2000.05.02
東 邦亜鉛は28日、2002年度までの3カ年経営計画「第5次中期計画」を発表した。単独決算の最終年度は売上高540億円、経常利益32億円、最終利益15億円、配当5円を見込んでいる。このため(1)製錬部門は不補充で105人削減 (現在575人)(2)電子部品は、新製品の発売と、中国生産拠点のコスト削減、電解鉄の拡大(3)バッテリーリサイクル処理量の増大――を推進する。

 【亜鉛・鉛製錬部門】  操業の創意工夫と効率化を図り、亜鉛、鉛、銀を中心に少額の投資で増産するとともに徹底した合理化によりコストを引き下げる。定年者不補充により、105人削減(18%減)。

 【電子部品】  待機電力節電用コイル 「リゾヌバ」の拡販に加え、新製品ノートパソコン向け超小形ノイズフィルター「HK―RM型」の本格発売を開始する。生産基地(中国の大連と諸城)のコスト削減により収益改善を図る。電解鉄(電子材料)の事業拡大を図る。

 【機器部品事業】  中国の諸城市の粉末冶金工場の増強、合理化を図る。防音建材部門は、鉛に代わる素材を使用した製品を新たに発売する。

 【2000年度業績】  経常増益は、相場で3億円のマイナスとなるが、買鉱条件の改善3億5000万円、鉛と銀の増産1億8000万円、電子部品増益2億円、退職給付金減1億7000万円の利益増で6億円の経常利益増。

 【2001年度業績】  経常利益増は、電子部品と電解鉄増強2億4000万円、リサイクル事業拡大(全電池処理)拡大1億円、銀、ビスマス増産1億2000万円、粉末冶金増強9000万円、社債発行費、受取配当などの改善2億7000万円、その他8000万円で合計9億円。

 【2002年度業績】  経常利益増は、亜鉛・鉛増強と合理化3億円、電子部品増益1億円、機器部品事業など増益1億円で合計5億円。

東 邦亜鉛は28日、99年度の連結決算と単独決見通しで最終損益がそれぞれ17億円の損失になる。これに伴い期末配当を2円(前回見通し5円)にすると発表した。

 連結は売上高582億円(前回見通し570億円)、経常利益15億円(同20億円)。単独は、売上高513億円(同500億円)、経常利益12億円(同12億円)。

 最終利益が損失となるのは、@適格退職年金制度における過去勤務債務費用について、従来、拠出時に処理してきたが、99年度末において確定時に債務認識し一括費用処理する方法に変更したことにより、特別損失に「年金過去勤務債務損失」として、26億6100万円を計上A投資有価証券の売却損および評価損9億7300万円を計上B特別利益では、税効果会計の適用に伴う「法人税など調整額」の計上予定が11億8800万円出て、差し引き17億円の損失となる。

3 月の伸銅品生産キャパは10万7560トンで前年同月比0・5%減少したが、稼働率は96%で同9・6ポイントも急上昇した。これらのうち、キャパ微減は前年来からのリストラなど人員削減などの要因よる調整で、稼働率のアップはキャパオーバーとなった銅条に代表されるようにおう盛な電子材需要に引っ張られた。

 日本伸銅協会調査統計委員会が調べた3月末時点での伸銅品生産能力は品種別では銅条2万3070トンで、99年11月の2万2126トンを上回り過去最高を更新。銅条は実稼働能力7・9%も上げながらも稼働率が104・4%となって、稼働率が能力アップを追い抜いた。

 また、リン青銅板・条も3月生産5642トンで、97年6月の5544トンを抜いて銅条同様に記録を塗り替えた。ただ、実稼働能力を前年同月より13%も上げたことから稼働率は95・5%で、あと300トン弱の余力を残している。

 これら銅条、リン青銅板・条は電子材ユーザーから求められる薄肉化に年々、対応していることから、「圧延工程回数は3年前と比較して20%から30%程度余計にかかっている」(大手板・条メーカー)という。このためパス回数と比較すれば、20―30%ほど割り増し数値をかければ3年前とほぼ同一の条件下での生産数量に相当する。

 一方、実稼働能力が減少したのは黄銅条9・8%、黄銅棒4・1%など。黄銅条の場合、ラジエーター材がアルミに転換されたことに伴うもので、黄銅棒は人員削減で2万5000トン台まで後退した。

 これら黄銅2品種の稼働率は条89・8%に対し、棒98・2%の高率を示した。

不 二サッシは前週28日、生産の集約化などを柱にした経営改善策を発表した。それによると、本社工場(神奈川県川崎市)の生産は、今年9月をメドに、主力の千葉工場などへ全面移管。大阪工場(高槻市)については、大口顧客向け住宅用建材とオーダー主体のビル建材に絞り、その他製品を九州不二サッシなどへ移管する。

 本社工場はこれまで、電解ラインの休止など生産縮小し、加工・組み立てといった一部の生産を続けてきたが、今回の決定で、完全に撤退する。土地・建物の活用については、売却するか賃貸にするか、改めて検討していく。人員削減は特に行わず、千葉への転勤・配転などで対応する。

 一方、大阪工場は、生産縮小で大手流通企業へ半分以上の敷地を賃貸し、賃貸収入を確保する。

 同社ではこれら生産集約、不採算営業拠点の統廃合・分社化などを通じ、収益改善を図り、今下期の黒字化を目指す。

 なお、同社では、事業用土地の再評価についても実施し、再評価後の帳簿価額444億5300万円となった。

不 二サッシは前週28日、2000年3月期業績予想の修正を発表した。それによると、売上高は1188億円(前回予想1250億円)、経常損失50億7000万円(同22億円)、当期損失103億円(同40億4000万円)とそれぞれ下方修正。形材生産部門集約や不採算営業拠点統廃合など、リストラを進めたものの、ビル建材事業における需要落ち込み、販価下落が大きく影響した。この結果、前期は製品廃却損等特別損失51億6000万円を計上する。

 なお、連結ベースでは、売上高1544億円(同1620億円)、経常損失50億円(同17億円)、当期損失99億3000万円(同40億4000万円)と、単独同様下方修正した。

東 京特殊電線は前週28日、2000年3月期業績予想で有価証券売却益の増加により、経常利益、純利益ともに上方修正した。

 前期の売上高は従来予想比5億8000万円上回る435億8000万円の見通し。また、経常利益は同2億3000万円増の12億3000万円(前の期は9億6700万円の赤字)、純利益は同1億円増の2億8000万円(前の期は20億9300万円の赤字)の見込み。