2000.04.27
大 阪商品取引所は26日、東京・日本橋蛎殻町のロイヤルパークホテルで第2回メタル市場創設懇談会(委員長=竹内正明・アルミネ社長)を開催、焦点の上場非鉄地金の選定について銅、鉛、亜鉛、ニッケルの4品種中、市場規模および価格変動性という観点から銅とニッケルの2品種に関する議論が集中した。

 ただ、同懇談会では学識経験者、当業者、商社、商品取引委員など多様な業界を代表する議論が続出したため、上場品種を絞り込むまでには至らず、同選定に関しては「竹内委員長預かり」を確認した。同委員長は5月23日に開催予定の第3回目の同懇談会で「今回の議論を踏まえ、委員長提案書を提示する」と明らかにした。

 懇談会終了後、会見に応じた竹内委員長の発言要旨は次の通り。

 非鉄金属地金の銅、鉛、亜鉛、ニッケルの4品種のうち、どれを乗せる(上場)かについて各委員から議論が百出した。これらの中で、やはりボリューム的に多いというか、市場規模の大きさから見て銅が指摘された。また、価格変動性という観点からはニッケルの上場に議論が集中した。

 パラジウムとニッケルの比較では、パラジウムはロシアと南アフリカの2カ国で85%の生産シェアだが、ニッケルは生産国が多岐にわたり、また、わが国も多くの国から輸入しているし、需要家事態がバラけている。もっともこれらは貴金属とベースメタルという違いがあって、片や百数十トンの市場規模に対しニッケルは100万トンにも上っている。

 また、取引手法ではザラ場あるいは板寄せ方式などの意見が続出したが、集約できるまでには至らなかった。

 上場時期もテーマになったが、できれば年内を目指したいが、今回のような議論百出では無理のようで、時間がかかると判断した。

 日本鉱業協会など当業者団体が非鉄地金の上場に反対していることは承知しているが、委員の中から慎重に意見を聞くようにとの指摘があった。

大 蔵省は26日、3月の非鉄金属輸入通関実績を発表した。それによると、亜鉛地金が前年同月から急増、銅くず関連でも堅調だった。

 精製亜鉛99・99%(キロ242円以下)は、前年同月の776トンから2433トンへと約3倍増。4月の特恵銅入荷を控えて例年、抑制される傾向が見られるが、市場での品薄感から今年は高水準となったもよう。

 他に銅くず、銅合金くず、ニッケルが国内需給の引き締まりで輸入も堅調となった。

 価格面では、ニッケルが海外相場の急騰を受けて、前年同月比で40%の大幅高となった。

亜 鉛鉄板を生産している高炉メーカーは、製錬メーカーに対して亜鉛地金の値下げ要求を行っている。現在の販売価格は、LME価格にプレミアムを加算する形となっているが、このプレミアムを下げろというもの。これは日産など自動車メーカーの亜鉛鉄板値下げ要求に連動している。製錬メーカーは抵抗しているが、商社は若干値下げされるとみている。

 この値下げ要求に伴って、製錬メーカーが商社を通して販売していた地金を、直接販売することにし、商社口銭をなくして値下げ要求に応じるのもあるのではないかとされている。

 このため、製錬メーカーが、眠り口銭(商社を通すメリットがない)になっていると判断する商社は、取り扱いを外されていく可能性がある。

 ただし、商社と製錬メーカーの関係は、お互いにメリットのあるものが多いので、商社外しは一部にとどまると予想される。

大 蔵省が26日発表した3月のアルミ輸入通関実績によると、地金類は28万4562トンで前年同月比45・5%の大幅増となり、11カ月連続のプラスとなった。豪州、ブラジル、ロシアなどの輸入が堅調に推移した。スクラップは1万2949トンで同0・9%増と3カ月ぶりのプラス。軽圧品(箔を含む)は4687トンで同2・1%減と5カ月ぶりにマイナスに転じた。

 地金類の内訳をみると、アルミ地金が20万3848トンで同49・9%増、合金地金が8万714トンで同35・4%増。スクラップは、アルミスクラップが680トンで同30・5%増、合金スクラップが1万2269トンで同0・3%減となった。

 また、軽圧品の内訳は、板類が3323トンで同6・3%減、押出類が750トンで同7・6%減、箔類が614トンで同43・8%増。

 なお、3月の地金・スクラップのトン当たりの輸入平均単価は、アルミ地金が18万1000円(前月17万6000円)、合金地金が17万円(同16万1000円)、アルミスクラップが14万円(同14万5000円)、合金スクラップが14万円(同13万6000円)となった。

古 河電工は26日、2000年度上期の伸銅品生産計画を月平均8900トンで前年同期比8%増加する、と発表した。半導体用リードフレームや端子・コネクターなど電子材向け銅合金条が前年同期を2ケタも上回る伸び率。これについて小泉伸太郎常務金属カンパニー長は「現在、約1カ月の受注残を抱えている上、足元のおう盛な受注動向などから判断して、少なくとも年内はフル操業」と見通した。また、エアコン向け銅管の場合、ゴールデンウイークの長期休暇をシーズンオフの8月にシフト、メーカーの春先から夏場にかけての短期集中生産に対応する体制を敷くなど「ユーザーニーズを優先した」という。 これらを踏まえ、同カンパニー長は「ラジエーター材が黄銅条からアルミへと材質転換が進んだため伸銅品全体として減産を余儀なくされた95、96年度以来、4、5年ぶりの高水準に戻りつつある」と強調した。なお、輸出比率は10%程度でほぼ前年同期並み。

