|
2000.08.01
1. 浪速軽金属、朝日金属が民事再生手続き申請
2. 三菱マテリアル資源開発 前期は過去最高の収益
3. UBCスラブ一貫工場建設 三菱マテと三菱アルミ
4. 欧米水道用銅管普及率は60―85%、調査団が報告
5. 6月のアルミ建材生産・出荷とも増加
6. 神鋼 7―9月の銅管生産を月4200トンへ増強
2. 三菱マテリアル資源開発 前期は過去最高の収益
3. UBCスラブ一貫工場建設 三菱マテと三菱アルミ
4. 欧米水道用銅管普及率は60―85%、調査団が報告
5. 6月のアルミ建材生産・出荷とも増加
6. 神鋼 7―9月の銅管生産を月4200トンへ増強
大
阪のアルミ合金、流通・加工2社が前月下旬、大阪地裁に民事再生手続きを申請、同地裁は7月31日までに財産保全処分命令を決定した。負債額は浪速軽金属工業所(大阪市中央区)が62億円、朝日金属(大阪市天王寺区)は40億―50億円(関係者推定)で、2社合計で110億円前後とみられる。非鉄金属業界で民事再生手続きを適用したのはこれら大阪のアルミ2社が初めてのケースであり、合計200社以上に上る債権者をはじめとした非鉄関係者は民事再生法の手続きなどを注視している。
三
菱マテリアル資源開発(略称mrc)の佐藤憲隆社長は前週末、(1)環境ビジネスへの注力と資源・土木地質・試錐部門ともに大型案件の実施で収益は好転した。前期業績(99年4月―2000年3月)は売上高63億円、経常利益2億5300万円、当期利益7000万円と創業以来、過去最高の収益となり、10%(6%)の増配を実施した(2)今後の方針は情報技術の確立と人材の活用、情報の共有化によって活性化を図り、「勝ち組カンパニー」に向けて躍進したい。営業では、環境部門の強化とEビジネスを新規に展開する。今期の業績予想も増収増益を見込み、さらに15%の配当を検討している(3)港区高輪の本社事務所を効率化のため中央区日本橋浜町に移転し、8月16日から新事務所で業務を開始する―ことを明らかにした。
同社は三菱マテリアル全額出資の子会社で64年(昭和39年)12月に大手開発として設立以来、36年になるが、経常利益2億5300万円(98年度3600万円)は初めて。これはすべての調査、工事関係の進捗状況が順調で、手直し工事等の原価増の要因が発生しなかったため増益に寄与した。
前期の部門別売上高は資源・環境部門16億4200万円、土木地質部門17億9900万円、試錐部門13億9100万円、土木工事部門11億9000万円、開発部門その他2億4800万円の合計62億7300万円(同56億4300万円)となる。このうち、資源部門は海外鉱物資源調査、地熱調査が順調、核燃料サイクル開発機構関連の大型案件の実施。環境分野は、期後半より土壌汚染調査・対策分野が伸びたこと。試錐部門は大沼発電所の地熱井掘削、原子力関連の試験井掘削、地震計設置井掘削等の大型案件の施工。土木地質部門は但馬営業所の大型案件と秋田営業所の調査分野から設計分野への転換。土木工事部門は但馬営業所と村岡事業所での地滑り工事。開発部門は親会社の委託費に加えて、金属鉱業事業団の海外地質構造調査等の実施がそれぞれ順調に推移したことが大きい。
同社は三菱マテリアル全額出資の子会社で64年(昭和39年)12月に大手開発として設立以来、36年になるが、経常利益2億5300万円(98年度3600万円)は初めて。これはすべての調査、工事関係の進捗状況が順調で、手直し工事等の原価増の要因が発生しなかったため増益に寄与した。
前期の部門別売上高は資源・環境部門16億4200万円、土木地質部門17億9900万円、試錐部門13億9100万円、土木工事部門11億9000万円、開発部門その他2億4800万円の合計62億7300万円(同56億4300万円)となる。このうち、資源部門は海外鉱物資源調査、地熱調査が順調、核燃料サイクル開発機構関連の大型案件の実施。環境分野は、期後半より土壌汚染調査・対策分野が伸びたこと。試錐部門は大沼発電所の地熱井掘削、原子力関連の試験井掘削、地震計設置井掘削等の大型案件の施工。土木地質部門は但馬営業所の大型案件と秋田営業所の調査分野から設計分野への転換。土木工事部門は但馬営業所と村岡事業所での地滑り工事。開発部門は親会社の委託費に加えて、金属鉱業事業団の海外地質構造調査等の実施がそれぞれ順調に推移したことが大きい。
