2000.03.03
日 鉱金属グループ(同社と丸紅、三井物産)と三菱マテリアルグループ(同社と三菱商事)が出資しているチリのロス・ペランブレス鉱山(銅量年26万トン生産)は、今年1月末から本格操業を開始したが、生産が順調に推移していることから、4月5日にサンティアゴで開所式を挙行することとなった。日本側からは出資各社の首脳陣が参加する。

 日本側の引き取りは銅精鉱量で日鉱金属が年25万トン、三菱マテリアル年15万トン。日鉱金属の佐賀関製錬所向けの第一船は昨年12月27日に現地を出港、2月14日に入港した。

 日鉱金属の出資する銅鉱山からの鉱石引き取りは、94年から生産開始しているチリ・エスコンディダと99年採掘開始のチリ・コジャワシに加えて、今回のロス・ペランブレスの3鉱山となる。これで同社は現在投資している鉱山からの原料調達がすべて整った。

 開所式に参加する日鉱金属の久留嶋毅・上級執行役員は、「この鉱山の生産開始で原料調達は、量的にも質的にも安定する。鉱山との関係について、今後は単に買鉱、TC(製錬費)確保という面だけではなく、銅事業を共同で推進していくパートナーであると認識し、より深い関係を築きたい」としている。

 ロス・ペランブレス鉱山は、チリの中部、サンティアゴの北方約200キロ。標高約3000メートル。主要鉱床はポーフィリーカッパー鉱床。推定埋蔵鉱量は約24億トン(銅品位0・63%)、当初30年の採掘対象鉱量約9・3億トン(同0・75%)、当初10年間の年平均生産予定量は精鉱中銅量で26万トン、97年に建設を開始して、今年1月から生産を行っている。総開発資金は運転資金、金融関連費を含めて約13億ドル。

 日本側権益取得額は2億5000万ドル強。出資比率は、アントファガスタ・ホールディングス社60%、日鉱金属15%、三菱マテリアル10%、丸紅8・75%、三菱商事5%、三井物産1・25%。

日 本アルミニウム合金協会が2日発表した1月のアルミ二次地金・同合金地金の需給実績によると、生産は7万1211トンで前年同月比5・4%増、出荷は7万1359トンで同5・7%増となり、生産・出荷とも3カ月連続のプラスとなった。主力の自動車生産が好調なほか、押出向けビレットの需要が伸びているため。3月期末を控え、アルミ二次合金の需要は当面、底堅く推移するものとみられる。

 需要分野別の出荷内訳をみると、ダイカスト向けが3万5046トン(同4・9%増)、鋳物向けが1万9249トン(同3・2%増)、板向けが6289トン(同13・9%減)、押出向けが5214トン(同51・4%増)、鉄鋼向けが2848トン(同43・8%増)などとなった。

 また、品種別の生産内訳は、合金地金が5万5023トン(同8・6%増)、二次地金が6878トン(同3・5%増)、ビレットが4018トン(同81・2%増)、母合金が2586トン(同4・4%減)など。

 一方、1月の原料需給は、受け入れが8万5963トンで同6・1%増、消費が8万5172トンで同8%増となった。なお、受け入れのうち、新地金・副資材を含む輸入原料は1万9954トンで同11・1%増となり、全体の23・2%を占めた。

三 菱マテリアルは2日、超硬工具事業を強化するため、国内と欧州に販売会社を設立、それぞれ4月1日から営業を開始すると発表した。国内は子会社2社を合併させたうえで、社名を「エムエムシーダイヤチタニット(株)」に変更。本体の販売部門の一部も新会社に移す。海外は欧州域内の現地法人3社を横断的に統括する持ち株会社をドイツに設立、同域内の販売戦略を加速させる。同社は超硬工具市場で世界シェア10%獲得を目指しているが、今回の動きもその一環。

 合併する子会社は(株)ダイヤチタニットセンター(東京都墨田区)と中央精機(株)(大阪府東大阪市)。存続会社はダイヤチタニット社で、中央精機5株に対してダイヤチタニット1株を割り当てる。合併後は社名を変更し、本体から特殊品などの販売部門を移管、120人が出向する。本体は自動車など大口需要家に対する販売部門が残る。

 新会社のMMCダイヤチタニット(東京都墨田区)の資本金は3520万円、出資比率は三菱マテ約59%、金商約17%など。社長に中里和男・ダイヤチタニットセンター社長が就任、従業員220人の予定。売上高は2000年度200億円の見込み。

 一方、ドイツ当局に登記申請中の持ち株会社「MMCハードメタル・ヨーロッパ社」(メーアブッシュ市)の資本金は約1000万円で三菱マテの全額出資。最高責任者には三菱マテの植田善久・超硬製品事業部長が就く。新会社はイギリス、ドイツ、フランスの現地法人を統括して欧州域内戦略の企画・立案・物流の効率化を推進。同域内における販売シェアは現在3%程度だが、シェア向上を狙う。

