2000.05.01
非 鉄製錬大手9社の今年度上期地金生産計画は、銅73万3161トンと前年同期に比べ7・2%増、鉛12万8144トンと4・2%増、亜鉛32万9507トンと2・9%増となり、主要3地金の生産は軒並み前年同期を上回る。銅と亜鉛は設備能力増が寄与して増産、銅の伸びが目立つ。

 【銅】  日鉱金属、三菱マテリアル、住友金属鉱山、同和鉱業、古河機械金属の5社が増産。日鉄鉱業は横ばいの計画。同5社は銅生産に注力しており、銅の生産は長期的にも増える傾向にある。

 銅製錬をコアビジネスと位置付けている製錬メーカーが多いので、国内需要を上回る生産規模へと拡大を続けている。これに伴って輸出が増大する方向にある。

 【鉛】  鉛製錬5社のうち、三菱マテリアルと東邦亜鉛の2社が増産し、他の3社は減産となる。全体で増産量は5000トンにとどまり、基本的には横ばいの感じだ。産業界での鉛フリー化の動きが急速に進展、バッテリー向けを除くと、需要減退が避けられず、生産は頭打ちの傾向にある。

 【亜鉛】  亜鉛製錬7社のうち住友金属鉱山を除く6社がいずれも増産となる。共同製錬会社の秋田製錬、八戸製錬が増設を完了しているので、これに伴って生産が増える。亜鉛生産に力を入れている三井金属は2・2%増、同和鉱業は6・0%増、東邦亜鉛は6・5%増の計画とした。

日 本軽金属は28日、執行役員制を導入し、経営(取締役会)と執行(社長統括の執行役員体制)を分離する一方、取締役の人数を約3分の1に大幅削減すると発表した。導入予定日は6月29日。執行役員の定員は25人以内(取締役兼務を含む)で、任期2年。取締役会が選任する。

 一方、取締役会改革として、意思決定のスピードを上げるため、取締役の人数を、現行定款35人以内から15人以内に削減し、現任数31人(社内25人・社外6人)を10人(社内7人・社外3人)にまで減らす。

 なお、10人の取締役は以下の通り。

 ▽代表取締役会長=増田祐孝氏
 ▽代表取締役社長=松井一雄氏
 ▽取締役=佐藤薫郷・副社長執行役員
 ▽取締役=垣谷公仁・専務執行役員
 ▽取締役=開沼章夫・専務執行役員
 ▽取締役=林昭彦・専務執行役員
 ▽取締役=平塚喜郷・専務執行役員
 ▽取締役=小林久夫・社外取締役(非常勤)
 ▽取締役=奥村有敬・社外取締役(非常勤)
 ▽取締役=グレン・R・ルーカス・社外取締役(非常勤)

古 河電工のタイ関連会社で銅管一貫メーカーのフルカワ・メタル・タイランド(FMT)社の銅管生産は、今年に入ってから月1500トンと昨年平均より約200トン増加、現有の人員体制などから見てフル操業の状態を続けている。ただ、FMT社の溶解鋳造能力は月3000トンで、十分に余力を残している。今後、同国を中心に東南アジア需要が増えれば、下工程の増産体制を強化する必要が生じそうだ。

 古河電工によると、FMT社はタイに生産拠点をシフトした日系エアコンメーカーを主体にマレーシアなどの近隣諸国にも内面溝付き銅管を供給。東南アジア以外の例えば、中国向けは古河電工の大阪事業所から供給する体制を敷いている。

 これらタイ、マレーシア、など東南アジアのエアコン需要は通貨不安に端を発した経済危機の低迷期を脱して完全に回復。FMT社の銅管生産もフル操業となっている。

同 和鉱業と戸田工業は27日、両社の弁柄(顔料用酸化鉄)事業を統合すると発表した。同和鉱業は子会社で手掛ける弁柄生産を停止するとともに営業権を戸田工業に譲渡、事実上、同事業から撤退する。一方、戸田工業側では同和鉱業側の従業員と資本参加を受け入れる。塗料などに用いられる弁柄は成熟産業で今後の成長が見込めないため、両社は事業統合を判断した。5月1日から新体制での業務に切り替わる。

 同和鉱業の弁柄事業の売上高は年間6億円。製造は子会社の日本弁柄工業(岡山県和気郡佐伯町)が担当、販売は本体で手掛けている。一方、戸田工業の弁柄事業は年間24億円の売り上げ規模。製造は子会社の戸田ピグメント(岡山県御津郡建部町)、販売は本体が行っている。

 事業統合に伴い、日本弁柄工業では本社工場での弁柄生産を停止するとともに、戸田ピグメントに33・5%資本参加する。戸田ピグメントでは日本弁柄工業の従業員十数人を受け入れるほか、2人の役員も専任する。販売業務については戸田工業に一本化される。

 この結果、日本弁柄工業はフェライト粉事業に経営資源を集中する。

 弁柄の国内市場規模は年間3万3240トンで、戸田工業はこのうちの約3分の1のシェアを持つ最大手メーカー。弁柄需要の半分は防錆用塗料で占められており、残りは道路用塗料やインクの着色用顔料など。

米 国際貿易委員会(ITC)は前週、日本およびギリシャから輸入されている二酸化電気マンガンに賦課している反ダンピング課税を撤廃しても国内産業に被害は及ばないとの結論をまとめた。6人の委員のうち委員長のみが撤廃に反対したが、結果的には5対1のシロとなった。

 これは貿易自由化促進を目的にウルグアイ・ラウンドでまとめられたサンセット・レビューの主旨に沿って見直しを実施したもの。同レビューは、各国政府にAD関税の5年後の原則撤廃を求めている。

国 際アルミ新地金協会(IPAI)はこのほど、世界の3月のアルミ新地金生産は179万5000トンで前月比6・8%増加、前年同月比3・3%増加したと発表した。同月の1日当たりの生産は5万7900トン、前月は5万8000トン、前年同月は5万6000トンだった。

 1―3月の同生産累計は527万2000トンで前年同期比4・9%増となった。

日 本プリント回路工業会が主催する「JPCAショー2000」が6月7日から3日間、東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)で開催される。国内外から約470社が一堂に集結し、電子回路や基板材料、製造装置など各分野ごとに最新技術を紹介する。

 非鉄金属関連業界からの出展は三菱マテリアル、三井金属、ジャパンエナジー日立電線、住友電工、千住金属工業、福田金属箔粉工業など。また、出展企業の新技術や新製品について無料で聴講できるセミナーが開催されるほか、「システムLSIソリューションフェア」や「エコ・テクノロジー2000」と題する催しも予定。

 開催時間は午前10時から午後5時(最終日は午後4時)。入場は無料。問い合わせ先は同工業会(03―5310―2020)。