三
菱マテリアルは31日、三菱アルミニウムと共同で使用済みアルミ缶(UBC)を溶解し、スラブ鋳造まで一貫生産する専用工場を同社の富士小山工場(静岡県小山町)内に建設すると発表した。投資額は約15億円で、年産能力は約6万トン。2001年4月から操業を開始する。UBCの回収から缶材用スラブの生産まで同一工場で行うのは日本で初めて。これにより、UBCの回収、再溶解、圧延の各工程が統合されるため、物流や溶解など一連のリサイクルコストが大幅に削減されることになる。
新工場の建設と運営は、三菱アルミと三菱マテの合弁会社である新菱アルミリサイクル(旧裾野ライトメタル、静岡県裾野市、資本金3億円、三井啓五社長)が行う。
三菱マテリアルのアルミ缶リサイクル事業は従来、UBCの回収(新菱アルミ缶回収センター)→再溶解(大手金属)→圧延(三菱アルミ)→製缶(三菱マテリアル)と各工程ごとにグループ企業が分担してきた。
しかし、各工場が物理的に離れているうえ、大手金属で溶解した再生地金を再び三菱アルミで缶材用のスラブに再溶解し直すなど物流やエネルギーにかかるコストが増大していた。また、大手アルミ二次合金メーカーの市場参入でUBC市況が高騰するなど競争が一段と激化。
こうしたことから、製造工程の大幅な見直しによる競争力強化が最重要課題となっていた。三菱マテは年間約40億缶のアルミ缶を生産し、ピーク時には使用するアルミ原料の約85%をUBCからの再生地金で賄っている。飲料用アルミ缶の製造原価の約5割を占める原料費のコストダウンが事業の再構築に向けた最大の課題となっていた。
【解説】富士の裾野にアルミ缶リサイクルの一大拠点が誕生する。業界最大手の三菱マテリアルがかねてから念願だったUBCからスラブまでの一貫生産体制をグループ挙げて構築する。
同社は業界でもっとも古い75年からアルミ缶のリサイクル事業を開始し、96年には98年度を目標とする「100%リサイクル」を宣言。
しかし、ここ2、3年はアルミ缶リサイクル法の施行でアルミ缶リサイクルが注目されたため、UBCから缶材を生産する「CAN TO CAN」事業に大手アルミ二次合金メーカー各社が相次いで参入。UBC市況の高騰を招き、採算的に赤字が続いていた。回収率も98年度に目標を大きく下回る85%にとどまったほか、99年度は収益性を優先させたことで逆に62%まで落ち込んだ。
このため、同社は昨年からアルミ缶リサイクル事業の見直しを検討。今年4月には新菱アルミ缶回収センターの3工場を閉鎖し、主力の関東工場(神奈川県開成町)に絞った効率的な回収を開始。さらに、最重要課題と位置づけていた物流、エネルギーコストの削減につながる一貫工場の建設をを決めたことで、大幅なコストダウンを可能にした。
ただ、三菱マテが競争力を武器に再びUBC市場に乗り込んでくることに同業他社は警戒感を隠さない。「沈静化していたUBC市況が再び過熱する」(大手合金メーカー)とみられるためだ。
しかし、同社は日本のアルミ缶リサイクルの草分け的存在で、現在もボランティア団体などへ定期的に回収車を回すなど赤字覚悟の地道な活動を続けてきた。新工場の建設でアルミ缶リサイクルを単なる社会還元事業としてではなく、収益を期待された主力事業に引き上げたことは間違いなさそうだ。
新工場の建設と運営は、三菱アルミと三菱マテの合弁会社である新菱アルミリサイクル(旧裾野ライトメタル、静岡県裾野市、資本金3億円、三井啓五社長)が行う。
三菱マテリアルのアルミ缶リサイクル事業は従来、UBCの回収(新菱アルミ缶回収センター)→再溶解(大手金属)→圧延(三菱アルミ)→製缶(三菱マテリアル)と各工程ごとにグループ企業が分担してきた。
しかし、各工場が物理的に離れているうえ、大手金属で溶解した再生地金を再び三菱アルミで缶材用のスラブに再溶解し直すなど物流やエネルギーにかかるコストが増大していた。また、大手アルミ二次合金メーカーの市場参入でUBC市況が高騰するなど競争が一段と激化。
こうしたことから、製造工程の大幅な見直しによる競争力強化が最重要課題となっていた。三菱マテは年間約40億缶のアルミ缶を生産し、ピーク時には使用するアルミ原料の約85%をUBCからの再生地金で賄っている。飲料用アルミ缶の製造原価の約5割を占める原料費のコストダウンが事業の再構築に向けた最大の課題となっていた。
