2000.02.18
住 友軽金属工業は17日、関係会社の日本アルミ(本社=大阪市、関淳夫社長、資本金14億5150万円)の株式を取得し子会社化すると発表した。同社の再建を支援するとともに、住軽金グループの総合力を高めるためで、3月17日に予定の第三者割当増資15億円を全額引き受ける。

 増資後に住軽が保有する日本アルミ株は2742万2000株、所有比率55・92%と過半数を占める。増資に伴う割当価格は1株75円(額面50円)のため、2000万株、15億円の増資となる。

 日本アルミは、前期決算で経常赤字に転落、今後は増資で財務体質を改善するとともに、住軽の子会社として、グループ内で業績建て直しを図る。住軽の今期連結業績への影響は、すでに連結対象会社のため、見通しに変更はないという。

 同社は1901年、日本初の民間アルミ器物メーカー「高木アルミニューム製造所」として創業、59年に住友金属工業など住友グループ各社が投資を開始した。

 事業は、アルミ形材・加工品、ストアフロント、エキスパンションジョイントカバーなどの各種建材や、産業機器、資源化システム、スイミングプール、工芸施設など多岐にわたる。

 事業所は、大阪・東京両本社のほか、滋賀・安城製造所、秦野・名古屋の各工場。従業員は688人(99年9月末)。

 現在の株主構成は、住友軽金属25・57%、日本トレクス15・50%、住軽商事7・92%、住友商事3・83%、住友海上火災保険3・49%など。前3月期は売上高258億3400万円、経常損失1億9000万円、当期損失2億3200万円。

大 蔵省は17日、99年(1―12月)の非鉄金属輸出通関実績をまとめた。それによると、電気銅(カソード)は陰極銅およびその断片で前年比9・3%増の29万5065トン、ビレットなどを含めたトータルでの輸出量も同8・8%増の31万8848トンで過去最高となった。また、銅くずも同11・1%増の8万3901トンと増えたほか、電気亜鉛や電気鉛なども増加した。アジア経済の急速な回復を受けて国内製錬各社が輸出に注力したことが背景になっている。

 99暦年の電気銅(陰極銅およびその断片)輸出を国別にみると、台湾15万トン、中国6万5000トン、韓国1万7000トン、タイ1万5000トンという順になっている。平均単価はキロ当たり175円80銭で前年に比べて45円安。

 電気銅のトータルでの輸出量は98年から伸び続けており、国内製錬各社は内需不振をカバーする目的で輸出ドライブを積極化。99年は、後半にかけて内需回復を要因に輸出量は失速するものの、通年では最高を記録した。

 このほか、銅くずの輸出先は中国7万3800トン、台湾2700トン、香港2400トンという順で前年に比べて2ケタ増加。また、電気亜鉛もトータルでの輸出量が1・5倍の伸びを示して7万835トンと急増し、史上最高となったほか、電気鉛も4倍ほど増えて4351トンとなった。

 一方、12月単月の輸出状況については電気銅の後退が目立つものの、銅くずは12月だけで1万トンの大幅増加。亜鉛や鉛も堅調に推移している。

非 鉄原料流通大手の宏大金属(株)(代表取締役久保田佳男、資本金5400万円、本社=東京都品川区、従業員数40人)はこのほど、全7事業所でISO14001の認証を一括取得した。2年前に社内委員会(10人)を設置して独自に環境マネジメントシステムを構築、日本環境認証機構(株)(JACO)の審査を経てこの10日に認証登録された。非鉄原料業界では、全事業所一括取得は初めてのケース。なお、登録範囲は、「登録組織全域における非鉄金属原料・非鉄金属2次加工品の販売および分析・産業廃棄物処理媒介代理商業務」。

 同社は、非鉄製品加工販売の(株)コードー(笹野宏会長、旧称宏銅金属)の原料部門として1965年に設立され、以来、商品の高付加価値化を図り、貴金属回収事業などで実績を築いた。今年は創業35周年に当たり、(株)コードー50周年、関連会社(株)東北コードー30周年と、グループ各企業とともに節目を迎えている。

