナンツゥ地域で地質調査並びにイルマフィンバおよびマニペアの両鉱徴地を対象とした10孔延べ2525メートルのボーリング調査を実施。この結果、イルマフィンパ地区の地表下約200―350メートルの深さで金品位トン当たり51・6グラム(コア幅8メートル)、同35・7グラム(コア幅4メートル)、同11・0グラム(コア幅6メートル)などの金鉱脈を確認した。

 今回、確認された鉱脈は周辺部への連続性も期待されることから、今後の調査次第では有望な金鉱床が発見できる可能性もある。

 同事業団は2000年度以降も詳細な地質構造と鉱化状況を解明する検討している。

 なお、当該地域は日鉱金属が現地鉱業権者であるハイランド・パシフィック社との間で共同探鉱契約を締結している。

日 鉱金属は1日、2月積み銅建値をトン24万円で据え置くと発表、即日実施した。今回の措置により、月間平均建値は前月より5800円高となった。
 国内建値の指標となる海外銅相場は、調整局面入りしており、このところ低迷していた。この日入電では、セツルメント・ベースでLMEが1812ドル、NYC84・40セント。NYCでは前日から反発したものの伸びが足りず、LMEは依然としてさえない。
 ただ、為替動向が今週明けから大幅に円安に振れており、この日TTSは1ドル=108・25円。海外銅相場安とこの円安が相殺される形で、輸入採算値(諸掛り費用含む)は23万円台半ばあたりの水準を維持、先行き不安定ながらも月明け、とりあえず24万円で横ばいスタートした。
 三菱マテリアルは1日、2月積み鉛建値をトン当たり8万5000円の据え置きと決めた。前月の平均に比べても変わらず。
 1日入電のLME鉛セツルメントは461ドル、円換算4万9903円、関税2700円を加えて5万2603円。諸掛りを3万2397円とみている。
 三井金属は1日、2月積み亜鉛建値をトン当たり3000円値下げし、同16万円に改定すると発表した。前月の平均建値16万4600円に比べると4600円の値下がりとなる。
 1日入電のLME亜鉛セツルメントは1121ドルで円換算12万1348円、関税4300円を加えて12万5648円、諸掛りを3万4352円としている。
 これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金も3000円値下げした。新価格はZANo.1=19万8000円、同No.2=20万8000円、ZAS=21万8000円。

関 西地区大手アルミ合金メーカーは1日、2月前半の原料購入価格を1月に続き上物スクラップだけをキロ当たり3―5円値上げする方針を固め、関係納入筋に通達した。

 LME新地金が原料アルミナ不足などを背景に2年2カ月ぶりの高値圏で頑強に推移しているうえ、前週からはボローイング(期近物買いの期先物売り)の活発化で逆ザヤを示現。加えて、為替市場で米金利の先高観から「円」が1ドル=108円台(TTS)と昨年9月下旬以来の水準へ急落していることを映して新地金が200円(置き場・現金)近辺まで続騰していることが最大要因。

 また、市中では「新くず、印刷板をはじめとする上物の品薄が目立ち、入荷が細りがち」(大手合金メーカー資材担当者)にあることも上物を連続値上げとした要因。

 ただ、スソ物に関しては輸入玉との絡みもあり、ひっ迫感に乏しいことや、肝心の製品価格が伸び悩んでいるため、現状価格で据え置くことにした。

 なお、当面のメーカー買値は、印刷板でキロ150―155円、新くず148―153円、63Sサッシくず145―150円、ビス付サッシ(プレス物)115―120円、一品合金133―138円、機械鋳物くず110―115円、合金削り粉93―98円、アルミ缶(二次合金メーカー向け)93―98円、ベースメタル90%148―153円(いずれも1車単位、持ち込み価格)どころが一応のメドと推測される。

ア ルミ新地金の国内相場が1日、キロ218円(商社出し値)と98年9月以来の高値を更新し、同日の銅相場(東京地区)の220円に大接近″している。

 これは31日のLME終値(3カ月先物)が、アルミ1711ドル、銅1866とその差「155ドル」にまで縮まったため。1カ月前の99年12月30日の終値は、アルミが1649ドル、銅が1888ドルと「239ドル」の差があった。

 これまで銅市況に変動が少なかったことから、両相場の接近は明らかにアルミ市況の急騰が要因と言える。原料のアルミナ不足などアルミ独自の材料はあるものの、「ファンド筋などスクイズによるアルミの上がり過ぎは否定できない」(大手商社)との見方が強い。

 また、アルミの場合、世界的な需給タイト感からプレミアムがトン80ドル近くで高止まりしているため、国内相場では一段と差が縮まったものとみられる。

 海外ブローカーなどは「アルミと銅のスプレッドの縮小に着目している」(同)として両相場のサヤで儲けを狙う動きもある。

 両相場の先行きは不安定だ。銅はいぜん「上げ余地がある」との見方があるものの「時間を要する」と指摘され、アルミがもう一段上昇する可能性があることから、一時的にさらに差が縮まることも考えられる。国内相場とはいえ、アルミが銅を上回る「親不孝相場」が現実となる日も近い
関 口冨美雄商店(東京・雷門、関口泰宏社長)は1日、2月の洋白、リン青銅販価を前月よりキロ12―17円値上げすることを決め、即日実施した。

 品種別の店頭販価は次の通り(単位キロ当たり円、ベース価格、カッコ内は前月比)。
 ▽バネ用洋白板=1372(12)
 ▽洋白板2種=1126(15)
 ▽洋白線2種=1186(12)
 ▽快削洋白棒=1414(12)
 ▽バネ用リン青銅板=998(15)
 ▽リン青銅板2種=843(16)
 ▽リン青銅線2種=966(17)
 ▽快削リン青銅棒=1034(15)
東 洋エクステリアは1日、事業再編を行うため、株式交換でトステムの完全子会社になると発表した。今年10月1日に株式交換を行い、交換比率はトステム株1に対し、東洋エクステリア0・467。