【解説】富士の裾野にアルミ缶リサイクルの一大拠点が誕生する。業界最大手の三菱マテリアルがかねてから念願だったUBCからスラブまでの一貫生産体制をグループ挙げて構築する。
同社は業界でもっとも古い75年からアルミ缶のリサイクル事業を開始し、96年には98年度を目標とする「100%リサイクル」を宣言。
しかし、ここ2、3年はアルミ缶リサイクル法の施行でアルミ缶リサイクルが注目されたため、UBCから缶材を生産する「CAN TO CAN」事業に大手アルミ二次合金メーカー各社が相次いで参入。UBC市況の高騰を招き、採算的に赤字が続いていた。回収率も98年度に目標を大きく下回る85%にとどまったほか、99年度は収益性を優先させたことで逆に62%まで落ち込んだ。
このため、同社は昨年からアルミ缶リサイクル事業の見直しを検討。今年4月には新菱アルミ缶回収センターの3工場を閉鎖し、主力の関東工場(神奈川県開成町)に絞った効率的な回収を開始。さらに、最重要課題と位置づけていた物流、エネルギーコストの削減につながる一貫工場の建設をを決めたことで、大幅なコストダウンを可能にした。
ただ、三菱マテが競争力を武器に再びUBC市場に乗り込んでくることに同業他社は警戒感を隠さない。「沈静化していたUBC市況が再び過熱する」(大手合金メーカー)とみられるためだ。
しかし、同社は日本のアルミ缶リサイクルの草分け的存在で、現在もボランティア団体などへ定期的に回収車を回すなど赤字覚悟の地道な活動を続けてきた。新工場の建設でアルミ缶リサイクルを単なる社会還元事業としてではなく、収益を期待された主力事業に引き上げたことは間違いなさそうだ。
日
本銅センター(会長=金谷浩一郎・同和鉱業社長)は、水道用銅管普及活動の一貫として、水道用配管で銅管が60―85%という圧倒的な高シェアを誇る欧米に海外調査団を派遣、同調査団の田中和雄団長(古河電工金属カンパニー企画管理部企画調査担当部長)はこのほど、(1)金属に関する歴史的アドバンテージ(優位性)(2)100年サイクルの住居(3)トータルな施工合理性(4)銅管メーカーと関係団体による一体的な普及活動――を中心に調査概要を報告した。
同団長の発言要旨は次の通り。
調査団は銅管メーカー4社4人と事務局2人の計6人で構成し、6月中旬から7月初めの約2週間にわたり、イギリス、ドイツ、ベルギー、米国の4カ国とIWCC(国際銅加工業者協会)をはじめ関係8団体を訪問した。
日本の場合、銅管の主な需要分野はエアコンに特化されているが、欧米は大半が水道用で、給湯・給水配管市場のシェアは西ヨーロッパ60%、米国85%という圧倒的な地位を築いている。日本は1・2%にすぎない。水道用銅管需要の実数(年間)は西ヨーロッパ35万トン、米国32万トン、日本1000トン。
調査団の目的はこうした「格差」の実態を調べるためであり、次の4点に集約される。
(1)欧米では金属管の中でも、とりわけ銅管に対する歴史的なアドバンテージがあって、これが高シェアに結びついている。
(2)欧米は50―100年サイクルの長いスパンで家屋を建築するが、日本は25―30年の一世代にとどまっている。こうした違いから長持ちする銅管を選択する傾向が高い。
(3)コスト面から見ると、日本は樹脂管が定着しているが、トータルな施工性から欧米は銅管を採用している。米国ではプラスチックが安かったが、欧州では銅管はそれぼと高いわけではなかった。
(4)IWCCをはじめとする関係団体は、銅管メーカーと一体となって銅管の普及活動を推進している。例えば、配管工には正しい施工方法を普及すると同時に、銅そのもののイメージアップを図っている。
これらの4点から欧米での銅管シェアが高い実態を把握することができた。
同団長の発言要旨は次の通り。
調査団は銅管メーカー4社4人と事務局2人の計6人で構成し、6月中旬から7月初めの約2週間にわたり、イギリス、ドイツ、ベルギー、米国の4カ国とIWCC(国際銅加工業者協会)をはじめ関係8団体を訪問した。
日本の場合、銅管の主な需要分野はエアコンに特化されているが、欧米は大半が水道用で、給湯・給水配管市場のシェアは西ヨーロッパ60%、米国85%という圧倒的な地位を築いている。日本は1・2%にすぎない。水道用銅管需要の実数(年間)は西ヨーロッパ35万トン、米国32万トン、日本1000トン。
調査団の目的はこうした「格差」の実態を調べるためであり、次の4点に集約される。