 同社の超硬工具事業の売り上げ規模は連結ベースで約420億円。このうち国内向けが70%を占めており、国内での販売シェアはトップ。世界でも3番手の地位につけている。同社では同事業をコア事業のひとつに位置付けており、今年1月には神鋼コベルコツールを買収するなど競争力強化に注力しているところだ。

日 本アルミニウム協会はこのほど、99暦年の軽合金車輪統計をまとめた。それによると、生産は対前年比7・7%増の1587万7488個となり、高水準を維持。販売も同6・4%増の1576万535個と、前年実績を上回る数量を確保した。

 販売は、輸出が2ケタ減になったものの、国内が底堅く推移。また、生産の種類では、組立式を除き一体鋳造・鍛造式とも増加している。

日 鉱金属の金属加工事業部はこのほど、高マージン品の増販戦略の一環として倉見工場(神奈川県)で大型テンションレベラーを新設するとともに、銅条コイルの6トン化投資を決め、工事を進めている。年内にもこれらの成果を十分に引き出す。アンバーや7025合金の成長に対応するためで、同事業部の本年度約7億円の投資額の一部。

 同事業部ではこのほか、生産と製品の技術開発のうち、コスト削減と品質向上に効果の大きい生産に重点を置く方針を示している。ただ、製品開発についてはリン青銅、アンバーなど既存の「幹」を太くするという基本を継続する考え。

 また、アンバー母材については昨年10月から始めた日本製鋼と推進中の共同開発について、市場の変化を先取りしてスピードアップを図り、早期に成果を上げていく。

 なお、同事業部は海外拠点の競争力向上の観点から、4月にも台湾にスリッターを導入する予定。

関 東地区の大手アルミ二次合金メーカー各社は2日、3月前半受け入れ分のアルミスクラップ購入価格を全品種キロ5円がらみ引き下げる方針を固め、関係納入筋との交渉に入った。指標の新地金相場がLME安と円高で大幅に下落していることから、買い入れ価格の高値修正を打ち出すこととした。

 この結果、当面の二次合金メーカー購入価格(置き場・現金)は新切れ・印刷板で143―147円、63Sサッシで141―145円、一品合金で121―125円、ベースメタルで133―138円、機械鋳物で108―113円どころが一応のメドと推測される。

 新地金相場は前月中旬に比べ約13円下落。この影響で各合金メーカーとも「2月末にスクラップの入荷が増加した」(大手合金メーカー購買担当者)としており、一時のタイト感が緩和されたことも弱材料につながった。

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関 西地区大手アルミ合金メーカーは2日、3月前半の原料購入価格を「高値修正していく」(資材担当者)方針を固め、関係納入筋に通達した。

 当地区では、今週初めにいったん3月前半の原料購入価格を据え置く方針を打ち出していたが、2月末から3月入りにかけて指標のLME新地金相場が昨年12月中旬以来となる1600ドル大台割れを一般化。また、この海外安に加え、為替も2日には海外市場の流れを引き継いで「円」が直物で1ドル=106円台まで急騰したことを映して、国内新地金も一時のキロ220円台(120日手形)から200円台割れへ急反落しているため、「これ以上の採算悪化を避けるためにも、原料購入価格の高値修正を図っていきたい」(資材担当者)としているもの。

 もっとも、当地区では既にメーカーによっては2月後半からコスト最優先との構えで、例えば印刷板、新くずなどで160円を超える高値買いを敬遠する姿勢を打ち出していたこともあり、結果的には一段の高値修正を浸透させていくことになる。

 従って当面のメーカー買値は、メーカーによってバラつきがあるのが実態だが、印刷板でキロ150―155円、新くず148―153円、63Sサッシくず145―150円、ビス付サッシ(プレス物)115―120円、一品合金133―138円、機械鋳物くず110―115円、合金削り粉90―95円、アルミ缶(二次合金メーカー向け)93―98円、ベースメタル90%148―153円(いずれも1車単位、持ち込み価格)どころが一応のメドと推測される。

は んだメーカーのソルダーコート(本社=名古屋市緑区鳴海町字長田75―1、成田雄彦社長)は、環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証を・東海技術センターから2日付で取得した。この結果、一昨年に取得している品質保証の国際規格であるISO9002と合わせ2つのISOの認証を取得した。対象は本社、第一、第三の3工場。登録番号はER007。

 今回の認証取得ははんだメーカーとして(1)はんだの組成である鉛による環境汚染を緩和するため、ユーザーから発生するはんだ屑などを回収し、完全なリサイクルを推進(2)鉛を含まない鉛フリーはんだの販売促進の一環として取り組んできたもの。その背景には4年前のOECD理事会において、鉛のリスクリダクションの宣言が採決されたことなどが挙げられる。

 取得に当たっては昨年6月に活動をキックオフし、品質保証部長を中心に環境管理のシステム構築を開始していた。

フ ジメタル工業はこのほど、3月前半積み減摩合金販価を、1種975円など、全品種据え置きと決めた。錫の購入価格が値上がりしているものの、亜鉛や銅は値下がりしているため。