2000.02.16
三 菱マテリアルと豊田通商は15日、同日付で下水汚泥燃料化事業を手掛ける新会社を共同で設立したと発表した。下水汚泥の臭気を抑えて燃料化するという三菱マテリアルが開発した技術を事業化するもので、豊田通商の営業ネットワークを活用する。具体的には自治体からの汚泥処理の受託業務を中心に、汚泥燃料や関連プラントの販売などを手掛けていく予定。新会社ではまず年内に日産能力5トン(含水80%換算)の商業プラントを設置、処理プロセスの最終的な実証試験を行う計画。汚泥の燃料化ビジネスは米国などで実績があるが、国内では珍しい。

 新会社の社名は「潟Gムティー・エコ」。資本金は2000万円で両社の折半出資。本社は東京都千代田区にある豊田通商の東京本社内に置いた。社長には三菱マテリアルの貝田昭・地球環境エネルギーカンパニーバイスプレジデント、副社長には豊田通商の川出浩司・東京エネルギー化学品部次長が就いた。2000年度はプラント販売で2億円の売り上げ計画を立てている。

 事業化する下水汚泥燃料化技術は下水処理の濃縮段階で微粉炭を凝集剤として添加するのがポイント。微粉炭が持つ水質浄化や悪臭除去などの活性作用を応用することで、臭気を抑制することに成功。添加後は汚泥を固液分離処理し、その後、脱水、乾燥という工程を経て粒径2ミリ前後の形にする。同技術で得られた粒状燃料の熱量は一般炭よりやや劣るものの、1グラム当たり5500―6000キロカロリーを確保。このため、石炭との混焼などにより産業用燃料として使用可能だという。

 三菱マテリアルでは同技術の基本特許を95年に取得して以来、これまで小規模プラントで製造した汚泥燃料を九州地区にある同社のセメント工場で利用していた。今回設立された新会社に豊田通商が参加したのは、豪州における炭鉱開発を共同で手掛けているなどの経緯があるため。

 新会社は今後、汚泥処理の受託業務を中心に事業を展開していく計画で、処理の引き受けに際してはPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)方式で国内外の自治体に同技術を普及させる方針。また、製造した汚泥燃料や関連プラントの販売については民間企業を主体に売り込む考え。

 なお、新会社が設置する商業プラントについては現在候補地を検討している段階だという。

住 友金属鉱山は15日、会長に須藤晃一専務、社長に福島孝一専務を内定した。

 4月1日付で就任する。青柳社長は相談役に就任する。

 子会社JCOの臨海事故の責任を受けてトップが交代する。

大 手非鉄製錬各社の今3月期業績はおおむね増益が予想されているが、来期も増益傾向が見込まれている。為替動向が昨年に比べて円高基調で、銅の買鉱条件も悪化するものの、非鉄金属相場の上昇が見込まれるうえ、リストラによる経費削減、電子関連部門の好調などが寄与するとみられるため。

 今期は為替相場が足元で円安に振れたことにより、製錬部門の1―3月期の業績は比較的堅調で、電子関連材需要の好調も続いているため、通期の業績は昨年10月の中間決算時に発表された予想に近い内容になる見通しである。

 来期の製錬部門は、銅の買鉱条件が悪化するが、亜鉛は改善される。為替相場は昨年より円高の見通しが強い。ただ、非鉄地金相場は全般的に上向いており、製錬部門の採算は横ばい、または若干悪くなる程度とみられている。

 一方、製錬各社は人員削減を図った企業が多く、不採算部門の見直しも進展しているため赤字部門は少なくなっている。好調なのは電子材部門で、来期も伸びは続きそうだ。また、国内景気の回復が今年後半に明確になれば、非鉄需要も景気動向につれて全般的に増加するとみられている。