 顧客ニーズへの即応体制に注力してきたのがここ15年来の大きな特徴で、川崎物流センター(神奈川県川崎市)、長野営業所(長野県埴科郡)、いわき営業所(福島県いわき市)、富山営業所(富山県富山市)、盛岡営業所(岩手県柴波郡)――と、東日本エリアを中心に事業所網を拡充するとともに、84年にはすでに分析センター(東京都品川区=東京都軽量証明事業所登録第825号)を開設、自社商品の品質管理徹底化によって、取引先との関係を強化してきた。

 今回、ISO14001認証を取得したのは、本社にこれら5営業所、分析センターを加えた計7事業所。

 同社の主要事業部門は現在、原料スクラップの流通のほかに金属製品販売、分析、産廃リサイクル処理代理店業務、環境機器販売など。帝国データバンクによると、98年度の年間売上高は約51億円。

 久保田代表の話 当社の業務は、環境保全活動に極めて密接しており、そのことを十分に自覚しながら体制強化に努めてきました。関係各位のご支援を仰ぎながらこの2年間、社員一丸となって取り組んできたISO14001認証取得は、目標の共有、個々の仕事に対する自覚の向上など、さまざまなメリットがありました。しかし、認証取得がゴールではなく、新たなスタートであることは言うまでもありません。取引先の皆様の環境活動のお役に立てるよう今後とも日々精進してまいる所存です。

大 蔵省が17日発表した99年のアルミ輸出通関実績によると、軽圧品(箔を含む)は35万6972トンで前年比15・1%増となり3年連続のプラスとなった。円高傾向を背景に需要の回復した東南アジア各国へ缶材など板材輸出が堅調だったため。スクラップは2万7635トンで同3・5%増と3年連続のプラス。地金類は1万515トンで同47%の大幅増となり4年ぶりにプラスに転じた。

 軽圧品の品種別内訳をみると、板類が25万5839トンで同16%増、押出類が2万4733トンで同24・3%増、箔類が7万6400トンで同9・7%増となった。

 一方、99年12月の輸出実績は、軽圧品が3万1580トンで前年同月比6・4%増となり2カ月連続プラスとなった。スクラップは2751トンで同4・5%増と6カ月連続のプラス。地金類は898トンで同45・1%増となり12カ月連続で前年水準を上回った。

田 中貴金属工業(本社=東京都中央区、多田吉宏社長)は17日、市川工場(千葉県)の白金族金属リサイクル設備の精製能力を20%増の年間61・2トン(最終地金量換算)に増強すると発表した。新設備は4月から稼動開始する。同能力は世界最大規模。また、日本で初めて商業的にイリジウムを分離・精製する設備も設置、これに対応して国内外で貴金属回収の拡大を図る方針。

 同工場では、74年からプラチナ、パラジウム、ロジウム、イリジウムなどの白金族を分離し、純度の高い地金に精製し、再度それらを加工して製品または地金として市場に供給する事業を行ってきた。

 能力増を行ったのは、白金族自動車触媒用需要が伸びており、イリジウムは直噴式エンジン用自動車触媒に含有されるようになって、価格も上昇している――などの事情による。

 新設備は9億円の投資額で98年10月から新建屋の建設に着手、白金族金属の分離、精製工程を一貫して、効率良くかつ大量に処理できる自動分離・精製装置を設置した。また、イリジウムを分離・精製できる装置も設置、顧客からイリジウムを含有した触媒からの回収を引き受けることとなった。

 一方、湘南工場は23億円で金と銀を回収してリサイクルするための分離・精製設備を設置し、2月25日から稼働する。処理能力は年間で金22トン、銀102トンと従来に比べて50%増となる。

 国内の回収拠点は、6支店と3営業所であったが、98年から今年にかけて水戸、金沢、姫路、滋賀、4営業所と平塚、鶴岡、福島の3サテライトを開設、16拠点となった。

 海外を担当する田中貴金属インターナショナルは、ドイツ、台北、マニラの3拠点であったが、98年から今年にかけて韓国、香港、シンガポール、米国の4カ所に駐在員を置き、7カ所となった。

 自社処理と回収依頼に加えて、貴金属回収装置の販売も行う。

中 越合金鋳工(富山県立山町、本多秀治社長)はこのほど、シンクロナイザーリング(自動車の変速機部品)で米国自動車大手メーカーが要求する品質システムQS9000の認証を取得した。2月10日付でオランダのRVAに登録した。