 ここ2年の半期別・品種別生産実績および2000年度上期計画について、同カンパニー長が記者会見で明らかにしたコメントは次の通り。

 【板・条】

 IT(情報通信)、モバイル、アミューズメントなどに使用される半導体向けリードフレーム銅条や端子・コネクター向けリン青銅・黄銅条は前年度から製造キャパを超えたおう盛な需要が続き、受注残は1カ月くらいで、前期同様にフル操業を計画した。一部にY2K問題から在庫積み増し受注も見受けられる。半導体、端子・コネクター材など電子材は一連のユーザーの技術革新に合わせ、今後、日光のメタル総合総合研究所を中心に新製品の開発に注力していく。

 なお、板・条の内訳は銅条3700トン、リン青銅600トン、ラジエータ向け黄銅条300トン。

 【管】

 2000冷凍年度(99年10月―2000年9月)のエアコン実販は当初予測した650万台を上回り、680万台あるいは700万台の大台に接近するのではないか。

 2000冷年上期の数値を見ると、概数で実販200万台で前年同期比5%増、生産280万台で同3%減、在庫270万台で同7%減少した。つまり、生産が減り内需が増加した結果、在庫の減少につながった。

 また、今夏は暑いという長期予報もあって、これから本格的な需要期を期待したい。

 エアコン向けシームレスの高性能溝付き銅管については大阪のメタル総合研究所がユーザーニーズに合わせて取り組んでいる。

 【棒・線】

 国内の設備投資関連需要にはまだ動きが見られず、トランス用銅条やブスバーなどの需要は低迷したままの状態。

 【特殊品】

 銀、ニッケルなどの貴金属複合材は電子部品に使用され、各種電子機器の低迷の影響を受けていたが、リードフレーム用銅条などおう盛な需要と自動車の電装化とともに堅調に推移。フィンチューブ(銅管加工品)は設備投資関連の低迷で低調。サーモインチューブ(建築用被覆銅管)は建築業界の低迷の影響を受けている。

4 ―6月の地金価格(NSP)がキロ20円上昇したことを受け、軽圧品の市中相場も地金アップ分については、ほぼ浸透しつつある。このため、製品販価は比較的底堅く推移するものの、ロールマージンについては、上昇に転じるほどの勢いが見られない。ただし、7―9月に向け、ロールマージンアップを図る展開も見込まれ、今後は「(販売)量の増加」に加え「質(採算性)の改善」がポイントになりそうだ。

 最近の軽圧品の荷動きは、輸出が低調な状態にあるものの、内需はおおむねしっかりした展開。缶材は大幅な伸びが期待しにくいが、OA関連や印刷版、半導体関係を中心に、堅調な状態を保っている。

 さらに、4―6月期の地金上昇で、軽圧メーカー側が「ルール通り、地金分は製品価格に転嫁する」との対応により、市中相場もおおむねしっかりした状態が続く。

 これら内需については、数量的な回復傾向が見られるが、ユーザーサイドの抵抗で、まだロールマージンの上昇までには至っていない。ただ、7―9月の地金価格は、キロ10円程度下げる可能性が高まっており、製品価格を現状維持にとどめることで、実質的なマージンアップ、収益改善を図っていくことなども予想されそうだ。

昭 和アルミニウムは26日、シェルターなどの景観事業を子会社の昭和ポール(大阪府堺市)に移管すると発表した。同事業を子会社に集約することで営業効率の向上などを図る。移管時期は7月1日の予定。

 昭和アルミの景観事業の売上高は年間15億円。シェルターや高欄、防護柵などを販売しており、従業員は20人。営業拠点は東京、大阪の2カ所。一方の昭和ポールは照明ポールや旗ポール、アンプリフォームなどを製造・販売しており、売上高は年間25億円。従業員は115人。営業拠点は東京、大阪、名古屋など全国7カ所。

 今回の景観事業の統合により昭和アルミのスタッフは昭和ポールに移る。今後は営業効率を向上させるとともに、ユーザーに提供する設計情報の拡大、受注増などを狙う。

古 河電工とスカイアルミニウムの共同販売会社、ユニファスアルミニウム(本社=東京都墨田区、野口昌吾社長)は25日、同社の流通(問屋)組織「ユニファス会」の発足式を開催した。ユニファス会の会員は、旧古軽会から29社、旧碧和会から20社で、合計49社。

 なお、同日の総会で、ユニファス会会長には山崎育四郎・山崎金属産業社長、副会長に大澤勉・豊栄商事社長、会計に天野晃太郎・天野アルミニウム社長の選任をそれぞれ決めた。これにより、会長・会計は旧古軽会(古河電工)から、副会長には旧碧和会(スカイアルミニウム)からの就任となった。

ジ ャパンエナジーは26日、情報システム関連会社のセントラル・コンピュータ・サービス(本社=江東区亀戸、金成好章社長)で5月1日からインターネットを使用した情報発信サービス事業「Wasabi」(わさび)を開始すると発表した。

 当初は、石油業界から加盟店を開発し、他業種にも展開、本年度500店舗、3年間で3000店舗(会員数100万人)の加盟店獲得を目標としている。

 これは会員の電子メールアドレスを顧客情報として管理または管理する予定の、企業および店舗向けのサービス。

 具体的には、インターネットを活用することで、従来、各企業、店舗が行ってきたDMや折り込みチラシなどによる店舗PRや商品サービスを簡易かつ低コストで行えるサービス。