 このため、来期の収益は製錬部門は横ばい、電子材部門は好調、その他の部門で回復と予想する向きが多く、今期に比べて増益傾向となる見通しである。

関 東地区の大手アルミ二次合金メーカー各社は15日、2月後半受け入れ分のアルミスクラップ購入価格を全品種現状横ばいとする方針を固め、関係納入筋に通知した。指標の新地金相場に変動が少ないことなどを反映した。年初から上昇を続けてきたアルミスクラップ市況にもようやく天井感が広がってきたものとみられる。

 この結果、当面の二次合金メーカー購入価格(置き場・現金)は新切れ・印刷板で146―150円、63Sサッシで144―148円、一品合金で126―130円、ベースメタルで136―141円、機械鋳物で111―116円どころが一応のメドと推測される。

 新地金相場は、LMEベースでは1670ドル台まで下落しているものの、円安で相殺され同値圏で推移。また「採算的にみてもいいところまで来ている」(大手合金メーカー役員)ことから現状据え置きとした。

三 井金属は15日、2月積み亜鉛建値をトン当たり3000円値下げして同15万7000円に改定すると発表した。月間平均建値は15万8400円となる。

 15日入電のLME亜鉛セツルメントは109・9ドルで円換算11万9901円、関税4300円を加えて12万4201円、諸掛かりを3万2799円とした。

 これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金も3000円値下げして、ZACbP=19万5000円、同bQ=20万500円、ZAS=21万5000円に改定した。

全 国軽金属商協会(唐木輝昭会長=千代田金属社長)は15日、1月末の軽圧品相場アンケート集計結果をまとめた。それによると、東京・中部の各地区が全品種横ばいとなる一方、大阪は板類3品種がキロ5円、押出類はすべて10円下落した。

 1―3月のNSPがキロ10円下げたため、大阪地区ではほぼそれに応じた動きを見せた。ただし、地金価格はここにきて急回復しており、4―6月は20円程度上昇に転じる見通し。これに加え、荷動きも徐々に良くなってきたことから、総じて底堅いムードとなっている。

 足元の状況について、石橋銀蔵・市場調査委員長(滑川軽銅副社長)は、「メーカーの生産が好調に推移する一方、店売り業の荷動きもかなり良くなってきた。特に、液晶・半導体関連の厚板需要がしっかりしている。建材はまだトンネルを脱していないが、押出ではOA機器や自動車、一般機械など、上向きつつある」との認識を示した。

 また、今後の見通しとしては、「地金価格の先高感が強まっているので、今のところメーカーへの注文も多めに推移する。そのため、少なくとも2、3月は忙しいだろう。ただし、ロールマージンの回復は、まだ先の話ではないか」としている。

加 インコ社は14日、マニトバ州トンプソンにあるバーチツリー・ニッケル鉱山の採掘規模拡大に4800万米ドルを投じると発表した。同社は同鉱山での1日当たりの採掘量を現行の1635トンから3175トンへ引き上げるとともに、採掘期間を15年以上の幅で引き伸ばす考え。具体的には2004年までのフル生産達成と2016年までに採掘を予定している。

日 本マグネシウム協会は2月18日に「第2回マグネシウムダイカスト・チクソ入門」と題するセミナーを開催する。場所は東京・両国の江戸東京博物館。同セミナーでは製造設備や加工設備、安全対策などについて説明する予定で設備面から見た情報を提供する。セミナー内容は以下の通り。

 ▽マグネシウム合金の現状/嵯峨常生氏・東京都立工業高等専門学校▽ダイカスト機/宇部興産▽ダイカスト機・電磁ポンプ/東芝機械▽ダイカスト機・湯流れシミュレーション/ヒシヌママシナリー▽ダイカスト機・温度調整機/セイコーエンジニアリング▽ダイカスト機・温度調整機・真空系/田辺インターナショナル▽マグネシウム射出成形機/日本製鋼所▽金型温度調整機/ブロッセンバッハ・ジャパン▽マグネシウムの塗装システム/タクボエンジニアリング。

 参加費は会員1万円、非会員2万円。問い合わせは同協会セミナー事務局(TEL03―3465―4051)まで。