(1)欧米では金属管の中でも、とりわけ銅管に対する歴史的なアドバンテージがあって、これが高シェアに結びついている。
(2)欧米は50―100年サイクルの長いスパンで家屋を建築するが、日本は25―30年の一世代にとどまっている。こうした違いから長持ちする銅管を選択する傾向が高い。
(3)コスト面から見ると、日本は樹脂管が定着しているが、トータルな施工性から欧米は銅管を採用している。米国ではプラスチックが安かったが、欧州では銅管はそれぼと高いわけではなかった。
(4)IWCCをはじめとする関係団体は、銅管メーカーと一体となって銅管の普及活動を推進している。例えば、配管工には正しい施工方法を普及すると同時に、銅そのもののイメージアップを図っている。
これらの4点から欧米での銅管シェアが高い実態を把握することができた。
通
産省は、6月のアルミ建材生産・出荷統計をまとめた。それによると、生産は前年同月比3・5%増の4万3397トンと4カ月ぶりに増加、出荷は同1・8%増の4万4483トンと2カ月連続で増加した。低迷していたビル用サッシが大幅に改善し、全体の数量を押し上げた。
品種別にみると、木造住宅用サッシは、生産1万8103トン(前年同月比0・4%減)、出荷1万9450トン(同横ばい)となり、生産は4カ月続けて減少。マイナス幅は縮小しているものの、完全に歯止めがかかったとはいえない状況が続く。
ビル用サッシは、生産1万1790トン(同11・2%増)、出荷1万1462トン(同3・7%増)。生産がが2カ月ぶり、出荷は4カ月ぶりにそれぞれプラス。
アルミドアは、生産3598トン(同9・2%減)、出荷3988トン(同5・0%減)。生産は8カ月連続、出荷が2カ月ぶりのマイナスとなった。
アルミエクステリアは、生産9906トン(同6・5%増)、出荷9583トン(同5・4%増)で、ともに2カ月連続のプラスを記録している。
品種別にみると、木造住宅用サッシは、生産1万8103トン(前年同月比0・4%減)、出荷1万9450トン(同横ばい)となり、生産は4カ月続けて減少。マイナス幅は縮小しているものの、完全に歯止めがかかったとはいえない状況が続く。
ビル用サッシは、生産1万1790トン(同11・2%増)、出荷1万1462トン(同3・7%増)。生産がが2カ月ぶり、出荷は4カ月ぶりにそれぞれプラス。
アルミドアは、生産3598トン(同9・2%減)、出荷3988トン(同5・0%減)。生産は8カ月連続、出荷が2カ月ぶりのマイナスとなった。
アルミエクステリアは、生産9906トン(同6・5%増)、出荷9583トン(同5・4%増)で、ともに2カ月連続のプラスを記録している。
神
戸製鋼所アルミ・銅カンパニーはこのほど、7―9月の銅管生産を4200トン前後(月平均)と計画、前年同期より2ケタ増へ上方修正したことを明らかにした。中国向け銅管輸出が好調なほか7月の猛暑で国内のエアコン実販が急増、冷媒配管用キットが不足しているため急ぎ、生産体制を強化した。
同カンパニーによると、国内同様、猛暑が続いている中国からエアコン用内面溝付き銅管の引き合いが相次いでいるが、台湾向けはそれほどでない。また、国内向けは7月の猛暑でエアコン実販が予想以上に急増したため、室内機と室外機を結ぶ冷媒配管用キットの流通在庫が払底し、冷媒用銅管の増産を強いられているという。
同カンパニーの半期別の銅管生産は99年度上期4820トン、同下期5080トン、2000年度上期計画4800トンで、例年、エアコンメーカーの生産が極端に少なくなる夏場は減産体制に入る。
ところが、今年の場合、関係者の予想を上回る猛暑と中国から引き合いラッシュで増産体制に切り替えた。
同カンパニーによると、国内同様、猛暑が続いている中国からエアコン用内面溝付き銅管の引き合いが相次いでいるが、台湾向けはそれほどでない。また、国内向けは7月の猛暑でエアコン実販が予想以上に急増したため、室内機と室外機を結ぶ冷媒配管用キットの流通在庫が払底し、冷媒用銅管の増産を強いられているという。
同カンパニーの半期別の銅管生産は99年度上期4820トン、同下期5080トン、2000年度上期計画4800トンで、例年、エアコンメーカーの生産が極端に少なくなる夏場は減産体制に入る。
ところが、今年の場合、関係者の予想を上回る猛暑と中国から引き合いラッシュで増産体制に切り替えた。