2000.03.15
日 商岩井は14日、子会社の日商岩井非鉄販売(株)と日商岩井メタルプロダクツ(株)を4月1日付で合併すると発表した。新会社は「日商岩井アルコニックス(株)」で、アルミ、銅、電子材料などの非鉄製品全般を取り扱い、2000年度に売上高1200億円を目指す。本社から非鉄製品の商権を全面的に移管するほか、重複する扱い商品を一元化することでコスト削減を図る。大手商社各社は連結経営への傾斜からグループ会社の整理統合を進めており、非鉄の内販会社では三菱商事やニチメンなども子会社を合併させている。

 日商岩井アルコニックスは資本金6億円で、社長に正木英逸・日商岩井理事タイ・インドネシア地区支配人兼タイ会社社長が就任する。本社は東京都中央区日本橋の現日商岩井メタルプロダクツの所在地に置く。従業員数は170人で、初年度の売上高は1200億円を見込む。

 取り扱い品目はアルミ、銅、電子材料、新素材関連の非鉄製品や建設資材などで、国内をメーンに輸出入などの海外業務も行う。また、アルミ板や押出、銅管、チタンなどこれまで本体で扱ってきた商権も移管する。

 これにより、日商岩井本体ではアルミや銅、ニッケル、コバルト、マグネシウム、アルミナなどの地金・鉱石の原料取引に特化する。

 大手商社の非鉄内販会社では今年1月に三菱商事軽金属販売とエム・シー・リサイクリングが合併したほか、昨年7月にはニチメン系の高愛とニチメン鉄鋼販売が合併しニチメン金属販売が設立されている。

 一方、日商岩井本体のカンパニー制への移行に伴い、4月から現在の非鉄金属本部は「金属カンパニー非鉄金属グループ」となり、「軽金属・銅原料・製品部」(山下英夫部長)と「白系金属部」(坂東二郎部長)の2部体制となる。

 非鉄担当の執行役員SVPに五十嵐昭次本部長が就任する。

 日商岩井非鉄金属グループの新体制は次の通り(4月1日付)。

 ▽執行役員金属カンパニーSVP非鉄金属担当=五十嵐昭次
 ▽金属カンパニーVP=山下英夫
 ▽軽金属・銅原料・製品部長=山下英夫(兼務)
 ▽白系金属部長=坂東二郎
 *日商岩井アルコニックス(4月1日付)
 ▽社長=正木英逸
 ▽専務=伊藤謙二
 ▽管理本部取締役本部長=大津迪夫
 ▽製品第1事業部取締役事業部長=小松通郎
 ▽製品第2事業部取締役事業部長=諏訪部一徳
 ▽新素材・電子材料事業部取締役事業部長=福井秀明
 ▽大阪支店長=大熊正美
 ▽名古屋支店長=仁後正明
 ▽広島支店長=猪原良和
日 鉱金属環境リサイクル事業部はこのほど、廃棄物処理と有価金属リサイクルニーズに対応するため、独自の溶融処理技術を「核」に日立工場のリサイクル炉の増強に取り組むと同時に、関係のグループ会社と連携しながら銅、貴金属、携帯電話、OA機器などスクラップの集荷・前処理の増量に取り組む計画を明らかにした。

 同事業部によると、日立工場のリサイクル炉は2000年度下期から酸素富化を実施することにより、処理量を月間1000トン増量する計画。回転式焼却炉についても廃油廃液の処理単価が低下傾向のため、より単価の高い難処理物に置き換える技術開発を今年から進め、収益改善を図る。

 また、2002年12月からダイオキシン規制が施行されるが、同社の場合、すでに現行の暫定規制値を十分にクリア。将来の規制強化に対応するため、今年は回転式焼却炉用の処理設備を建設する予定。

 スクラップ集荷事業については、製錬部門の要請に応じた銅スクラップの安定確保と貴金属スクラップの集荷増を強化する方針。貴金属スクラップは昨年、廃棄携帯電話処理に関する契約をNTTドコモと締結、処理対象物の幅を広げた。携帯のほか、OA機器もターゲットにしている。これらケミカルスクラップ類の集荷増に伴い、苫小牧ケミカル、日鉱敦賀リサイクルで実施している前処理の増量を図る考え。

