2000.03.24
日 本電線工業会は23日、2000年度の電線需要見通しを発表した。それによると、銅電線の受注は99年度実績見込み比1・0%減の88万7000トン、出荷も同比0・8%減の88万7000トンと策定した。電力、通信分野の設備投資抑制が影響するためであり、受注、出荷ともに4年連続のマイナス成長となる。

 同工業会は同予測の前提となる主要経済統計の伸び率を実質GDP1・0%、民間企業設備投資1・4%、公的固定資本形成0・9%、民間住宅投資マイナス1・6%と見込んだ。

 銅電線の受注内訳は内需が83万5000トンで99年度実績見込みに比べて1・2%減、輸出が5万2000トンで2%増を予想。出荷内訳については内需が83万8000トンで1・5%減、輸出が4万9000トンで13・7%増を想定している。

 部門別の見通しを出荷ベースでみると、通信向けはNTTの設備投資額が減少傾向にあるうえ、光ファイバー網の優先などにより23・6%減の2万4000トンを予想。電力向けは電力会社の設備投資抑制を受けて8・5%減の9万4000トン。電気機械向けは家電などの海外シフトの影響があるものの、マイナス幅が縮小して0・6%減の22万5000トン。自動車向けは0・3%減の7万1000トンとなっている。

 半面、建設・電販向けの出荷については0・9%増の35万2000トンを予想しており、民間企業の設備投資が上向いていることに期待。輸出が2ケタ増を見込んでいるのは東南アジア経済の回復や大口案件が増えていることを考慮した。

 一方、光ケーブルの国内需要については99年度が589万9000キロメートルコアとなる見通しだが、2000年度は581万7000キロメートルコアと2年連続のマイナス成長を予想。内訳は一般公衆通信向けが0・3%減の448万7000キロメートルコア、公共関係が14・3%減の60万キロメートルコア、一般民需などで4・9%増の73万キロメートルコアを見込んだ。

3 月の黄銅棒生産は2万4000トン台に達する見込みで前年同月比4―5%増加しそうだ。エアコン向けをはじめ、ガス機器、情報通信、軽自動車関連などの分野で総体的に需要が底上げされているためだが、大手黄銅棒メーカーはリストラを断行した関係で現有の従業員数で「2万4000トン台でフルキャパ」となっている。

 黄銅棒の月別生産は95年6月に3万51トンで過去最高を記録した。ただ、5年前と現在の従業員数を比較すると、「全般的には2割ほど減員している」といわれている。このため昨年秋以降、受注が漸増傾向を示し、年末から年明けにかけて納期が遅延化するほどハッキリとした受注が入っているにもかかわらず、全体としての生産ピッチは思うように上がっていない。

 2000年1月の生産を見ると、2万0750トンで前年同月比7・4%増加し、2月は2万2000トンから3000トン近い数字を予測され、稼働日数が1、2月より若干多く、また、年度末を迎える関係もあって、3月はフル生産に拍車がかかっている。

 5年前のフル操業3万トン台と足元の2万4000トン台を単純に比較すると、従業員の減少によって往時の20%ほど稼働能力が低下していることになる。

日 本電線工業会がまとめた2月の電線受注・出荷速報によると、銅電線の受注は前年同月比2・1%増の7万9700トンで2カ月ぶりの増加。出荷は0・5%減の7万7000トンで6カ月連続減少となった。

 受注の内訳は内需が7万3600トンで前年同月に比べて2・9%減、輸出は6100トンと2・7倍の大幅の伸びを示している。内需の内訳については建設・電販向けを除いてすべてマイナス。通信向けが43・9%減、電力向けが12・9%減、電気機械向けが0・9%減、自動車向けが0・2%減となっている。

 また、出荷の内訳は内需が7万2600トンで前年同月に比べて1・8%減、輸出は4400トンで28・5%増。出荷の内訳は電気機械向けが2・0%増、建設・電販向けが6・6%増。通信や電力、自動車向けはマイナスとなっている。

全 日本電線関連産業労働組合連合会(全電線)によると、電線大手6社の春闘交渉は平均賃上げ5638円(前年実績5883円)、年間一時金は35歳ポイントで平均127万6500円(4・38カ月)で妥結した。

 賃上げは、5000円台で並んだが、一段の経営環境悪化を反映して、5200円台から5800円台と前年に続いて格差が出た。35歳ポイントの賃上げは平均5850円と前年実績を347円下回り、アップ率は2%。

 また、年間一時金は、昨年から夏冬方式に変更され、35歳ポイントで116万4000円―134万1800円、4・2カ月―4・54カ月で妥結。退職金の到達水準は中卒35年勤続60定年退職で平均1592万4234円となった。

非 鉄金属商社、川嶋(本社=静岡県浜松市湖東町3222、川嶋義勝社長)は、4月3日付で埼玉県杉戸町にアルミ二次合金地金の生産を目的とする新会社「有限会社アルメルト」を設立、同5日にメーン設備の25トン反射炉と5トン回転炉の火入れ式をしたあと、試運転を経て、月産500トンペースの本格稼働を開始する。新会社は資本金900万円、従業員5人で、代表取締役に鈴木康之氏 ((株)三光・製造部主任)が就任する。関東地区ユーザーへの即納体制の確立とコストダウンを目指すことになった。

