2000.04.04
古 河電工とスカイアルミニウムの共同販売会社、ユニファスアルミニウム(本社東京都墨田区)は3日、4月からの営業開始に当たり、同社本社で記者会見した。このなかで、野口昌吾社長(古河電工専務)は、自動車材の販売について触れ、「これまで古河は、川崎製鉄と共同で研究開発などを行ってきたが、今後は株主構成から考えても、かなりの部分を新日鉄にシフトせざるを得ない」と語り、今後の成長が期待される自動車向けで、川鉄から新日鉄にシフトしていく考えを示した。さらに、販社立ち上げにともなう今後の商流については、「ドラスチックに変えるというわけにはいかない。問屋とも共存共栄していくことが基本だ。ただし、大手ユーザーによっては、既存の商流をカットするよう求めており、ケースバイケースで判断していく」とし、今後時間をかけて商流の見直しを進める考えを示唆した。

 野口社長は、ユニファスが3月10日に設立し、景気の回復局面で船出を迎えることについて、「タイミング的には恵まれた状況。古河とスカイが一緒になったことで、品ぞろえが広がり、将来的にはプラスに働く。今後は川上から川下まで、生産・販売活動を充実させていく」としている。

 また、古河・スカイ双方の流通・問屋組織「古軽会」「碧和会」を統合し、「ユニファス会」が新たに発足することについては、新規需要の発掘などを、ビジネスライクの組織に衣替えしていく考えだ。発足時のメンバーは、古軽会から29社、碧和会から20社、合計49社の参加が見込まれている。

 販売統合による効果としては、双方で約20%の人員削減、競合する顧客の重複解消などを通じ、効率的な人材配置が可能になる。

 また、生産・製造部門の最適化については、顧客からの品質確保要求などの点から、「半年から1年くらいかかるだろう」としている。

 さらに、当面の価格政策について、これまで古河・スカイ双方で競合していたユーザーに関しては、「各社それぞれにお願いすることになるが、できれば高い方に合わせたい」とし、収益確保に向け意欲を示した。

三 菱伸銅は3日、日米独など特許取得している端子・コネクター用のMAX251およびMSP1の2銅合金の製造・販売権をブラッシュウェルマン社(米国オハイオ州、BM社)に供与することで、3月3日付でライセンス契約に調印した、と発表した。同社は既に独ストルベルガー社と同様のライセンスしており、今回の調印で販売地域はアジア・三菱伸銅、欧州・ストルベルガー社、南北・アメリカ・BM社が受け持つなど、端子・コネクター分野で世界的な供給体制が整った。

 同契約の骨子は(1)2合金のインゴット鋳造から圧延、条、板など端子・コネクター製品の製造(2)製造ノウハウの供与(3)BM社の販売許諾地域は南北アメリカに限定(4)2合金に商標(MAX251、MSP1)使用権利などで、契約期間は2000年3月から2016年まで。

 同社ではライセンスに至る背景について、端子・コネクターメーカーは自動車業界の世界的な事業展開に対応し、コストダウンとリードタイムの短縮化を目的に、材料となる銅合金の現地供給を求めている。現地に供給ソースを持たない合金は、国内ユーザーの認定を受けることに支障を生じる事態が懸念される市場環境にある、という。

 このため、ベリリウム銅合金のトップメーカーBM社がベリ銅以外の高性能銅合金を求めるなど両社の要望が一致、今回のライセンス契約を締結するに至った。

三 菱アルミニウム(福地淳二社長)は3日、今年秋に予定していた株式上場を延期すると発表した。

 同社の株式上場はこれまで、最大の経営目標として取り組んできたものの、コンピューター用磁気ディスク事業不振により、連結業績が悪化。さらに、製造業の株価全般が低迷しているなど、最近の株式市場の動向なども考慮し、上場をいったん延期せざるを得ないと判断した。

 今後については、ディスク事業の状況、外的環境などを踏まえ、改めて上場計画を検討する。これにより、上場は早くて2年後、場合によっては3、4年先になる可能性も出てきた。

 福地社長は、昨年11月に行われた前9月期中間決算発表の席上、同社の株式上場について、「メモリーディスクは予想以上に悪化し、旗色はかなり悪い。上場を強行することが、株主にとって本当に好ましいことかどうか分からず、出直して足元を固めるのも一つの考え方」などと語り、上場延期の可能性を示唆していた。

金 属マグネシウム輸入商社と軽圧メーカーとの間で行われていた中国産純マグネシウムの2000年度第1・四半期(4=6月)価格交渉は前期比キロ当たり5円高で決着した。指標となる国際相場はほぼ横ばいだったが、為替が円安に振れたことでやや上昇した。

 ロンドン相場の中国産価格は現在、トン当たり1600ドル前後の値をつけており前回交渉時点と同レベル。しかし、為替が1ドル108円前後と5円ほど円安に振れて輸入採算値が値上がりしたことから上昇。この結果、純マグネの市中相場はキロ当たり205―255円どころとなっている。