 一方、日鉱三日市リサイクルでは従来の焼却炉に代えて導入する「ガス化溶融・還元設備」が2000年度上期中に完工する予定。 さらに、ISO14001については現在、苫小牧ケミカル、日鉱敦賀リサイクルにおいて認証取得に向けて作業を進め、両社とも順次、取得を目指す方針。

中 国政府が、廃家電の輸入禁止に乗り出した。4月以降の輸入に対して適用されるが、日本から同国向けに輸出される非鉄スクラップの中に廃家電は相当量含まれており、今後、中国と日本での輸出入現場で混乱が起きることも予想される。

 今回の措置は、中国政府が「環境汚染防止法」「輸入廃棄物管理暫定規定」(ともに略称)に基づき、輸入禁止品目として廃家電を指定したもの。廃家電の輸入が、銅やアルミなど非鉄金属資源のリサイクル目的で行われているにもかかわらず、「中古品」として中国内で転売されるケースが後を絶たないことが背景にあると指摘される。従来からこうした行為は禁止されている。

 すでに輸入ライセンスの発行基準の厳格化や国外の出先機関でのチェック体制の強化など対応策がとられているが、スクラップの中に混入された廃家電の扱いは難しい面もあり、どのような状態の廃家電であっても「全面禁止」とするのか、中国・日本ともに輸出入の現場では、今回の規制について解釈に幅があるのが現時点での実態。

 日本の有力輸出業者では、「すでに4月明けに現地着の契約で船積みを始めているが、環境基準など従来から配慮している以外に大きな支障は出ていない」としている一方、中国での非鉄原料需要が落ちていないことから、廃家電の代替としてどういう品目が輸出にシフトしていくのか関心を呼んでおり、非鉄スクラップ市場に波紋が広がりつつある。

 日本側として通産省などがどのような方針なのか、まだ伝わっておらず、今後、中国側のガイドラインが運用開始とともに明確になるに従って、混乱が起きることも否定出来ない。

日 立電線はこのほど、6kV(キロボルト)3心形ケーブル用終端接続材料のエコ型新製品「EG―Fitシリーズ」を化学工業製品専業のレイケム(川崎市、石岡詢社長)と共同で開発、製品化した。

 終端接続材料はケーブルと端子の接続部分を保護する材料。従来はケーブル遮蔽層に接地線(アース線)を取り付ける際に鉛を含んだはんだを使用していたほか、ケーブル相表示用テープに塩素系材料、ケーブル内の3心の電線をそれぞれ分岐固定するためのスペーサーにハロゲン物質を含むゴムをそれぞれ使っていた。 新製品は従来のはんだ付けによるアース線取り付けをバネ止めによるワンタッチ式に改良し、はんだ付けの手間を省いた。ケーブル相表示用の塩ビテープをポリエチレンテープとし、スペーサー材料もEP(エチレン・プロピレン)ゴムを使用、ハロゲン物質や鉛化合物を全く含まないエコ製品とした。

 また、ケーブル遮蔽層の処理を従来のEPゴムで成型されたストレスコーンに変えて、高誘電材料をケーブルに巻くコンパクトな構造で電界を緩和した後、耐トラッキング性に優れるシリコーンゴムを採用したモールド本体にケーブルを挿入することにより、施工できる。面倒なテープ巻き処理を必要としないため、施工時間は従来より3割短縮する。

 製品の種類はCVケーブル用、環境配慮型ケーブル用、耐火ケーブル用の3タイプ。各タイプとも屋内用、屋外用、耐塩害用をシリーズ化。

住 友電気工業は国内で初めて大阪製作所に厳重保管していたPCB油の化学処理を完了した。

 PCB(ポリ塩化ビフェニール)は耐熱性、絶縁性に優れ、化学的にも安定した性質を有するため、絶縁油としてトランスやコンデンサーなど電気器具に広く使用されてきた。

 ところが、1968年に「カネミ油症事件」が発生したことを機に世界的に人体や環境への影響が懸念されるようになり、わが国では1972年に行政指導による製造中止、回収(保管義務)が行われた。