 川嶋は1999年5月、同社グループの大手アルミ二次合金メーカー、三光(本社=静岡県磐田郡竜洋町掛塚竜光寺3413―2、小出廣勝社長)との連名により、元アルテックアミノ・杉戸工場(埼玉県北葛飾郡杉戸町大字本郷字東下758、総敷地面積=1万8100平方メートル)を買収。その後、同地の有効再利用を検討していた。

 当初計画では、三光グループの一つとして、関東地区の原料アルミスクラップの集荷と二次合金地金の販売の拠点として機能してきた「三光埼玉」(鈴木修一社長)が、二次合金地金の生産も行う予定だったが、その後、計画を変更。三光埼玉とタイアップする新会社「アルメルト」を設立することにより、アルミ二次合金地金の現地生産を行うことにした。

 三光グループでは従来、関東地区のユーザーへのアルミ二次合金地金の供給について、三光(静岡県竜洋町、月産能力=3500トン)で生産される製品のうち、月間200―300トンを陸送、また、原料アルミスクラップもその必要分を三光埼玉からの支給材という形で賄われてきた。しかし、今回の「アルメルト」の現地生産のスタートにより、同社では今後、原料と製品の両面でコストダウンが図れるとしている。新工場の設備は、反射炉、回転炉、連続鋳造機、集塵装置など、約2億円を投じて全面的に更新。鋳物用を主力として当面、月産約500トンペースで臨むが、将来は新規ユーザーを開拓し、付加価値の高いユニークなアルミ合金を含め、月産1000トン体制にまで引き上げる考えという。

日 本サッシ協会は、2000年度のアルミ建材需要予測を明らかにした。それによると、2000年度は木造住宅用・ビル用とも市場環境が悪化し、木造用が対前年度比1・9%減の20万9000トン、ビル用同5・8%減の14万5000トンにとどまり、総需要では同2・4%減の53万トンで、2年ぶりのマイナスになると予測した。

 99年度のアルミ建材需要は、54万3000トンで、前年度比0・8%増加する見通し。品目別に見ると、木造住宅用が21万3000トンで、同3・6%増とプラスに転化。新設住宅着工戸数が122万戸と、同3・4%増加する見込みのため、数量の底上げに寄与している。

 ただし、ビル用については、いぜんとして歯止めがかかっていない。99暦年の非木造住宅用床面積は、前年比4・4%ダウンし、99年度見込みでも3・0%減と予想するなど、厳しい状況が当面続きそうだ。

 一方、2000年度は、新設住宅着工戸数が120万戸(同1・6%減)と想定するため、木造住宅用サッシも同1・9%減の20万9000トンへと落ち込む見通し。

 また、ビル用サッシは、民間設備投資が年度後半から回復基調に転じるものの、着工には結び付かず、マンションなど居住用も振るわないことから、同5・8%減の14万5000トンになると予測した。

 なお、ドア、エクステリア、その他部門につていは、前年並みの数量を確保するとしている。

米 タイタニム・メタルズ・コーポレーション(タイメット)は22日、米ボーイング・カンパニーが同社とのチタン製品の長期契約を守らなかったとしてデンバー州裁判所に提訴したと発表した。

 同社は、ボーイング社の契約不履行に伴う損失は6億ドルを超えるとしている。ボーイング社は1997年、1年間の最低購入量を含む10年間の長期契約を同社との間で結んでいる。

O CC(オーシーシー、本社=東京都港区、舟木靖社長)は、世界的におう盛な光海底ケーブル需要に対応するため、北九州事業所(北九州市若松区)に約25億円を投じて光海底ケーブルの生産能力を増強する。新外装ラインは今年10月中旬に稼働、その他設備の改良などは今年中に完了し、2001年初めの稼働を予定している。

 生産能力増強の内訳は、(1)非外装ケーブルの生産工程=生産ラインの設備改良などで、現状の生産能力年間3万キロメートルから20%アップの3万6000キロメートルを目標(2)外装ケーブルの生産工程=ラインの新設などで、現状の生産能力年間9000キロメートルから約50%アップの1万5000キロメートルを目標(3)貯線槽の増強。

 同社は高品質の通信用光海底ケーブルを供給することにより、各国の通信キャリアから高い評価を得ており、フランスのアルカテル社、米国のタイコ社と並ぶ世界的シェアを確保している。今後は市場動向を見極めつつ、今回の体制増強に続き、第2工場の建設も視野に入れながら、世界シェア30%超を目指す方針。

 インターネット普及に伴うデータ通信需要の拡大により、国際間の回線容量は不足しており、光ファイバーを用いた大容量海底ケーブルによるインフラ整備はアジア・太平洋地域で今後も活発に推進される。同社もこれまで年間3万キロメートルの生産体制で対応していたが、今後の敷設計画が相次いでいるため、能力増強に踏み切った。