 目先の価格動向については、欧州が中国産マグネに対するダンピング規制を再び強化する動きがあるのが不安材料。結果は4月末にも下されるとの情報もあり、判定「クロ」になるというのが大方の見方。そうなれば、行き場をなくした中国産マグネの対日輸出が一層加速する恐れがあり、値崩れすることも考えられる。

日 鉱金属は3日、4月積みの銅建値をトン1万円引き下げて22万円に改定すると発表した。今回の引き下げ措置により、月間平均建値は5400円値下がりした。なお、建値22万円は前月中旬以来の安値。

 国内建値の指標となる海外銅相場は、閑散もようの中、さえない展開が続き前週末、LMEがセツルメント1728・5ドルと低迷。NYCも同80セントの大台は維持したものの伸び悩んでいる。

 また、為替動向は前週末から円高に振れ、今週明けTTSは1ドル105円まで切り上がった。輸入採算値(諸掛かり費用含む)は、前週末TTS1ドル107・15円での計算値も22万円ギワまで後退、今回の建値弱含みスタートにつながった。

三 菱マテリアルは3日、4月積み鉛建値を前月末に比べてトン当たり3000円下げて同8万2000円にすると発表した。94年5月以来約6年ぶりの安値。

 1日入電のLME鉛セツルメントは435ドルで円換算4万5971円、関税2700円を加えると4万8671円、諸掛かりを3万3329円と算出した。

三井金属は3日、4月積み亜鉛建値を前月末に比べてトン当たり4000円下げて15万5000円にすると発表した。3月の平均建値16万200円に比べて5200円下回る。

 1日入電のLME亜鉛セツルメントは1098ドルで円換算11万6037円、関税4300円を加えると12万337円、諸掛かりを3万4663円とみている。

 これに伴い、ダイカスト用亜鉛合金販価も4000円下げ、ZAC119万3000円、同220万3000円、ZAS21万3000円とした。

フ ジメタル工業はこのほど、4月前半積みの減摩合金販売価格を改定した。それによると、錫や銅などの原料価格の値下がりを受けて1種から6種までが下落。下げ幅はキロ当たり5―15円となっている。

 取引指標となるLME錫相場の3月後半平均値は5370ドルで前半に比べて約180ドル安。このため、国内の減摩合金販価も値下がりしており、1種はキロ当たり10円安の950円、2種Bは15円安の915円などとなっている。

4 月第1週の海外貴金属相場は、金が手掛かり材料難から280ドル前後でモミ合いを続けそうだ。目先の下値抵抗線は275ドルとの見方が中心。銀も材料不足から金相場をにらんだ展開となりそうで、500セントを大きく割り込めば、実需筋の買いが予想されるため、500セント前後の下値が堅そうだ。

 前週は、NYC金がフランスの金売却見通しなどに圧迫されて270ドル台後半に軟化、つれてNYC銀は500セント際に下押した。NYMX白金は投資筋の買い戻しで490ドル台を回復した。

 フランスのル・モンド紙は前週26日付で、金融委員会委員長は年金制度での将来の歳入不足を補うため、フランス国立銀行に金準備売却を提案することを検討していると報道。同行は28日に同案を否定、「金市場で根拠のないうわさが広まっているが、フランス国立銀行は金売却を当然のことながら、問題外であると確認する」との見解を示した。ただ、金市場は英国金売却結果などを受けて弱気に傾いていたため、275ドル近辺の下値を試す動きが強まった。

 フランスは昨年9月のワシントン合意(欧州中央銀行15行の共同声明)に署名、スイス、英国、オランダの売却で売却枠は残されていない。35トンの空きがあるものの、フランスの年金不足は1兆フラン(約1475億円)で、売却はほとんど無意味とみられている。

 しかし、同国の金売却のうわさは市場のセンチメントを悪化させたほか、中央銀行の金準備売却に対する警戒感を強めるものとなり、今後、スイスの金準備売却の動向が注目される。スイスでは金売却の反対派に100日の猶予期間が与えられ、今月20日までとなる。これが過ぎれば、何らかの発表も予想される。

 市場は織り込み済みと見ているが、実際に発表された場合、相場が下落する可能性もあり、最近の投資筋の売りはスイスの発表を見込んでの動きと見る向きもある。

 また、銀は材料難から500セントを一時割り込んだが、同水準であれば、実需筋による買いが見込まれ、下値は堅いとの見方が多い。

三 菱アルミニウムの子会社、裾野ライトメタル(静岡県裾野市平松85)はこのほど、社名を新菱アルミリサイクルに変更、新社長には三井啓五氏(エムエーディスク前社長)が就任した。UBCから圧延用鋳塊までの一貫工場の建設を計画するのに伴い、体制強化をはかったもの。坂井幸雄前社長は取締役技師長に就任した。