 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃清法)」では、使用を中止したPCBは特別管理廃棄物として厳重管理が義務付けられ、ほとんど処理されないまま約30年が経過したが、従来から認められていた高温焼却法に加え、1998年により環境への負荷の少ない化学的な処理方法がPCB処理技術として認定され、ようやくPCB処理が進展し始めた。

 同社では、原子燃料工業(株)が厚生省をはじめ3省庁の評価を得た「金属ナトリウム分散油脱塩素法OSD法」を用い、安全性の確認を行った上で、大阪製作所に厳重保管していたPCB油全量(PCB及びPCBで汚染された絶縁油)の処理を行った。

 処理の実施については大阪市の指導と地域住民の了解のうえで廃清法に準拠して処理を無事完了。

 処理後の分析結果は処理基準0・5mg/kgに対してすべて十分に低い値となり、大気環境基準や排ガスの許容濃度も十分クリア、処理済みの油は燃料として有効利用する運びにある。

 PCBの保管は、保有者の負担だけでなく、漏洩や紛失のリスクを伴うことから同社では原子燃料工業とともに、今回の処理実績を生かして、PCBによる環境汚染防止に貢献するため国内のPCB処理を検討している企業や団体に対して支援していく方針。

 なお、OSD法は原子燃料工業がカナダの電力会社オンタリオ・ハイドロ社から導入したPCBの化学的処理法。絶縁中のPCBの塩素と鉱油中に分散したナトリウム粒子を反応させ(150度以下、大気中)、ナトリウムにPCBの塩素を剥ぎ取る方法。PCBから塩素が取り除かれると無害なビフェニールとなり、塩素とナトリウムと反応して塩化ナトリウムとなる。

全 国軽金属商協会(唐木輝明会長=千代田金属社長)は14日、2月末の軽圧品相場アンケート集計結果を発表した。それによると、東京・大阪・中部の各地区とも全品種横ばいとなった。東京・中部の全品種横ばいは4カ月連続。市況は全般的に地金の先高観を受けて若干底堅い動きとなっている。

 足元の状況について石橋銀蔵・市場調査委員長(滑川軽銅副社長)は、「圧延メーカーの生産・出荷は堅調に推移している。半導体装置関連、コンピューター、液晶、自動車熱交関連などは引き続き活発な動きを示している。輸出は円高の影響を受けてやや低調のようだ」とみている。

 また、当面の取り組みについて、「生産、流通ともに需給がタイトなので、流通としてはマージンの確保に努め、経営の安定を図るチャスである」としている。

1 月のニッケル受け払い実績がこのほどまとまった。それによると、国内販売量はフェロニッケルが3692トンと前年同月に比べて5・9%減少したが、ニッケル地金は3055トンと10・9%増加し堅調に推移した。

 【フェロニッケル】  1月の生産は前年同月比13・3%増加。仏エラメット社のフォースマジュール宣言の影響の出る前であったので、生産は6000トン台と高水準を持続したが、2月は減少が予想される。また、1月の販売は国内が減少したものの、輸出は2000トン台を持続しており、販売全体では前年同月より27・7%増加した。

 【ニッケル地金】  1月の生産は需要増加に対応して前月比2・5%増、前年同月比19・2%増と堅調。住友金属鉱山の生産が原料ニッケルマットの入荷増により伸びたため。販売は電子関係の需要増加に対応して3000トン台をキープして好調である。

米 ダウ・コーニング・コープは13日、ブラジルのシリコン・メタル、フェロシリコン合金メーカーであるCBCCの株式買収を完了したと発表した。同社は世界最大のシリコン・メタルの需要家で、CBCC買収はコスト削減や商品開発の効率化が目的。CBCCの生産効率アップに向けての設備投資も実施していく考え。

CBCCの1999年の売上高は5900万米ドル。年産能力はシリコン・メタル4万メトリックトン、フェロシリコン2万トンで、それぞれブラジルでは第2位、第4位の規模。株式買収価格など詳細は明らかにされていない。